マーカス・ヴィニシアス「父親は柔術におけるエリオ・グレイシーのような存在」

————2度目の来日になりますが今の心境は？

ヴィニシアス　前回もお伝えしたように、ずっと日本で闘うのが夢だったので最高の気分です。この高揚感が私にパワーを与えてくれます。今朝、ホテルで対戦相手のベルギネリ選手とすれ違って、お互いすでに闘いのオーラが出まくっているのを感じました。

————前回の5月大会では鈴木信逹選手に完勝しましたね。

ヴィニシアス　相手をよく研究して試合に臨んだし、巌流島の円形の闘技場は、サークルの動きをするカポエイラにとってすごく闘いやすいんです。距離を制することで、闘いを制しました。

————5月の試合以降どんな練習をしてきましたか？

ヴィニシアス　カポエイラマスターの父親と一緒にカポエイラの練習をたくさんしてきました。

————ヴィニシアス選手くらいカポエイラの経験があってもまだ学ぶことはある？

ヴィニシアス　学ぶことはいくらでもあります。カポエイラの動きもそうだし、知識や心構えなど、マスターになるために習得すべきことはたくさんありますので。闘い方だけじゃなく、他者へのリスペクトを学び、人として成長することもカポエリスタにとって大事なことなんです。

————ヴィニシアス選手にとって師匠でもある父親はどんな存在？

ヴィニシアス　とても怖い存在です（苦笑）。私もレロも父親がそばにいると思わず背筋が伸びます。畏怖の念があるんです。日本の武道における“先生”と一緒で、我々のカポエイラの流派でもマスターは特別な存在です。

————お父さんはカポエイラ界でも有名？

ヴィニシアス　父親はカポエイラ界で大きな流派を作った人間で、カポエイラをやる者であれば誰でも知っています。柔術におけるエリオ・グレイシーのような存在。カポエイラをやっていて父を知らないなんて言ったら、バカにされますよ。父親はたとえ好条件でビジネスの話を受けても、自分が信じるカポエイラの在り方を決して変えずに守り続けてきました。それで今の我々の実戦型カポエイラがあるんです。

————弟のレロがベルギネリに敗れていて、今回は家族の仇討ちになります。

ヴィニシアス　前回、レロは攻撃が単調になりすぎたし、グラウンドでの対応もミスが多かった。あのときのレロの動きは決して褒められたものじゃなかったですね。もう一度レロがベルギネリと闘ったら、次は絶対にレロが勝つと思いますけど。私は今回も距離を制して勝利します。

————どんな展開になりそう？

ヴィニシアス　相手は距離を潰しにくるでしょうけど、こっちはそれを見越したうえで闘います。あっちは接近戦で掴まえてグラップリングで勝負したいんでしょうけど、私は柔術のタイトルを取ったことがあるくらいグラップリングにも自信があるから問題ないです。私のほうがレロよりグラップリングが強いから、前回の作戦で向かって来ても私には勝てません。

————どんな闘いを見せたいですか？

ヴィニシアス　5月の試合はすぐに終わってしまったので、今回はもう少し長く闘ってもっと自分のスキルをお見せしたい。でも、チャンスがあったらまた速攻で試合を終わらせます。というか私以上に父親が「いいな！ 絶対に負けるんじゃないぞ！」と言ってエキサイトしているんです（笑）。彼と我らカポエイラ流派のためにも絶対に負けられないです。

ミケーレ・ベルギネリ「イタリア喧嘩フットボールの代表として負けられない試合」

————コンディションはどうですか？

ベルギネリ　コンディションはとてもいいです。減量も順調で問題ない。今、イタリアはバカンスのシーズンでみんな休んでいるんですが、いい練習相手を見つけて素晴らしいトレーニングができました。

————対戦相手のヴィニシアス選手の印象は？

ベルギネリ　前回闘ったレロと同じカポエイラの選手だけど、ヴィニシアスのほうがキックボクシングやMMAスタイルの打撃が強く、色んなことをしてきそうなイメージです。レロはカポエイラへのこだわりが強くて、常にカポエイラの技を繰り出そうとするけど、ヴィニシアスはもっとトータルなストライカーという印象です。

