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【10.21 全アジア武術選手権大会】大会直前・来日選手インタビュー

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いよいよ間近に迫った『10.21 全アジア武術選手権大会』。トーナメント参戦選手を中心に大会直前の心境を聞いた。

■アリ・マルバクティアリ(カンフートーア/イラン)

初戦でムエタイ王者を倒し実力を証明! そしてそのまま優勝する!

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————カンフートーアはどんな格闘技ですか?

アリ イランで創られたカンフーです。足技が多彩で、中国のカンフーとはまた違う独自のものです。カンフートーアの使い手はレスリング技術も持っていて、組み技やテイクダウンも得意です。

————カンフーとイランのレスリングが融合しているということですか?

アリ そうとも言えますね。そもそもイラン人は伝統的にほぼ全員が子供の頃からレスリングをやるので、ベースとしてレスリングはできるんです。

————巌流島の印象は?

アリ 巌流島のことを知り、すごく面白そうなので自分もぜひ出てみたいと思いました。世界中のマーシャルアーツがその強さを競える場だと思います。他ジャンルと対峙して、自分のマーシャルアーツの力を試すことができる唯一無二のイベントですね。

————どんな作戦で臨みますか?

アリ 自分の強みであるスピードとパワーで勝負します。打撃でKOもしたいし、テイクダウンもしたいし、場外の押し出しにもトライしてみたい。持てるすべてを出して闘います。

————初戦で闘うクンタップ対策は?

アリ 初戦でムエタイの強豪と闘えてとても嬉しいです。そこで自分の実力を証明できるし、突破すれば一気に優勝に近づくと思います。

————ムエタイに対する怖さはある?

相手がなんのジャンルであろうと、私はあくまでカンフートーアの戦士として闘います。相手がムエタイでも一緒です。

————クンタップ以外の選手のことは知っていますか?

アリ 他の選手のことは知りませんが、柔道や空手の選手が出場することは知っています。当日、ほかの対戦相手の試合も見て、その場で研究します。

————最後にトーナメントに向けて意気込みを。

アリ 今回のトーナメントは自分にとっての挑戦です。イランに栄冠を持ち帰りたいです。

■イゴール・ペルミン(ハンド・トゥ・ハンド/ロシア)

ハンド・トゥ・ハンドとは軍隊の白兵戦であり、実戦での殺し合いに基づいて相手を破壊する技術です

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————今回が初来日ですか?

ペルミン 子供の頃に観光で日本に来ました。それと空道の世界選手権で来日したこともあります。

————出身はロシアのウラジオストクですよね。

ペルミン はい。ウラジオストクは日本からすごく近くて、飛行機で2時間で着きます。セコンドのビターリ・クラットも、前回参戦したエブゲニー・シャロマエフもウラジオストクの出身です。我々は、自分たちが住む極東ロシアはアジアだと思っています。

————ハンド・トゥ・ハンドとはどんな武術ですか?

ペルミン ハンド・トゥ・ハンドは軍隊の白兵戦のために作られたもので、実戦での殺し合いに基づいて、最短の時間で相手を破壊することを目的にします。打撃、投げ、関節技、ヒジ、ヒザ、頭突き、倒れた相手への顔面蹴りと、なんでもやります。

————コンバット・サンボとの違い?

ペルミン コンバット・サンボは組み技重視ですが、ハンド・トゥ・ハンドはより打撃を重視し、より実戦的に闘います。競技ルールとして、グラウンドでの顔面蹴りや頭突きが有効なのもサンボと違うところです。より実戦的になると打撃主体になるんです。

————初戦の相手のアマラー・フーヘンフー選手の印象は?

ペルミン Youtubeで少し試合の動画を見ました。組み技が強くて相手に不足なしという印象です。激しい試合になるでしょう。

————トーナメント対策は?

ペルミン ハンド・トゥ・ハンドもワンデートーナメントで競われ、一日に3〜5試合やりますので問題ないです。いつもどおりやるだけです。

————最後に意気込みを。

ペルミン とにかく判定ではなく一本で勝ちたい。私は基本的に判定で勝つのは好きではないので、すべての相手をKOして勝ちたいです。そもそもハンド・トゥ・ハンドは実戦的により早く相手を破壊するための武術であって、判定という考え方はありません。誰が来ようと一本で完全勝利します。

■マーカス・レロ・アウレリオ(カポエイラ/ブラジル)

いかにカポエイラを信じ、愛しているか。その思いの強さが私のカポエイラの強さの秘訣です

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————レロ選手の再来日を待っていました。

レロ 私もずっと巌流島で闘うときを待っていました。

————今年3月の巌流島でのカポエイラキックでのKOは衝撃的でした。

レロ カポエイラがただのダンスではなく、実戦で効果的な本物武術だと証明できたと思います。

————あのキックはどんな技なんですか?

