意外?『巌流島』ルールに適した理想の道着はあの○○○着だった!!
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連日、議論のページではファンの皆さんの白熱した意見が飛び交っていますが、それに関連して、試合のコスチュームとなる「道着」をどうしたらいいのかを探るべく、武道・格闘技ショップの老舗「ISAMI」(東京・新宿)さんを訪ねてみました。
(文・谷川貞治『巌流島』事務局広報部長)
訪ねたのは、実行委員会のメンバーで、日本コマンドサンボ協会の理事長・松本天心氏と私、谷川貞治。実行委員会の中でも、柔道、サンボ、総合の経験があることから、松本氏と行くことになったのです。
我々を迎えてくれたのは、すでに三代目となる「ISAMI」の磯毅寛社長。磯社長は格闘技関係者に顔も広く、すでに『巌流島』はかなり業界で話題になっているとか。
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さすがに磯社長は詳しく、柔道、サンボ、空手、柔術などの道着だけでなく、これまで大会を行ったパンクラチオン、ORG、ゴールデントロフィー(フランス)などの道着の違いを説明してくれましたが、改めていろんな道着があるんだなと痛感。柔術着はもともと貧しかったブラジルで、お金のない選手が大会に出るために個人的にスポンサーを集めて、道着にベタベタ張り出したのが始まりという話や、柔道着の胸と腰の生地がなぜ違うのかは今だによく分からないという話は、とても興味深かったです。
そこで道着に関して分かったいくつかのことを紹介すると、
1 空手着だとやはり薄すぎるし、柔道着だと厚くて重たすぎること。
2 個人的には、着物(道着)ではなく、頭から被るドラゴンボールのような上着がいいと思っていたが、それでは襟がつかめないこと。さらに、襟の部分だけ柔道着のように厚くできないかと相談してみたら、それは技術的にも難しいとのこと。
3 そうなると、道着にするしかないのだが、道着だとすぐに帯が緩んで前があいてしまったり、前が肌けても掴む手が離れず、柔道家にとって有利かと思ったが、その心配が一番少ないのが「サンボ着」。なぜなら、サンボ着は腰のところに帯を通す穴があいているから。
4 サンボ着は柔道や柔術着に比べて素材が薄く、動きやすい。しかし、道着に帯を通すことで、それが廻しの役割となり、相撲に有利に働くかもしれない。
以上のことから、実験大会ではサンボ着に袖がないものを作るのが有力になってきましたが、そのへんを交えて「議論」のコーナーで皆様の意見をお待ちしております。
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それにしても、道着を触って感じたことは、柔道や柔術の選手は打撃に弱いと思っていましたが、逆に道着を着ることで、柔道家の打撃のほうがよほど怖くなってきたことです。
というのも、柔道家に道着を掴まれて殴られたら、その持たれた手をなかなか切れないので、かなりエグい状況になりそうなのです。特に寝技で道着を持たれて打撃をされたら、キックボクサーや空手家はディフェンスできるのでしょうか? これは、柔道家の打撃のほうがよほど怖いのではないかという印象をもちました。
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また、オープンフィンガーグローブも、今は親指を通さないUFC型と、親指までグローブで保護するPRIDE型の2種類があることも知りました。UFCでは親指を出して、ほとんどテーピングして試合をするそうですが、PRIDEなどの日本式は親指まで通して、テーピングをしない選手も多いといいます。
掴みという点では、指が開くPRIDE式のほうが掴みやすいのですが、UFC式はパンチ力も増し、一番疲れる親指の下の手のひらの筋肉の疲労が軽減できるそうです。
最後に、シューズを履くべきという意見もありますが、現在売っているカンフーシューズは明らかに外で履く靴で、底が厚くて蹴られたらかなり危ないものばかり。足袋のようなカンフーシューズは、中華街でしか手に入らないようです。いずれにせよ、道着やグローブは奥が深い!! 大変、勉強になりました!