左禅丸が語る日本拳法、波動拳、赤ハチマキ……。武術思考の選手が巌流島に集まり始めている
お題………大反響! 1・3巌流島を総括する
こんにちは。
日本拳法自由会とアカデミアアーザ、そして日本甲冑合戦之会に所属している左禅丸(ひだり ぜんまる)でございます。
このたび1月3日の巌流島に出場した者です。
日本拳法のことと、3ラウンド一本負けとなった自分の試合、他の試合の感想、巌流島etc…..について思った事をかなり長めに書きます。
■波動拳について
まず、日本拳法と波動拳について、少し深く堀りさげさせてください。
日本拳法には大きく分けると、関西系と関東系があります。
関西系は澤山宗家の理論を濃く残しつつ、組み技に重きを置いたスタイル。
関東系は、森先生が広めた、水月の構えから、最短距離で直突きを打ち込むスタイルです。多分日本拳法の一般的なイメージは関東系、特に直突きですよね。
私は関東系の水月の構えから、宗家の理論を応用した波動拳を撃つ稀有なスタイルです。
波動拳の事を関東系では、波動突きまたは波頭突きと呼んでいますが、波動拳理論は本来突きだけではなく打ち技(フック、アッパー)にも使うため、「波動突き、ではなく「波動拳」であるべきなのです。私は波動突きではなく、あくまで波動拳を使います。
……かなり脱線しました。
■私の試合について。
総括すると、噛み合いませんでした。
アキラ選手と私は、表する武術の他、色々経験していますが、実は私とかなり似ています。
その中で、私は原点かつ今のメインである日本拳法を称し、アキラ選手が1番重要視しているシステマを称して闘ったわけですが、総合的なファイトスタイルが近かったことから、お見合いする場面が多かったです。その点は凄い反省点です。
私は1回でも日本拳法の試合でいう「一本」が取れれば相手は倒れると思っていました。
2ラウンド目にそんな波動拳が1発入りましたが倒れませんでした。まだ撃力が足りなかったようです。相手が鼻血だったことから、打点が少し高かったこともありますね。
横(フック)や上(アッパー)の波動拳も練習していましたが、ほとんど使えませんでした。これは練習不足が原因ですので、次回の課題にしています。
アキラ選手、強かったです。それがCQC理論かどうかは置いといても、カウンターが上手く、攻められませんでした。1ラウンドの初っ端に左波動拳を右クロスで合わされたので、撃ちづらくなってしまいました。
また体格差があるとはいえ、体幹がしっかりしていて、組んで崩せませんでした。3ラウンドの投げからのパウンドの速さも敵ながら天晴でした。
でも、もちろん悔しいです!
試合後、控え室へ行き挨拶しましたが、見た目の怖さと違い、とても良い方でした。今度ぜひ一緒に練習して、お互い高めて行けたら良いなと思います。
■赤いハチマキについて
さて、写真の赤いハチマキについては、賛否両論があります。ご想像の通り、波動拳=リュウなわけで、ウケ狙いと言われればそれまでです。でも反論。
・大学日本拳法部時代にも練習中に赤いハチマキをしていました。
・キックボクシングやっている時、私のトレードマークはハチマキでした。
つまり、ハチマキは日本拳法と左禅丸を表すアイテムだったので、怒られるのを覚悟で着けました。まーちょっとリュウの雰囲気あるでしょ(笑)。
で、武道(武術)エンターテインメントの巌流島にこういう自己表現を持ち込む是非について。
私はいわゆる現代武道の人間ではなく、格闘技も古流も取り入れている武術者です。
江戸時代以前の武術家・剣術家は自己顕示欲・自己表現欲の塊ですよね。宮本武蔵は各藩に自分を売り込んでいましたし、巌流佐々木小次郎も、自分を売るために「巌流」と記されたのぼりを立てて街をねり歩いたとか(巌流は謎が多い人なので史実かは微妙ですが)