レロ 我々はあの回転蹴りを“半月蹴り”と呼びます。半月の弧を描くように放つキックだからです。カポエイラの打撃を決めるためには、パワーよりタイミングが大事。今後もああいうカポエイラ独自の技をどんどん出していきたいです。

————他にはどんなカポエイラの技が使えそうですか?

レロ まだたくさん使える技はあります。でも私は、いつも作戦はあまり考えないんです。状況に合わせて、パンチや組み、投げ、押し出しなど何でもやるつもりです。その中でカポエイラを活かして闘いたいです。

————カポエイラ経験者の中で、なぜレロ選手だけカポエイラで勝てるんでしょうか?

レロ それは他の選手たちがカポエイラが実戦で役立つとは思ってなくて、MMAのセオリーにばかり頼っているからですよ。私はカポエイラの力を信じています。他の選手たちは、私のようにこうしてカポエイラのユニフォームを着てくるほどカポエイラを愛していますか? しませんよね。その思いの強さの差が出ています。いかにカポエイラを信じ、愛しているかということです。カポエイラを少し試すのではなく、私はカポエイラに全人生をかけているのですから。

————相手のミケーレ・ベルギネリ選手の印象は?

レロ 経験豊富でとても強い選手だと思います。前回は負けてしまいましたが、あれはルールをしっかり把握していなかっただけでしょう。間違いなく強敵です。

————ベルギネリ選手のバックボーンである喧嘩フットボールの動画は見ましたか?

レロ いやぁ、喧嘩フットボールはすごい格闘技ですね(笑)。見ていてすごく驚いたし、面白いと思いました。おかしな格闘技と思うかもしれませんが、実際の闘いではああいった団体戦も起きます。私も若い頃は複数人での闘いに巻き込まれることがありました。本物の戦士によるリアルな戦闘だと思います。

————今回もレロ選手の美しい闘いを期待しています。

レロ 今回もファンのために面白い試合をしたいと思います。ただ、私は自分をよく見せるために闘うわけではありません。カポエイラは基本的には自分の身を守るための術です。危険な状況で自分がどう動くか、どう生き残るかというリアルなサバイバルの世界。それが私の闘いです。結果として、その闘い方が自然と美しい姿として写るんだと思います。

アディチャ・カトカデ(コシティ/インド)

朝3時に起きてヒンズースクワットを4000回。2時間のトレーニングを毎日4セット。それが終わったら、次の日の練習に備えて夜8時に就寝します

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————コシティの経歴を教えてください?

カトカデ 7歳からコシティを始めて、13歳からトップクラスのコシティの大会に参戦しています。インド各地の村々から選手が集まり、ペールワンを決める大会をやり、名誉と賞金を得るんです。

————カトカデ選手もペールワンなんですか?

カトカデ そうです。

————コシティには階級制はありますか?

カトカデ 階級制と無差別級があります。また、コシティにはポイント制はなく、あくまでピンフォールでの一本勝ちを競います。もともとはしっかりと競技ルールは決まっていなく、制限時間も体重制限もなく、とにかく一番の男を決める場でした。

————コシティの戦績は48勝1敗と聞きました。

カトカデ その1敗は無差別級での闘いでした。

————コシティではどんな練習をしているんでしょうか?

カトカデ インド人はとてもストイックで一日中練習します。毎日、朝3時に起きて、まずヒンズースクワットを4000回こなします。そして2時間のトレーニングを毎日4セット行います。トレーニングが終わったら、次の日の練習に備えて夜8時には就寝します。それがコシティ選手にとっての日常です。

————巌流島では打撃もありますが?

カトカデ 打撃はまだ始めたばかりですが、自信はあります。

————巌流島ではどういう闘いをしたいですか?

カトカデ 押し出しのルールに注目しています。コシティの選手にとって押し出しは有効な作戦になるはずです。押して出すのもいいですし、相手を持ち上げて場外に投げてしまうのもいいでしょう。

————カトカデ選手はスリムに見えますが、現在何キロですか?

カトカデ 61〜62kgです。相手の毛利選手のほうが体は大きいでしょうけど、私はコシティでも無差別級を経験していますので問題ないです。

————毛利選手はMMAの経験も豊富です。

カトカデ 私も打撃、グラウンド、両方で闘う自信がありますので大丈夫です。

■ミケーレ・ベルギネリ(喧嘩フットボール/イタリア)

レロのことはリスペクトしているが勝つのは私。男の殴り合いを挑みたい

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————体調はどうですか?

