【INOKI×巌流島】全11試合中、10試合がKO・一本決着! 賛否両論の大会を詳細にレポート
オープニングファイト 巌流島特別ルール3分3R
○中谷優我(2R1分03秒、一本)奥田啓介×
※肩固め
幼少の頃から猪木さんと親交があり、柔道とレスリングに励みながらMMAの練習も積んでいた中谷優我がプロデビューし、MMA5連敗と崖っぷちの奥田啓介と対戦。中谷のセコンドには青木真也がついた。
1R、中谷を転落させようと前に出る奥田に対し、中谷は体を入れ替えて逆に転落させる。スタンドに戻ると中谷は投げから上を取り、サイドから腕を固めて鉄槌。そこからマウントに移行して鉄槌を連打。奥田は下から抵抗するが、中谷は鉄槌を放っていく。終了間際、中谷は腕十字を狙いにいくが、奥田は立ち上がって逃れる。
2R、今度は中谷が前に出るが、奥田は投げを切り返して中谷を転落させる。スタンドに戻り、中谷はテイクダウンして上を取ると肩固めに。奥田が落ちたのを確認したレフェリーが試合をストップ。中谷がキャリアで上回る奥田を下し、快勝デビューを飾った。
《オープニング》
2002年2月1日、札幌。「猪木問答」と言われる事件での猪木のアジテーションを効果的に使った映像が流れると、ベートーベンの「運命」の中、ステージに現れたのは小川直也・令和猪木軍総監督、石井和義・正道会館館長、安田忠夫氏の3人。小川総監督はバラを、石井館長と安田氏は猪木さんゆかりのチャンピオンベルトを持っており、闘技場にインすると献花台に置く。
小川総監督がマイクを持ち「闘魂継承いくぞーっ! 死ぬ気があるなら上がってこい!」と叫ぶと、音楽が「炎のファイター」に切り替わり、ミスターXを除く出場選手全員が入場。選手たちは闘技場にインする際にバラを受け取り、献花台に献花していった。
第1試合 巌流島特別ルール3分3R
○龍聖(1R0分32秒、TKO)ダウサコン・BANG BANG GYM
※左ボディ
選手の装備不備により、試合順が急きょ変更。キックボクシング13戦無敗の若き王者・龍聖が「令和猪木軍vs世界格闘技軍・9対9」の先陣を務めることとなった。転落決着はない特別ルールとはいえ、相手のダウサコンとともに巌流島ルールは初体験。龍聖はこの試合のためにMMAの練習も積んだというが、どんな展開になるのか?
1R、黒に黄色のラインが入ったパンタロン姿の龍聖は前蹴り、ジャブ、ローと攻めていく。ダウサコンのガードも構わず前に出ると、左右フックからボディストレート、右ローと散らして、さらに左ボディ一閃! これ一発でダウサコンはダウンして起き上がることができず、レフェリーが試合をストップ。龍聖が衝撃的な秒殺勝利を見せた。
マイクを持った龍聖はファンにお礼を述べた後、「猪木さんの異種格闘技戦を見て育ったので、この場に出られて光栄。これからも闘魂を受け継げるよう頑張る」と語ると、最後に「本職(キック)も見に来てください」と締めた。
第2試合 巌流島ルール3分3R
○貴賢神(1R0分44秒、一本)ジミー·アンブリッツ×
※転落3回
安田忠夫氏率いる「相撲軍団」の一員として参戦が決まった貴賢神は、大相撲を離れて以来の国技館降臨。入場式では土俵入りの型も見せており、気合い十分。対するはかつて猪木の異種格闘技戦に登場し「最弱格闘家」と酷評されたミスターX。44年ぶりの登場となったミスターXは、前日会見やこの日の入場式にも現れず謎に包まれたまま。必要以上にミステリアスな対戦の行方は?