————前回は距離を潰すことで弟レロを攻略しましたが、今回はどう闘いますか？

ベルギネリ　ヴィニシアスはレロより手足が長くリーチがあります。今回もいかに距離を潰すかが勝負になるでしょう。いずれにせよカポエイラの攻略法はすでに心得ています。

————今回は兄のヴィニシアスが弟の仇討ちを狙ってきます。

ベルギネリ　今回また勝ったら、次は彼ら一族の息子たちが私を狙ってくるんでしょうか（笑）。とにかく私にとっては闘いは闘い。今回も相手をリスペクトして闘います。

————ベルギネリ選手が主将を務める喧嘩フットボールのチームが、今年チャンピオンになったと聞きました。

ベルギネリ　今年だけでなく私たちのチームは何年も続けてリーグを制覇しています。我々のチームでは、選手たちが家族のように一緒に練習して、一緒に食事して力をあわせて闘う。その団結力が我々の強みです。

————喧嘩フットボール選手としての強みはどんなところにありますか？

ベルギネリ　喧嘩フットボールでは1チーム27人で、その中にはボクシングの選手もいればムエタイもいれば柔術もいます。何が起きるかわからない状況で、常に27人を相手に闘い続けなければいけない。一方、巌流島やMMAは一人の相手に集中して闘えばいいので、その点はずいぶん楽です。

————喧嘩フットボールの選手たちは、ベルギネリ選手が日本で活躍していることをどう思っているんですか？

ベルギネリ　ウェブサイトやSNSで巌流島のニュースを目にするようで、みんな私の活躍を誇りに思ってくれています。現地の喧嘩フットボールの選手が「俺も日本で闘いたい」と言っています。強い猛者がたくさんいますので、よかったら巌流島に紹介しますよ。それと巌流島の選手がイタリアに来て、喧嘩フットボールの試合で勝負するのもいいですね。「チームイタリアvsチーム巌流島」で（笑）。

————それはぜひ実現してほしいです！　では最後に意気込みを。

ベルギネリ　個人としてもそうだし、イタリア喧嘩フットボールの代表としても負けられない。今回も後ろに下がらない勇敢な闘いを見せるので、楽しみにしていてください。

真王DATE「インド王族武術リアルキング・ニーキックを炸裂させる」

————真王（リアルキング）とは、何の王なんでしょうか？

真王　まさに真の王。宇宙すべての王ということです。

————「マハーラージャ カルーリカ&ヨーガ」はどんな格闘技なんでしょうか？

真王　謎のインド王族武術あらため謎すぎるインド王族武術です。ミステリアスということですね。そこは巌流島を見ていただければ。

————相手の中島大志選手の印象は？

真王　お相撲さんですよね。いま腰にさしているのが伊達政宗の名刀なんですけど、これを使って闘いたいと思います。

————反則ですよね……。

真王　え？　巌流島のルールブックに「刀を使うのは反則」と書いてありましたっけ？

————書いてはいないですけど、ダメですよね。

真王　では闘技場の端のあたりに置いておきます。

————得意技は

真王　リアルキング・ニーキックです。

————膝蹴りですか？

真王　いや、リアルキング・ニーキックです。試合で炸裂するところを見てほしいです。

————巌流島では、道着を着て闘うことになりますが？

真王　インド王族武術流の道着の掴み方があるので、そこにも注目していただければと思います。

————では道着ありの闘いでも問題ない？

真王　もちろん。マハーラージャ カルーリカ&ヨーガは何でもできる実戦武術ですから。

————真王さんは寝技が得意なイメージなのですが、巌流島ではどう闘いますか？

真王　立ち技もできますし、寝てからの打撃でも勝負できます。頭の中がイマジネーションだらけなので、インド王族武術らしい闘いを見せられればと思っています。

————真王さんはお笑い芸人もやられているんですよね？

真王　Team DATE武術九兄弟の長男・聖王DATEと「後悔7乗」というコンビで活動しています。

————どんなスタイルで？

真王　コントです。

————Team DATEの格闘術顧問は、元ドリフターズの吉田かずお氏だという噂を耳にしたのですが。

真王　ああ、吉田総帥ですね。格闘術やお笑いを教えていただいています。

————吉田総帥は、巌流島の試合は応援に来てくれるんでしょうか？

真王　今回はいらっしゃらないですね。吉田総帥は気まぐれなもので。

————最後に意気込みを。

真王　インド王族武術の謎を解きにきてください。巌流島でお会いしましょう。

9・2巌流島の大会情報はコチラ⇒

『巌流島　ADAUCHI 2017 in MAIHAMA』