ミケーレ すごくいいです。前回は、序盤はすごくいい動きをしていたのですが、グラウンド状態でディフェンスしていたら、試合を止められてしまいました。ルールが理解できていませんでした。

————止められなければ、まだ闘えていましたか?

ミケーレ もちろんです。グラウンド状態で亀になって守り、次に何をしようか考えていたら止められてしまったんです。

————今回はどのように闘いですか?

ミケーレ ルールは理解したので、躊躇することなく、待つことなく、自分から仕掛けます。アグレッシブな試合を見せます。

————対戦相手のレロは多彩な足技を持っています。

ミケーレ 彼はいい選手ですし、リスペクトしています。彼の蹴りは危険なので、蹴りの間合いに入らないように接近戦で闘いたいです。

————逆に彼の弱点はあると思いますか?

ミケーレ 蹴りは強いと思いますが、パンチはそんなに怖くないのではと思います。相手との距離をつめて殴り合いをしたいです。

————相手にメッセージを

ミケーレ レロのことはリスペクトしていますが勝つのは私です。男の殴り合いを挑みたいです。

■ジャン・ウェンシェン(散打/中国)

中国代表としてみっともない試合はできない。中国を背負って、日本の小見川選手に勝つ

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————格闘技歴を教えてください。

ジャン 9歳で中国の伝統武術を始め、12歳で散打を始めました。

————散打の特徴は?

ジャン スピーディで鋭い攻撃が特徴です。突く、蹴る、投げるが三位一体になっているのが散打です。

————巌流島のルールはどう思いますか?

ジャン 巌流島のルールを聞いて、中国武術と共通する部分が多く、我々の実力を発揮できる舞台だと思いました。

————対戦相手の小見川道大選手は、柔道出身で投げが得意です。柔道についてはどう思いますか?

ジャン 大学で散打の練習をしているときに、柔道の選手とも交流を持ちました。柔道選手の強さは理解しています。

————柔道に対する怖さはないですか?

ジャン 柔道の強さは知っていますが、私は学生時代から、中国の組み技の武術であるシュワイジャオの選手と一緒に練習してきました。シュワイジャオの選手は、柔道以上に強いですから、何も心配することはありません。

————今回、アジア最大の武術国である中国を代表して出場しますが?

ジャン 中国代表としてみっともない試合はできません。中国を背負って、日本の小見川選手に勝ちます。

■アマラー・フーヘンフー(モンゴル相撲/モンゴル)

コマンド・サンボの世界選手権で5位になっているので、ロシアの選手に対して怖さはありません

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————格闘技歴を教えてください。

アマラー これまでたくさん格闘技を経験してきました。モンゴル相撲では、一番大きな大会にも出場しています。柔道も学びましたし、サンボもやっていました。コンバット・サンボの世界選手権では5位になっています。あとラグビーもやっていて、ナショナルリーグで現役でプレイしています。

————非常に多彩な経歴をお持ちですね。巌流島の印象はどうですか?

アマラー 巌流島は打撃が主体なので、パンチを磨いてきました。

————初戦でぶつかるイゴール・ペルミン選手の印象は?

アマラー 先ほども言いましたが、私はコマンド・サンボの世界選手権で5位になっているので、ロシアの選手に対して怖さはありません。

————ラグビーの技は巌流島の闘いで使えそうですか?

アマラー ラグビーで使う瞬発力は巌流島でも有効だと思います。私はより強くなるために様々な格闘技をやって、それぞれの良さを取り入れてきました。引き出しはたくさんありますので、状況に応じて、最も有効な技を出していきます。

————巌流島にはこれまでたくさんモンゴル人が参戦し、活躍しています。

アマラー みんな国の代表として、モンゴル人の精神を見せていると思います。

————モンゴル人の精神とは?

アマラー モンゴルの気候の厳しさや、幼い頃から日常的に家畜を扱ったり、食べ物が肉食だったりという環境が、モンゴル人の野性味を生むんだと思います。それがモンゴル人のたくましい精神を育みます。

————アマラー選手は格闘技で生計を立てているんでしょうか? 

アマラー いえ、普段は公務員です。国家の汚職を取り締まる仕事をしています。

————国家の汚職の取り締まり!……。ではそのモンゴルの国家を代表して、意気込みをお願いします。

アマラー トーナメントではモンゴルを代表して闘います。どの国の選手と闘っても負けません。

『全アジア武術選手権大会 2016 in TOKYO』チケット情報