GANRYUJIMA BLOG巌流島ブログ

意識改革のすすめ! 巌流島は踏み絵を飛び越えられるのか?

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niconico動画の『巌流島チャンネル』でほぼ毎日更新していた「ブロマガ」が、オフィシャルサイトでパワーアップして帰ってきました。これまでの連載陣=谷川貞治、山田英司、ターザン山本、田中正志、山口日昇に加え、安西伸一、クマクマンボ、柴田和則、菊野克紀、平直行、大成敦、そして本当にたまに岩倉豪と、多種多様な方々に声をかけていく予定です。ぜひ、ご期待ください!

5月30日(月)のブロマガ………お題「7・31巌流島で楽しみにしている試合」

文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

 

「カードがこうとか、誰それが出てくれることになった」は、また大会が近づけばやるだろうから、今回はこのブロマガ欄の役割というのを考えてみたい。

このブロマガは、いかに「巌流島」に興味を持っていただき、世間的な認知があるK-1でもPRIDEでもない、金網UFCとも違う和製の新興格闘技を楽しんでいただくかを啓蒙したり、情報を提供する公式媒体である。

世界の伝統武術から未知の強豪が来襲して、『週刊ファイト』十八番のミャンマーラウェイでは名のあるトゥントゥンミンが、すで常連選手となったブラジル・カポエイラのマーカス・レロ・アウレリオの兄ヴィニシウスと対戦するなど、うまいこと考えたなぁと楽しく見ている。

問題は、前回のブロマガでも指摘したとおり、巌流島には食わず嫌いが圧倒的なようだし、踏み絵論にもなっていることだ。

HEAVENESE

3・25巌流島:和の心を世界に発信し続ける音楽一座HEAVENESEのライブ。次はAvexの和楽器バンドが見たい!

 

保守的なファンの意識改革が試されているが、格闘技を取り巻く環境の変化と専門誌の責任や間違った方針の検証もされてしかるべきこと。なにしろマット界は、大きな流れでは暗黒の20年とも、より格闘技に絞るならこの10年の地盤沈下はピーク時より10分の1に市場縮小したとも分析される惨状だからだ。

日本人アーティストとして前人未踏、史上最大の世界ツアーを敢行中で社会現象化しているBABYMETALを、なぜ巌流島の分析課題(ケーススタディ)に使うのかおわかりいただけよう。マット界復興はあるのか? 世界最大の発行部数を誇る音楽専門誌『Burrn!』は、日本産メタルを原則取り上げてこなかった。「BABYMETALはまがいもの」「作られたメタル」と批判するなら、それを具体的に論評すればいいだけのことだが、偏見は命取りとなる教訓になってしまっている。

十人十色の趣味の世界なんだし、例えばルー・テーズ936連勝ファンタジー版『鉄人』のほうがシュート活字より好きなのが多数派という現実に文句なんかない。アリ猪木40周年の後出しの都合のよい解釈ばかりがいまだに主流というのも情けない。しかし、大半のファンは舞台裏真実よりファンタジー優先なのも、マット界はイリュージョン商売なんだから仕方ない。大人の楽しみ方を布教したほうが、卒業しないファンを生み底辺拡大になるとの信念はあるが、押し付けたい訳でもない。しかし、既得権だけで中身のない専門誌紙やネット論客の氾濫などの、あっちの世界だけが情報源や権威と思われても困る。食わず嫌いは良くないとは考え直す契機になった。

実際、アントニオ猪木・環状線の理論どころか、BABYMETALは国境を飛び越えている。♪ギミチョコ!!のYouTube再生回数が異次元な数字になっている現象は、小さなメタル宇宙とはまた別の数字だが、スカーフ姿のイスラム教の少女がBABYMETALをギターコピーする動画が何万回も共有される事実は興味深い。メタル復興レジスタンス、音楽は届けられたのだ。

©アミューズ

©アミューズ

 

