「俺はサムライになれたのか?」。元警察官最強の関根“シュレック”秀樹がブロマガ初投稿!
お題………大反響の5・6 巌流島・舞浜大会を振り返る!

文◎関根“シュレック”秀樹(柔術家)
先ずは各試合の感想についてお話します。
最初に断っておきますが自分の試合以外は、かなりファン目線で浮わついた文章です。
■第一試合 吉田選手対クンタップ選手
柔道vsムエタイ
この試合は控室でアップしながら小さなモニターを横目で見ながらの観戦でした。
内容はズバリ、柔道対ムエタイという異種格闘技戦的内容でクンタップが打撃、吉田選手がそれを捌いて組み付いて投げるの繰り返しで、吉田選手が文句ない判定勝ち。
と思っていましたが、帰宅して放送を見返したらクンタップのパンチが入ってかなり効かされ、危ない状態でした。
吉田選手はあの状態でよくぞ持ち直しました。
お互い持ち味を発揮した良い試合だと思います。
■第二試合 北井選手対原選手
この試合は、キックボクシング対超実戦空手という異種格闘技の形以上に、イケメンリア充vs引きこもり陰キャラという、お互いのキャラクター対決に興味を持った方が多いと思います。
もちろん私もそのうちの一人です。二人のインタビュー、ツイッターの舌戦、お互いが自分のキャラクターとストーリーをしっかり作って試合の日を迎えてくれました。
こういう事前のキャラづくりは、プロレスファンから格闘技ファンになった自分としてはたまらなく嬉しいです。
北井選手はルールミーティングと公開記者会見に美人の彼女を帯同して、俺様リア充ぶりをアピール。原選手は計量後ひたすらコンビニ飯を食らい続ける。
弁当、おにぎり、パン、パスタ、ジュース、信じられないくらいの量を食い続けていました。
それを見て自分の頭に浮かんだのはグラップラー刃牙の初期のシーン、タッパーいっぱいのおじやと炭酸抜きコーラ。
俺は思わず「オイオイオイ。死ぬわ、アイツ」と呟いてしまいました。
試合は、原選手がMMA経験値をいかんなく発揮し完封しました。
原選手はブレイクした時の所選手のようなキャラの強さがあります。将来きっと巌流島のエースに成長すると思います。
■第三試合 シュレック関根対バル・ハーン
ブラジリアン柔術vsモンゴル相撲。
実は昨年ONEチャンピオンシップで敗れてから、毎日のようにボクシングを習っています。そして東京のAACCに通い、空手の岩崎師範に基本の形の手ほどきを受けています。自分で言うのもなんだけど、打撃もかなり上達したと思います。今回これが普通のMMAならば打撃勝負もあり得るのですが、舞台は巌流島。俺の下手糞な打撃は誰も望んでいないはずです。
そして自分自身モンゴル相撲は組んだら本当に強いのかということに興味があったし、自分も小2から大学まで柔道をやっていたという自負もありました。これでもけっこう真面目にやっていたのです。だから敢えて組みに行くことにしました。
うまく、もろ差し状態になり、バルハーンは両上手を引いた状態。
俺は今までの柔道人生で帯持ったらどんな奴も裏投げで投げてきました。合同練習ではオリンピックメダリストだって投げてきました(その後1週間ボコボコにされ続けたけど)
ちなみに裏投げは、高校生の時に柔道部物語の西野新二に憧れて身につけたものです。
狙い通りの体勢から裏投げをしようと踏み込むも、これがピクリとも動きませんでした。「あれ? さすがに腰が重いな。じゃあ少し崩してもう一度裏投げ」と思って大内刈りをかけても 両上手の引きつけが強くてピクリともしません。
これやばいんじゃないの?
何度かチャレンジしても全然動かないので力勝負はあきらめ、苦労してバルハーンの右上手を切り体落としにいきました。なぜ体落としを選んだかというと、あのデカい体格には上下の揺さぶりが有効だと思ったからです。特に低い投げには対応できないだろうと。
この体落としは自らの足が短すぎたことにより、バルの右足に足が届かず、背負い投げ気味になりながらも決まり、テイクダウン成功。
すぐに腕十字に行ったのですが、先ほどのバルの強烈なかいな力が頭にちらついてしまい、中途半端な仕掛けになって失敗してしまいました。
バルが立ち上がってきたのですが、出足払いで再びテイクダウンしました。
ちなみに足技は、鈴木桂治(かなり年下)に憧れて練習したものです。
このとき1ラウンドの終了時間が迫ってきていたんで、バルをニーオンザベリーで釘付けにしてパウンドを選択しました。
このニーオンザベリーというのは簡単なようでなかなか難しく、自分も柔術黒帯になるまでまったく使えませんでした。コツがわかってないと相手をピン止め出来ずすぐに逃げられてしまうのです。
唯一出せた柔術テクニックです。
こうして時間ギリギリなんとかパウンドアウトできました。
■第四試合 信達選手対ヴィニシアス選手
空手対カポエイラ。
これはもうヴィニシアス選手の作戦勝ちだと思います。
明らかな押し出し狙いで二回場外に落とし、さらに押し出し狙いと見せかけて前に出る。それまでカウンター狙いで下がり気味だった信達選手は後がないので前に出るしかない。押しに耐えるため、それまで背すじがピンと伸びたよい姿勢が前かがみになった。そこへヴィニシアス選手のバックスピンキック。前かがみでは避けられない蹴りです。もろにあばらに入ってしまいました。そしてとどめの顔面蹴り。
