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海外武者修行を積んだサムライ戦士たちが巌流島に漂流!~5・6巌流島・舞浜大会、ここに注目!

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文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

 

5・6巌流島、舞浜アンフィシアター大会に新たに参戦するサムライ戦士が、関根“シュレック”秀樹、吉田善行、鈴木信達と聞いて、真っ先に思い浮かんだ共通項が海外試合経験である。実際、週刊ファイトのサイト内検索をやってみたら、やたら海外ニュースがヒットした。ネット検索時代にそれぞれの戦歴で行数を埋めても意味がないので本稿では詳細を割愛するが、負けてしまったり、現場に行ったのに試合しなかった苦い経験含めて、やはり日本で闘うのとは色んな意味で経験は二倍、三倍だと思う。

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実際、1・3巌流島の報道でも、またも「神の手」で勝利したエース菊野克紀に話題が集中した嫌いがあるが、負けたブラジルのケビン・ソウザの試合後インタビューが記憶に残っている。この試合は菊野にとってリオデジャネイロで開催された『UFC Fight Night 62』(2015年3月21日)でソウザに秒殺された因縁からのリベンジ戦だった。しかし、「来日してみて時差ボケなど、いろいろうまくいかなかったが、それは言い訳にしたくない。前回、彼(菊野)は遠い異国に来て自分は母国での闘いだったのだから」と、海外の他流試合で実力を発揮することの難しさを語っていたからだ。

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関根“シュレック”秀樹は、昨年12月2日にフィリピン・マニラで開催された『One Championship』でヘビー級王者のブランドン・ヴェラに1RKOされた記憶が新しいが、2014年12月12日、『REAL 1』に登場した際に入場曲が『キン肉マン』だったことと、日本人離れというよりは、人間離れした肉体で戦慄を覚えたものだ。

吉田善行は記者には不運のイメージがつきまとうが、体脂肪率がもの凄いんだろうとしか思えない、研ぎ澄まされたサイボーグのような肉体がカメラマン目線では焼き付いている格闘家である。“闘う行政書士”鈴木信達もまた凄い肉体を誇っており、One Championshipではウェルター級王者にも昇りつめた。こうした海外武者修行を積んだサムライ戦士たちが、巌流島という和風の新格闘技に集う、いや漂流してきたという数奇な運命が面白い。それぞれ大きく化ける可能性を秘めているからだ。

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ロック音楽の話になるが、平均年齢が50歳を超えてしまったX-JAPANが、ドキュメンタリー映画『We are X』の公開を契機に、再び世界市場に打って出ようとしている。2人のメンバーの死など、生と死を題材にしているが、彼らもまた絶頂期に英語圏へ打って出たものの挫折を味わっている。そこに不死鳥のごとく再生を遂げていく苦悩の記録が重なるのだが、果たして巌流島は再生工場の場としても格闘技の歴史に名を轟かせるのであろうか。

ちなみにジミー・アンブリッツは、研ぎ澄まされた肉体とは正反対のアンコ型で、米国から飛来ということになっているが、入場にはルチャリブレの覆面をかぶり、本人はメキシコ代表のつもりなのだ。今回、巌流島は「無差別」をテーマにしており、菊野克紀との体重差2倍の対決が組まれている。果たして”かませ犬”が一撃の餌食になるのか、それとも不屈のメヒコ魂を見せるのか。ひそかにアンダードック役目のアンブリッツを応援している記者は不謹慎なのだろうか(笑)。巌流島は必見イベントなのだ。

5・6巌流島の大会情報はコチラ⇒
『WAY OF THE SAMURAI 2017 in MAIHAMA』

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