アイドルとメタルの融合を掲げるBABYMETALが、暗黒の20年から抜け出す切り札になろうとは、いったい誰が予想したであろうか。メタラーの私ですら踏み絵に躊躇した自己反省もこみだ。だからこそNHK放送の音楽ドキュメンタリー番組名は『BABYMETAL革命』であった。保守層に価値観の転覆を迫ったという顛末に他ならない。

巌流島は踏み絵を飛び越えられるのか? ステロイド検査は外部機関が選手に勧告するという競技化したUFCは面白いのか? それが果たして公平なのか? ミルコ・クロコップを引退させないでくれと思っているファンは多いと推測するが、それが必ずしも巌流島応援になっていないもどかしさを感じる。

電子書籍のひとつの長所に字数制限がないというのがある。BABYMETAL現象をまな板に載せた正確無比の長編音楽評論をマット界提言と絡めて読みたいなら、どうか週刊ファイトを有料ダウンロードにて試してほしい。株式上場を目指す新日本プロレスが、川村龍夫会長率いるケイダッシュからアミューズとの業務提携を発表した裏事情も活字にされている。マット界はファンが本当に知りたいことを伝えてきたのか否か。有償版の価値を問う。

140301-02BABYMETAL武道館site

中邑真輔、ASUKA(華名)、伊丹英雄(KENTA)ら日本人選手をスカウトしたWWEのNXTブランドは、RAWとスマックダウンのブランド再分割の発表に伴い、これまでのファーム団体扱いからレジスタンス新章へ超絶ステップアップを遂げようとしている。日本産メタル(蔑称ジャパメタ)Legacy継承を謳うBABYMETAL-JAPANのひとつの章の“終焉”と、海外武者修行が宣言されたのは、2014年3月の武道館二連戦フィナーレからだった。先輩Perfumeのノウハウあってこそのアミューズ主催武道館公演ではあったが、文字どおり赤ん坊の頃から両親の芸能界に入れる強い意志のもと育てられたアイドルというお仕事の、選ばれしトップガン聖少女3戦士は、戦闘能力を開花させ圧倒的パフォーマンスを残す。あれから2年、守護神キツネ様は飛んでいる。WWE経営最高責任者のトリプルHは、6・8『NXTテイクオーバーTHE END』の番組公式曲に、BABYMETALの「KARATE」採用を自ら発表した。

気付かないフリをしていた専門誌は、信頼を失いテイクオーバーされたということ。週刊ファイトと同じく根拠のないアンチが多いBABYMETALだが、ルチャリブレ好きKOBAMETALプロデューサーの古典芸能オマージュおねだり大作戦は成功。『Burrn!』誌など権威が沈黙している間に、「アイアン・メイデンが好きな人はメイデンを聴けばいい。でもBABYMETALはセンセーションだ!」と、海外の評論家から口火が切られている。

ブロマガ連載の初期に、海外での「Circle Fight GANRYUJIMA」展開を提案したのはこのためだ。現地時間7月18日、BABYMETALは鋼鉄神ジューダス・プリーストの長老ロブ・ハルフォードとのコラボ共演が実現する。Alternative Press誌主催の授賞式だそうだ。王位継承と価値観の転覆を象徴する儀式となろう。大政奉還の歴史が動く瞬間を見届けることになる。

 

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週刊ファイト6月2日号 棚橋離脱新日IGF迷走の深淵/WWE日本戦術NXT昇華/UFCマクレガー

http://miruhon.net/item/index.php?main_page=product_info&cPath=2_8&products_id=875

▼ASUKA華名Fベイラー中邑真輔6・8NXTテイクオーバーThe End

新企画:タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・RAWスマックダウン固定 銀嶺の覇者WWEブランド再分割とは何か
・トリプルH最高責任者BABYMETAL発信WWEネットワーク日本強化
・止まらない雨(涙)が虹をかける マット界とBABYMETAL天下統一
・キツネ様が守って下さるから 魔法と現実が皆既日食メタル連帯へ
・The End終焉!? 極悪夫婦のNXT革命新章の始まりと価値観の転覆