自分の見立てではマーカス兄弟はそうとう作戦を練ってきたと思います。
信達選手は引退を宣言されましたが、ファンとしては巌流島ルールに適応した姿を見たいと思います。
■第五試合 シビサイ選手対ビワコ選手
全身凶器空手対ダンベ。
これも楽しみなカードでした。
俺がシビサイ選手を初めて知ったのは、彼がまだあまり世に知られてない頃、ADCC2013日本予選の時です。
-99キロ以下級において、巨体にもかかわらず柔らかい動きで決勝進出し、日本重量級の雄、小澤選手を存分に苦しめたのを目の当たりにし、その才能に惚れこみ一緒に写真を撮ってもらいました。
そのシビサイ選手が餓狼伝で有名な全身凶器空手を身にまとい、スケールアップして現れたのです。期待しないわけがありません。
対するはアフリカの未知なる格闘技ダンベ。
右手に荒縄を巻きひたすら殴り合うという、わけのわからない狂気に満ちた格闘技。
彼はそのダンベのチャンピオン。しかも元警察官。
名前はホンシュウ・ビワコだし、もうわけが分かりません。
この未知なる強豪対決は、まさにグラップラー刃牙の世界ですね。
試合内容はシビサイ選手が終始圧力をかけ続け、場外3回で一本勝ち。殴り合いの末のKOが観たかったが、これもまた巌流島。
しかしシビサイ選手の圧力とビワコ選手の大ぶりのフックは迫力ありました。
シビサイ選手のハイキックをダッキングでかわしたビワコ選手の目と反射神経も凄かったです。
■第六試合 小見川選手対ジャイロ選手
ネオ柔道vs重量級ボクシング
大会ベストバウト。素晴らしい!
ジャイロ選手のヘビー級らしからぬシャープなパンチ。そしてそれに臆することなく、ピーカブースタイルで潜り込む小見川選手。
ひとたび組めば、襟のコントロールと体捌きで116キロのジャイロ選手を振り回し投げる、投げる、投げる!!
柔道をやっていたものとしては、痛快すぎて控室の小さなモニターの前で奇声をあげてしまいました。
格闘技の試合でこれだけ興奮したのは、あの伝説の大晦日興行「やれんのか」の三崎vs秋山戦以来かもしれません。
しかし公言どおり巴投げで刈っちゃうんだもんな。小見川さん、神がかっていたよなあ。いやぁ、カッコよかった!!!
控室に帰ってきた小見川選手に一ファンとして写真撮ってもらいました。
■第七試合 菊野選手vsアンブリッツ選手
沖縄空手vs重量級MMA
場内大興奮のまま最終試合、メインカードに至りました。
自分たち選手は、試合終了後の閉会式に備えるため、舞台そでにて待機。今まで小さなモニターで見ていましたが、この試合だけはカーテンの隙間からリアルに観られました。
菊野選手は巌流島のエースでありカリスマ。
自分もその高潔な精神性に強く憧れています。
以前、菊野さんと小見川さんが戦った時には、菊野さんを応援していたくらいです。
というわけで始まったメインカード。
菊野選手は、140キロ近くある筋肉ダルマ・アンブリッツさんに対し、いつものように蹴りと突きを繰り出していました。けっこうクリーンヒットしていたと思います。しかし皆さんご存知の通り、ローキックをカットされた際にスネを裂傷し、無念のドクターストップ。
残念すぎる結末。消化不良。
しかしここで驚くべきことが起きました。普通のMMAの大会ではブーイングが起こってもおかしくないこの状況で、菊野選手の挨拶後に拍手しか聞こえなかったのです。
ここで確信しました。巌流島は他のMMAプロモーションとはファン層が違うのだ。皆がMMAだけでなく選手の生き様を見に来ているのだと。素晴らしい。
大きい人に対しコンプレックスがあるという菊野選手が、アンブリッツ選手と正面から向き合うことが出来るのか。武道・武術の完成形。
自分としても、それ以上は観たくなかったのかもしれません。
菊野選手が体格を克服できずに無残にやられるところ、逆に男の中の男アンブリッツさんが体重半分の男に倒されるところ、二人のファンとして見るのが怖かったです。
そこで無効試合の判定。いい意味でこれ以上ない実に日本的な曖昧な判定です。そう考えるとこの試合もまた神がかっていたのではないでしょうか。
以下、余談です。
●悪魔将軍マスクについて
悪魔将軍マスクはCCPという超精巧なフィギアを作成している会社のものです。キン肉マン好きなら絶対に欲しいアイテムです。
●アンブリッツさん情報
閉会後、ホテルに向かうバスの中で俺の後ろに座ったアンブリッツさん。腹が減ったね、と話していたらアンブリッツさん、「プロテインバーがあるぞ。食べるか?」と荷物をゴソゴソやりだしました。俺、アンブリッツさんの優しさに感激しながら「プロテインバーなら俺も持ってるぜ」と答え、「ハハハ、そりゃそうだな。俺たちみたいな男はエブリタイム、プロテインだな」と笑いあいました。強い男は優しい。そして常時、プロテインバーを携帯しています。
●アンフィシアターのシャワー
会場のシャワーは高圧洗浄機なみの出力。ケツを洗うと痛かったです。
●ドーピングチェック
試合後ドーピングチェックのため小便を出すのだが、自分はギリギリの量でした。皆さん、ちゃんと出たのだろうか。
以上、駄文で申し訳ありません。
5・6舞浜アンフィシアター大会のレポートはコチラ⇒
『巌流島 WAY OF THE SAMURAI 2017 in MAIHAMA』