「僕は陰キャラ、引きこもりの星になりたい!」 巌流島に売り込んできた原翔大は、精神保険福祉士だった!
巌流島には時々、自薦他薦で選手の売り込みがある。その中で、今回大抜擢されたのが原翔大だ。インタビューしてみると、これがとても面白い。本人は引きこもりの陰キャラ。しかも、本職は精神保険福祉士だった。
本当は試合当日、行きたくない
————初出場ということで、お初の方も多いと思うので、まずは基本的なところから聞いていきたいんですけど。
原 はい、お願いします。
————格闘技歴はどんな感じですか?
原 もともと空手を高校のときから約10年間やってまして、総合格闘技やキックボクシングの色んなジムに出稽古に行って練習してきました。
————格闘技を始めたのが高校生のとき?
原 高校1年生のときに僕、学校で友達がいなくて居場所がなかったんで、居場所探しで近くの空手の道場に通い始めたのがきっかけです。
————そのときは他にスポーツはやっていなかった?
原 まったくやっていなかったです。今でもそうなんですけど、格闘技、武道うんぬん以前に運動自体が嫌いで。本当は引きこもっていたいくらいの陰キャラなので。
————友達作りのためだった?
原 そうです。居場所作りで、すごく自分にとっては大事な場所で、自信になる元といいますか。当時辛かった空手の道場で乗り越えたことが、今でも日常生活の中で使えていると思います。
————引きこもりから、いきなり空手家に転身した?
原 はい。やっていて何回辞めようと思ったか数えきれないくらいなんですけど、なんでか続いちゃいました。自分でもなぜか分かんないんですけど。
————そこから総合格闘技も経験して?
原 うちの道場(極真館)の空手のルールが、オープンフィンガーグローブで、顔面パンチありの巌流島と似たルールでやってまして。ありとあらゆるところで色んな要素、色んな技術を取り入れて闘うように師匠から言われて、あちこちで練習するようになりました。
————極真館の「真剣勝負ルール」というのはどういうルール?
原 オープンフィンガーグローブで顔を殴っていいルールで、投げ技までありなんですよ。
————それってフェイスガードはあり?
原 フェイスガードはないです。なので、ほとんど場外がない巌流島みたいな雰囲気のルールです。
————巌流島からオファーを受けとき、どう思われました?
原 僕は表舞台に立ったことがなくて、インタビューも始めてだったので、こんなのし上がるチャンスはないなと思いました。毎日仕事が忙しい中、ほとんど休まずに練習していて、それを活かす場があればと思っていましたので、参加させていただきました。
————原選手は「精神保険福祉士」の仕事をされているんですよね?
原 カウンセラーみたいな資格なんですけど、自分で一般社団法人「ささえる手」という会社を運営しておりまして、精神に病を持った方々のケアをしています。皆さんの話を聞いてあげたりしながら、生活を支える仕事をしております。
————従業員の方は何人かいらっしゃる?
原 従業員が数人のベンチャー企業です。自分はこの会社を、夢を持って生きている人達が社会貢献をして、将来のことも心配ないように生きていける会社にしたいと思ってまして。巌流島は僕にとっては、そのための自分自身の存在証明する舞台だと思っています。面白いことは言えないんですけど……。
————対戦相手の北井選手の印象は?
原 イケイケな感じですよね。僕とは正反対の人生を歩んできた方なのかなと。たぶんヤンチャな感じですよね。僕は陰キャラ、引きこもりの星として、そういう人達をぶっ倒していきたいなと思っていますんで。
————北井選手はキックボクサーで、バチバチの殴り合いをしたがってます。
原 みたいですね。僕はいつも注目されていないんですけど、試合では勝ってきてるんで、今回も大丈夫かなと思ってます。自分がやってきたことは間違ってないと思ってますし、絶対勝てると思っています。
————原さんの試合の映像を見たら、アグレッシブな印象だったので、今けっこうギャップを感じています。
原 拍子抜けさせてすみません……。ああ、それ自分では自覚ないんですよね。試合のときは恐くてしょうがないので、早くやんなきゃやられるみたいなところで、そうなってるんですかね。本当の自分はこんな感じなんですよ。すごく気が弱くて。実は試合も練習もいやで、本当は引きこもりたいですし、家で寝てたいです。ただ、そういう人生を選んじゃうと、つまんなくなっちゃいそうだなって。一応、練習も仕事も毎日やってるんですけど、本当は引きこもりたいという気持ちとの葛藤が常にあります。
————引きこもりたいけど、がんばって巌流島の舞台に向かう?
原 本当は行きたくないんですけどね、本当は。でも、そうやって何とかがんばってる自分の背中を見せたい。うちの施設の人達もそうですし、格闘技や武道をやるうえで、色々な人に見てもらえたらと思います。俺みたいな陰キャラのヒッキーが頑張ってるっていうので、こんなやつでも必死に闘ってんだから俺らも頑張ろうって思ってもらえたらなと願って、今生きてますんで。
————引きこもりの代表として闘う?
原 そうですね……。でもケガしないで、全局面圧倒して勝とうと思ってます。相手はバチバチやりたいということですけど、たぶん僕の方がリーチもあるし、パンチも速いので、バチバチになる前に終わっちゃうかなと思うんですけど。あとキックボクサーってことで打撃しかしないと思うんですけど、僕は実戦空手なので色んな技術があります。それらをすべて試して、そのうえで、どれで倒そうかなってくらいですかね。
————では、早めの決着もあるかも?
原 はい、全然あると思います。試合ではこの陰な感じとは違う僕を見られると思いますので、5月6日はぜひ舞浜アンフィシアターに来てください。僕は友達がいないので、あんまりチケットは売れてないんですけど、このインタビューを見てくれた方が興味を持ってくれて、会場に来てくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。
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