僕が優勝しなければ、(巌流島の)先はないと思ってます。| ミノワマン(プロレス/日本)
『巌流島』トーナメント出場選手インタビューをお届けします! 第1弾は日本代表、プロレス代表で出場するミノワマン選手です。新たな格闘技イベントに出陣するミノワマン選手の思いとは?
——まず始めに「巌流島に出ないか?」とオファーが来た時に率直にどのように思われましたか?
ミノワマン率直にですか? 「ないな」、と思いました。
——「な、ないな」ですか?
ミノワマンはい。(出場するのは)ないな、と思いました。
——それはルール的にですか?
ミノワマンそうですね。ルール的にもですね。
——やはり、ルールの部分で考えられましたか。まず、ルール的なことで伺いたいのですが、最初に巌流島のルールを聞いた時にどう思われましたか?
ミノワマン「はぁ?」って思いました。自分のやって来たこととは全然関係のないルールでしたし、今、総合格闘技というスタイルが世界中で確立されている中で、そういう目線でお客さんも見てますから、また新しいルールで、しかも(場外に)落ちたりとかっていうルールが、とにかくないな、誰が出るんだよ、こんなルールって気持ちでした。
——それがまたどうして出てみようという気持ちに変わったんですか?
ミノワマン一度、「絶対にない」という気持ちまでになって、どうやって断ろうかと準備をするために、「2、3日待って下さい」と伝えて、断る理由を考えたんですよ。だけど考えているうちに、自分が(巌流島ルールで)試合しているイメージだったり、日本格闘技界のことだったり、せっかくオファーをいただいたというありがたい気持ちだったり、そういういろんな気持ちの全てを考えていたら、これまでのルールだったり、スタイルや、自分のマンネリ化しているスタイルに対して、そこに新しい技術だったり、感覚が入るんじゃないかなという思いが出てきたんです。
——それで出ようと思われたんですか?
ミノワマンはい、なんか自分でも分かんないですけど、チャンスって思っちゃったんです。新しいものが始まるっていう、そのスタートという意味でも出場しようと。
——そうだったんですね。確かにこの巌流島ルールはかなり変わってますよね。ミノワマン選手は足関節技が得意ですけど、今回のルールだと立ち関節技しか認められていないじゃないですか。そこでファンの皆さんたちは、ミノワマン選手といえば、アンクルホールドが得意なのに、どうするんだろう?と思っている部分もあるみたいなんですよ。
ミノワマンそうですね。僕もグラウンド状態での関節技は得意分野だと思っていますし、お客さんもそこの部分を注目して見に来たり、想像されていると思うんですけど、そこを省いた中での自分のスタイルってことでやるしかないですからね。例えば、カツ丼でしたら、カツがないのにカツ丼を作るとなると他の手段を考えるしかないじゃないですか。豚肉じゃなくて他の肉を使ってカツ丼っぽい味にするしかない。それで、それに近い状態の味で作って、食べた人がカツ丼だったと思う。でもその時に、実はこれカツじゃないよって言った時に「エッ?」っていう驚きの部分といいますか、カツ丼のカツがなくてもカツ丼は作れるよという。つまり、グラウンドでの関節技がなくても勝つことができるよって言いたかったんです。“カツ”“勝つ”になっちゃいましたけど(笑)。
——あっ、カツと勝つですね(笑)。足関節技がなくても勝つところを見せてお客さんを驚かせられるよ、と。さらに、ルールの部分でいうと、試合場はロープがないんですけど、ミノワマン選手はロープなしの試合場の経験はありますか?
ミノワマンプロの試合ではないですね。ロープがないという状況も組んだ時に、これまではロープがあるという状況で押し込んだりしてきましたので、なんかそれに設定した練習もしてみると、思いがけない動きになったり、そのルールが抜けて今までの動きが出て来たりすることもあったりという感じですね。だけど、ロープがないと仮定してやってみた時に出て来た自分の新しい動きは新鮮だなと思いました。身体の使い方も変わりますし。
——全く別競技をやるという感じですか?
ミノワマンそうですね、別物ですね。ただ、僕自身の考えは格闘技もスポーツ全般も、それこそ一般の方の仕事も全て一緒だと思っているんですね。だから、その置かれた状況で何を使うのか、何のルールなのかということだけだと思ってます。
——では、今は巌流島ルールに沿った練習のみをやっていると。
ミノワマンそうですね。それ専用の練習しかしてないですね。
——なるほど。では、これまでもDREAMでの「ハルクトーナメント」など超人系の選手たちと激闘を繰り広げて来たミノワマン選手的には1回戦の対戦相手のウーラーハン選手はいかがですか?
ミノワマン出てるメンバー自体の競技がバラバラなので、体重差とか僕のスタイルには関係ないと思ってます。そういう意味では僕にはあっているのかなぁと思います。
——他の出場選手をみてどうでしたか? セネガル相撲だったり、カポエイラだったり、アメフトだったりって本当にバラバラなんですけど。
ミノワマン身体能力がズバ抜けている選手がこのルールには適しているのかもしれないですけど……。
——今回は他のジャンルの選手たちにもオファーはしましたけど、1回目は様子を見たいという方が多かったみたいなんですよね。ある意味、今回出場を決めた選手たちはチャレンジャーだと思うんですよ。
ミノワマンチャレンジャーですよね。だからチャンスですね。みんなにチャンスがあると思います。
——どんな試合になるのかが想像できないんですけど、そこがワクワクする部分でもあるんですよね。
ミノワマン僕もやってみて新鮮ですね。
——大会自体もどうなるのか想像もつかないんですよ。
ミノワマン想像つかないですよね。ただ、僕が思うには僕が優勝しなければ、まったく面白くないと思ってますから。やっぱり格闘技なんで。日本人でトーナメントに出るのは僕とアメフトの和久選手なんですが、格闘技経験者は僕だけですから。見に来るお客さんも格闘技ファンで、そのファンの皆さんが選んだルールですもんね。日本で生まれる格闘技であり、(今大会は)最初にスタートするものなので、新しいスタイルという意味でも日本人が優勝しないと面白くないと思ってます。だから、僕が優勝しなければ、(巌流島の)先はないと思ってます。
——頼もしいですね! 優勝目指してぜひ頑張って下さい!