NEWSニュース

出るか、フライング・スパイク!? 元フランス代表ガブリエルがバレーボール殺法で海鵬に襲いかかる!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

7.31巌流島・有明コロシアム大会で海鵬と対戦する、コンゴ出身のガブリエル選手に話を聞いた。ガブリエル選手は少年時代にフランスに移住し、バレーボールのフランス代表選手となり、日本ではVリーグの東京FCにも所属していた、正真正銘のプロ・バレーボール選手。さらにブルース・リーが大好きで、格闘技の練習もずっと続けてきたという。日本語は日常会話に不自由しないぐらい喋れるが、ここでは英語の通訳を介して話を聞いた。

サムネ

――まず簡単なプロフィールを教えてください。

ガブリエル 本名はガブリエル・ベンアミ・ゾボレビ。みんなからはガブーと呼ばれている。193センチで、今は94キロ。1979年1月8日生まれの37歳。コンゴ(コンゴ共和国)生まれだよ。僕がいたコンゴはフランス領だったので、フランス語も喋れるし、フランスと往来する人は多いんだ。僕が母と一緒に、母の再婚相手がいるフランスに渡ったのは8歳の時だった。そしてバレーボールのフランス代表にまでなったんだけど、左ヒザなどをケガしたこともあって、2010年の夏、31歳のとき初来日。暮れから翌年春まで行われる1シーズン、VリーグのFC東京でプレーした。今は日本に住んでいる。ケガは左ヒザのほか足首、肩、背中、いろいろ痛めたけど、今は鍛えてるので大丈夫。左足だってケガする前より、むしろ頑丈になったよ。だからMMAもやったのさ。

――MMAのキャリアのスタートは?

ガブリエル ドイツで最初のトーナメントがあり、スペイン、イタリアでも試合をしたけれど、当時はプロじゃなかった。今は欧州でもたくさんプロのMMA大会があるけれど、その頃はまだなかったからね。フランスではバレーボールの開催期間が8カ月しかないので、オフシーズンに格闘技を始めたんだよ。格闘技も大好きだったから。最初はキックボクシング、次はMMAだった。サバットのほか、ボクシングの練習も少しだけした。例えば月曜は朝にウエイト、午後5時からバレー。火曜はバレーだけ。僕は時々、朝キックボクシングの練習をしたりしていたけど。とにかくいつも練習練習だったよ。日本にはプロの大会がいっぱいある。プロ格闘技の試合にはバーリ・トゥード・ジャパン、DEEP、シュートボクシングに1試合ずつ出たよ。

――フランスでプロのバレーボールチームにいたのは何歳から?

ガブリエル 17歳の時からだね。一番若い選手だったんだ。

――オリンピックには出場したんですか?

ガブリエル ノー。僕はいい選手だったけど経験がなかったので、もっと経験がある選手が選ばれたんだ。けれど、ユーロ・チャンピオンシップやワールドリーグには出たよ。フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スペイン、プエルトリコ、チュニジア…。色んな国で試合に出た。でも日本には来たことがなかった。来たかったんだけどマネージャーに「まだ行く時じゃない」って言われてたんだ。

▼フランスで活躍していた当時のガブリエルのバレーボール動画集

――で、FC東京で活躍したあとは?

ガブリエル そのあとはいっぱい問題があった。インターネットハッキングにあって、色々な銀行口座から自分の名前でお金を取られてしまって。お金で苦労する時期を過ごしたんだ。弁護士への支払いも大変で5年間払った。自分がやったんじゃないって証明したかったんだけど、でも証明できないので、弁護士とやりあうのもやめて。自分で稼ぐ道を歩みだしたんだ。

――では今の日本での仕事は?

ガブリエル ミュージックビデオを撮ったり、映像の編集とか、監督もする。Youtubeでも見られるよ。ウェブサイト、グラフィックデザイン、カメラマンもやってる。サービスを提供するために、小さな会社も立ち上げてるんだ。時々、国際的なアーティストの仕事もするよ。商品の写真を撮ることもある。でもメインはミュージックビデオ。この場所に来る前は、その仕事をしてきたんだ。だからムービーカメラ、カメラ、レンズも大きなバッグに入ってるよ。僕はミュージシャンでもあるので、ミュージックビデオにも出演している。作った曲も人に提供している。僕は俳優学校や音楽学校にも行ってるんだ。テレビ番組では渡辺直美さんと歌ったり、関∞ジャニのバックダンサーとしても出てるんだよ。

――ボビー・オロゴンさんが監督した映画にも出ているんですよね。では、なぜ前回の巌流島TDC大会の南アフリカ勢のセコンドについていたのですか?

ガブリエル ボビー・オロゴンと『グラバカ』のジムで知り合っていたので、僕が格闘技好きなことを彼が知っていたから、誘ってくれたのさ。

――ボビーさんは今でもよく『グラバカ』東中野のジムで練習しているそうですね。

ガブリエル 僕は2013年4月くらいから『グラバカ』に来て、当時はそこで練習していたけど、六本木のジム『ボディプラント』に移って、いまはそこでパーソナルトレーナーをしてるんだ。大人や子供にキックボクシングを教えたりもしている。

IMG_2671

IMG_2756ボビー・オロゴンと一緒に練習し、7.31巌流島で対戦する海鵬対策を練っている

――ところであなたは、本当は星風選手と闘いたがっていたとか?

