GANRYUJIMA BLOG巌流島ブログ

聡-S DATEのKOから始まり、システマvs日本拳法、そして格闘技のお正月! 興行のリズムが素晴らしい!

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お題………大反響! 1・3巌流島を総括する

文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

 

1・3『巌流島 OUT ENEMY 2018 in MAIHAMA-謹賀新年、宿敵同士の果たし合い-』、もっとも印象に残ったのが菊野克紀の締めのマイクアピールで、「巌流島は今までの格闘技と違います。子供たちに誇れるような試合、立ち振る舞いをしたいですと述べたことだった。菊野選手自身のお子さんも闘技場に上げての発言であり、「親が子供にみせたい格闘技」という定義も披露していた。実際、新春の舞浜アンフィシアターは家族連れが目立っていた。最後の集合の絵には、返り討ちとなり負けた小見川道大が教える小見川道場の道着をまとったキッズたちが、仲良く師範を斬った菊野を囲んで写真撮影に収まっている。

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少なくとも、いくら格闘技のメジャーとしても、さいたまスーパーアリーナに7時間以上も観客を閉じ込めたら、家族連れの動員は無理というか、途中で帰ってしまう。実際、RIZINは選手応援シートを用意して、お揃いのタオルなどを掲げる軍団応援を、地上波放送のカメラが捉えていたものだが、お目当ての選手のカードが終わると、帰ってしまってそこだけポッカリの空席が最後に目立つ光景を目撃したばかりだった。さて、友人なり恋人などに連れられて噂の「年末格闘技」とか、「イッテンヨン東京ドーム」というのに初めて行ってきたというお客さんが、6時間とか会場に閉じ込められて、来年もまた来てくれるんだろうか? 一見さんは大事にすべきであり、大変心配になってしまうのである。

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そんな他との比較観点からも、全部で3時間半だった巌流島は興行のリズムが心地良かった。それを誘発したのが、タイガーマスクをかぶって出てきた聡-S DATEと表記して、タイガーデイトと読ますという選手の、バックスピンキックのかかとを相手のこめかみにぶち込んで鮮やかにKOした第1試合からだったからこそ。インド王族武術マハーラージャカルーリカ&ヨーガの使い手Team DATEは、女子プロレスから格闘技まで比較的知られており、タイガーDATEのセコンドには華蓮DATEを含む異様なコスプレ軍がつくなど、ビジュアル面でも目立っていた。一発でハートを掴んだのではなかろうか。

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前回のブロマガ記事、『生かせシステマの極意!』を書かせていただいた手前、アキラ・シット・レックなるリングネームの選手には良くも悪くも注目せざるを得ない。正直、イチバン懸念されたのが、ロシア軍隊秘伝の護身術をかじっただけ程度の人材が、売り文句の手前、謎の流派を名乗るも「一体どこがシステマやねん」と、実際に実践している方々辺りから糾弾されてしまう試合内容になってしまうこと。ところがアキラ選手、指先を大きく広げ、両手をぶらりと下して振り子の様に揺らす独特な構えを実践するなど、脱力の極意をそれなりに体現していたから好感度大だ。相手の日本拳法選手も、ファンの幻想を守って波動拳を披露してくれて、これは噛み合ったカードになった。勝負に関しては、柔道をやっていたのが明らかなアキラ選手の投げがポイントになったが、最後はパウンド連打でシステマ流派が制空圏を制している。これからの活躍が楽しみだ。どんどん新しい選手が出てきてこその、新たな和風格闘技・巌流島のだいご味に違いない。

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菊野克紀vs. 小見川道大については、「なぜトドメを刺さなかったのか?」と、すでにアチコチで書かれているので、ここでは繰り返さない。試合時間57秒しかなかったが、メインイベントをお客に十分満足させてくれていた。

たまたま本稿執筆が、WOWOWでの『プリズン・ブレイク・シーズン2』の放送開始後だったこともあるが、シーズン1が監獄の中からどう脱獄するかだったのに対して、シーズン2は脱獄成功後も、主人公たちが追われまくり、逃げまくる展開が続いており、新たなキャラも複数投入されて、さすが人気ドラマの看板に偽りなしだと、遅ればせながら堪能している。巌流島は丸3年が経過、格闘技の正月は巌流島からというのも定着して、無事に4年目のスタートを切った。新たなキャラ選手も増えて、UFCでもなければRIZINでもない世界感を、ますます磨いていって欲しいと願っている。
(photo by 伊藤三世、シン上田)

 

1・3巌流島のレポートはコチラ⇒

『OUT ENEMY 2018 in MAIHAMA』

 

▼[ファイトクラブ]なぜ菊野克紀は小見川道大のとどめを刺さなかったのか?1・3『巌流島』徹底レポート
https://miruhon.net/87733