だから、自己表現自体は相手への礼を逸してなければ巌流島ではアリだと考えています。
ぶっちゃけ、ビジネスの世界含め、どんな世界でも、自己表現できなきゃ商売になりませんしね(笑)。
■1.3巌流島、他の試合について
・聡DATE選手、素晴らしいパフォーマンスで した。多彩な蹴り技より、組みが強いのが、思い切り蹴りに行ける理由なのでしょう。今後が楽しみです。ちなみに、上記の通りTeam DATEのコスプレには全面的に賛成です。
・岩崎選手vs蓮見選手。すみません、自分の敗戦ショックで見れませんでした。唯一の判定決着ですが、ここも噛み合わなかったかもしれません。
・鈴川選手、勝負に徹した転落狙いの試合展開が強さを引き立てました。かっこいい! 次は外国人か大相撲出身者との試合が見たいですねえ。
・空道世界王者シャロマエフ、すげー強かったですね。空道は巌流島ルールに合っている流派の一つだと思います。
・関根選手、2回目のトライアウトの時にご挨拶出来ましたが、すごく謙虚かつ身体が分厚い方。対するアンブリッツ選手はもっとデカい。腹固めでの制圧、むちゃくちゃカッコ良かった! 同じ昭和48年生まれなんですねえ(私の方が一学年オッサンですが)。
・シビサイ選手、思い切りが良い。止めるの早いともいわれる試合決着ですが、マウントを解除できずに殴られ続けたら、一本取られても仕方がないかと(自分自身にもそう言ってますw)。
・そしてメイン。菊野選手の突きの破壊力にあらためて惚れました。ガンガン攻めた小見川選手も素晴らしい。これが巌流島だ!と。
八試合中、七試合が一本決着。
あっさり決着付いてしまうイメージがあるかもしれませんが、これが巌流島なんだと!
■巌流島について
最後に巌流島の興行についてです。
コンセプトにこだわりを持ち、演出して興行と選手を盛り上げようという「愛」が素晴らしかったです。進行も段取りも厳格な管理も素晴らしかったです。
また、菊野選手、小見川選手を始め、選手からの巌流島愛も盛り上げ要因の一つだと想います。もちろん左禅丸も巌流島を愛しています。
今回出場した選手は皆様礼儀正しい方々で、外国人選手も皆とても良い方々だったのが印象的です。
キック、総合、サンボ、柔術、柔道、空手、何なら日本拳法も含め、どの試合と比べても、礼の所作が素晴らしかったです。
RIZINと比べたがる人がいるかとおもいますが、そもそものコンセプトが違う別物で、RIZINも巌流島も一緒に良くなっていけばよいですよね。年末のRIZINは面白かったし、今回の巌流島も面白かったと、客観的に思います。
もう一度言います。カテゴリーが別なので、そもそも比べるものではないのです。
巌流島のオンリーワン路線、私は大好きです。もう一度チャンスをいただけるなら、練習しまくってぜひ出場したいと思います!!
最後に、出場した選手として、今後の進化提案を。現代武道からさらに古流武術へ寄っていくのが良いかと。
・前日計量廃止。減量という概念を持ち込ませない。
・ラウンド制の廃止。インターバルは武道武術の観点からするとやってて微妙でした。まずは、前座でトライアウトのように5分とかで切ってみては?
・転倒ポイントの新設。転落の半分位で。
・2日間開催、2部制の実施→出場機会の増加。
・赤青ではなく青龍白虎で。刃牙ですが(笑)。
・似たような体格の選手を集めて当日組み合わせを決める「辻 仕合」。
・片側に同じ流派の選手を集め、もう片側にはそれに挑む諸流派を集める「道場破り」。
・流派同士の「団体戦」。
……いかがでしょうか?
1・3巌流島のレポートはコチラ⇒
『OUT ENEMY 2018 in MAIHAMA』