ガブリエル 今回の海鵬戦のあと、星風と闘いたいと思っています。星風は、闘うためにクレイジーになる必要なんてないのに。いかなる時も他人をリスペクトしなきゃいけない。エンターテイメントで人を楽しませるためには、バカになることも必要だけど、限度がある。星風はそれを超えてしまっていた。

――では、あなたもクレイジーになって星風選手を叩きつぶしたいのではなく、キチンと闘いたいと。

ガブリエル いや、俺もクレイジーになるよ。でもちゃんとリミットはある。

――では、闘って堂々と星風へのリベンジを果たしたいと?

ガブリエル あの時はチームの仲間だったから、ボボ(ボンギンコシ・マドンセラ)を僕らが守ろうとするのは当然だったけど。星風との試合を見て、僕自身が興奮しすぎてしまった部分もあるので、今度は普通の感情でいたいな。

――ガブリエル選手はセコンド陣の中でも一番エキサイトしていましたよ。

ガブリエル すみません(笑)。星風が限度をはるかに超えていたから怒ったんだよ。

IMG_2842

――今度対戦する海鵬の巌流島での試合映像は見ましたか?

ガブリエル 相撲時代の映像しか見ていない。でも巌流島の試合とは全然違うからね。

――海鵬選手と星風選手はまったく個性が違う選手です。星風選手はモンゴル出身です。日本人とは育まれた精神、考え方が少し違うのかもしれませんね。

ガブリエル そうだね。海鵬さんは全然、大丈夫。リスペクトを持ってる人だし、日本人スタイルだよね。僕も海鵬さんをリスペクトしているよ。何かを長年もやり続けている人は、リスペクトする心も知っているので、海鵬さんと同じ気持ちで、僕も尊敬しながら闘っていきたい。

――フランスは柔道が盛んですけれど、なぜキックボクシングやMMAに興味を持ったのですか?

ガブリエル 本当は初めに柔道をやりたかったんだ。でも母がシングルマザーで、子供の頃、道衣を買うお金がなかった。でもバレーボールを見に行ったら、靴とか服とかタダでくれたんだよ。それでも「バレーはやりたくない」って言ってたんだけど、「また来たら、もっとあげるよ」って言われたので。そのあと、お小遣いももらうようになった。13歳の時、お菓子を買えるぐらいだったけど。14、15歳以下のバレーボールのナショナルチームに入れる実力はあったんだけど、若すぎたので入れなかったんだ。だけどフランスのナショナルチームはどうしても僕がほしかったので、1時間でフランス国籍も取ってくれて、バレーボールの学校に通うことになった。その学校は家からとても遠くてね。ナショナルチームの練習もあったので、年に1、2週間しか家族に会えなくなったよ。

――格闘技の魅力は?

ガブリエル 何でも格闘技は好き。でも一番好きなのはブルース・リー。柔道、ジークンドー、空手、キックボクシングが好き。でも柔道と空手は学べなかった。なぜなら道場の月謝が高額だから。キックボクシングは安かった。キックでは授業料を払わなかったんだ。背が高い人は弱いと言われがちなんだけど、僕は強かったから厚遇されたんだよ。

IMG_2813

――巌流島のルールは好きですか? 寝技は15秒に制限されていますが。

ガブリエル 複雑じゃなくてシンプルだから好きだよ。押し出しもあるし、僕は打撃が好きだから、闘いに集中できる。MMAの方が面倒くさい。

――では、バレーボールの動きを闘いに活かすことは考えていますか? 例えば、ジャンプして平手で相手の脳天をアタック!するとか。

ガブリエル それは色々考えてるけど、秘密だよ。もちろんスキがあったら狙っていくよ(ニヤリ)。

――まさかのバレー殺法を出すつもりなんですね!?

ガブリエル 鳥人殺法さ。僕は垂直跳びで105センチ跳べるんだ。

――では、走って跳べば2メートルぐらいジャンプできるのでしょうか…!? (このあと、ジャンプしてスパイクを打つ動きを実際にしてもらったが、ジャンプの高さもさることながら、高い位置から打ちおろす手の速さ、力強さに、驚かされた! これがもし当たったら……脳天に落ちてきたらと思うとゾッとした)

ガブリエル パンチはボクサーが一番強い。蹴らせればキックボクサーが一番だ。でも、スパイクをやらせたらバレーボール選手が一番だよ。これは、僕が色々なものを練習してきたから言えることなんだ。

――それでは最後に、会場やテレビで試合を楽しみに見るファンに、メッセージを。

ガブリエル 次に星風と対戦するためにも、この試合は負けられない。そのために練習してきたし、これからも自分より上の相手と闘っていきたい。情熱を燃やして闘うよ。

 

■7.31巌流島・有明大会の対戦カード、チケット情報はこちら→ http://ganryujima.jp/?grjm_events=way-of-the-samurai-%e5%85%ac%e9%96%8b%e6%a4%9c%e8%a8%bc-final