「相手の攻撃をもらわず、場を制して勝つ!」 アキラ・シット・レックが語るシステマとは?
ソビエト連邦が生んだ神秘の武術「システマ」がついにベールを脱ぐ! 最近、痛みを感じないというネタのシステマ芸人が話題を呼んでいるが、実際、日本でもシステマのセミナーは大盛況! システマ関連の書籍やDVDも非常によく売れている。そんなシステマを学ぶ選手が今回、巌流島に初登場! アキラ・シット・レックにインタビューしてみた。
自分が強くなる練習はしますが、試合のための練習はしません!
——巌流島トライアウトに出場したきっかけは?
アキラ ルールが他と違い、スポーツよりも武道寄りで、自分が持っている技術を試せる場だと思ったのがきっかけです。
——トライアウトで巌流島のルールを体感してみてどうでしたか?
アキラ 自由に動ける部分が多いと思いました。ただ、やはりそれでもルールです。引き込んだり、引き込まれたりの寝技のときに、自分は一対一しか想定していなかったんだなと後で思いました。
——アキラ選手のバックボーンのシステマとは一体どういったものなのでしょう?
アキラ 自分も探求している身なので、それを人に説明するのは難しいですけど、システマにはスポーツ格闘技と違って、体格差や力を凌駕する理念があると思い、僕も探求している最中です。
——システマを学び始めたきっかけは?
アキラ 僕、もともと格闘技が好きで、総合格闘技が一番だと思っていたので、総合をやりたかったんですけど、家の近くにあるジムがキックジムだったんです。そこで教えてもらったタイ人のムエタイの先生が、あまりにも強くて。現役でもなく、年齢も自分の父親と同じくらいなのにすごく強くて、達人は実在するんだと考え始めたんです。そこで自分の歳を重ねるごとに達人に近づくには、どういう技術を使えばいいのかと考えて。そうなったときに、力を使わずに凌駕できるツールの一つとして、システマがあったということです。
——システマはどれくらいやっているんですか?
アキラ システマを人に習ったのは初めの何回かで、その後の5年くらいは自分で覚えた技術を素人にやらせて、より体の大きい自分に素人が技をかけられるか検証しています。そこで検証し終えたものを、今度は自分が出稽古の場で出来るか試しています。
——システマは自分で磨いて技術を上げていくもの?
アキラ 自分は他流派のすべてを想定しています。システマ内の闘いだと、システマを使える者同士の技の鍛錬になってしまいますよね。それが他で通用するか、というところが大事かなと思います。
——今、システマ芸人がテレビに出演していますけど、あの痛みを消すというのはシステマのほんの一部?
アキラ 僕も最近あの芸人さんを知ったんですけど、痛みを感じなくできるということで、自分よりもすごいなと思いました(笑)。
——痛みを消すという技術もシステマには実際にあるわけですね?
アキラ そうですね。色んな武道で、心拍を落ち着かせたり、アドレナリンの調整、横隔膜の調整というのはありますよね。それの一つで、痛みを和らげるということだと思います。
——システマのあの呼吸法は必ずやらないといけない?
アキラ 僕も教えていただいたことはあります。ただ、それを練習では出来ても実際に出来るかどうかは別なので。
——アキラ選手が思うシステマのここが特にすごいというところは?
アキラ 人を倒すというよりは、人を制する技術というところですかね。
——では巌流島でも相手を制する闘いになる?
アキラ 基本は護身なので、近い距離でも遠い距離でも、相手の攻撃はもらわないです。それがすべてです。
——もらわずに自分だけが有利に進めていく?
アキラ そうです。
——アキラ選手の得意な攻撃は?
アキラ 先の先をとったり、後の先をとったり。ディフェンスからの攻撃が得意ですし、そこを見てほしいですね。
——日拳の左選手との試合はどうなるでしょうか?
アキラ 相手の方はサウスポーということで、左のストレートが強いと思うんですけど、自分には当たらないと思いますよ。
——ヒリヒリした緊張感のある試合になりそうですね?
アキラ そうですね。
——2018年はどんな年にしたいですか?
アキラ 僕が目指すのは、どんな場面にも対応できることなので、試合に向けてというよりは、自分が強くなるためのトレーニングしかしません。ですのでルールに特化した動きもトレーニングもするつもりはありません。
——なるほど。ますます試合が楽しみになってきました……。最後に意気込みをお願いします。
アキラ 相手の攻撃をもらわずに、場を制して勝ちたいです。