道着にマスク姿で入場してきたミスターXだが、試合前にリングアナが「ミスターX改め、ジミー・アンブリッツ!」とコールするとマスクを脱ぐ。その正体は過去巌流島でも1勝1敗の戦績を持つ有名ファイターだった。
1R、ローを出しながらステップするアンブリッツに、貴賢神は一気の押し出しを決める。この展開が3度続き、貴賢神が元力士らしい勝負を決めた。
貴賢神はマイクで「自分のホームである両国国技館で誇りを持って戦えました。猪木軍に星をつなげられたと思います」と語ると、来年はRIZINでMMAファイターとしてさらに進化することを誓った。
第3試合 巌流島特別ルール3分3R
○マーカス·レロ·アウレリオ(1R0分25秒、TKO)江畑秀範×
※場外に投げられた江畑が立ち上がれず。
カード変更により、急きょ実現した「カポエイラvsテコンドー」。さらにスクランブル参戦のテコンドー王者・江畑秀範は198cmの長身で、175cmのアウレリオとは23cmの身長差対決となった。前日会見でもお互いのフォームでアピールし合った両者、クルクル蹴り対決は見られるのか?
1R、半身に構える江畑に対し、アウレリオは前進。江畑はジャンプして技を出そうとするが、これをキャッチしたアウレリオは柱に押し込んでから江畑を持ち上げ、場外に向かってジャンプし首から落とす! ちょうどプロレスのノーザンライトボムを場外に雪崩式で決めた格好になり、江畑はしばらく立ち上がれず。
先に闘技場に戻ったアウレリオはカポエイラのデモンストレーションで会場を沸かせる。一時は担架も持ち込まれたが、しばらくして江畑は立ち上がる。しかし続行は不可能で、レフェリーは試合をストップ。予想された蹴り対決からは想像もつかない形で、アウレリオが衝撃決着を見せた。
第4試合 巌流島ルール3分3R
○関根シュレック秀樹(3R1分04秒、一本)ヤン·ソウクップ×
※転落3回
柔術やMMAでも活躍しているが、今回はプロレスラーとして出場すると意気込む関根シュレック秀樹。対するヤン・ソウクップは極真空手の猛者とあって、かつての猪木vsウィリー・ウイリアムスの一戦も想起される対戦となった。令和の「プロレスvs空手」決戦の結末は?
ビッグバン・ベイダーのテーマ曲に乗って、ベイダー風のマスクを装着して入場したシュレック。1R、シュレックは前に出るが、ソウクップはローを出しつつも距離を取る。シュレックはタックルからテイクダウンし、立ち上がって足を取るが、極められず。シュレックはその後も低空タックルからテイクダウンし、足関節技に移行するが、30秒が経過しブレイク。スタンドではソウクップがロー、ワンツー、ヒザと攻めるが、シュレックは投げから袈裟固めに取り、足関節を極めにいこうとするも場外に。
2R、タックルを狙うシュレックにソウクップは距離を取り、顔面にパンチ。場外ブレイクの後、ソウクップのローでシュレックの足が一瞬止まる場面も。シュレックはタックルから落とそうとするが、場外ブレイク。その後もシュレックは胴タックルからソウクップを押し出すが、自分も後から落ちて有効が宣せられる。スタンドに戻ると低いタックルから足を取って寝かせ、ヒールフックにいくシュレック。これも30秒経過でブレイク。またもシュレックはタックルからの押し出しを狙うが、ソウクップは巴投げの形で逆に落とし、有効を獲得。
3R、シュレックはソウクップの蹴りも構わず突進し、ソウクップを押し出し。これをもう一度繰り返して2度目の押し出しを決めるが、ソウクップは3度目を狙ったシュレックをうっちゃって逆に転落させる。打ち合いとなり、ソウクップはワンツーから前蹴り、シュレックは右オーバーハンドを入れる中、シュレックが3度目の押し出しに成功。シュレックが熱戦を制した。
試合後、またベイダーのマスクを被りマイクを持ったシュレックは、猪木が小学校の頃からのヒーローで、プロレスラーになりたかったがUWFインターナショナルの消滅により警察への道に進んだことを明かす。その後43歳で警察を辞め、プロ格闘家からプロレスのリングへも参戦したが、その節目節目で猪木の言葉に動かされてきたと話し、最後は「元気があれば何でもできる。一緒に頑張っていきましょう!」と力強く締めた。
《藤原喜明氏·挨拶》
シビサイ頌真の試合に先立ち、公開練習で稽古をつけた藤原組長が入場テーマ曲「ワルキューレの騎行」に乗って登場。「猪木さんが亡くなっても、猪木さんの遺伝子は永遠であります!」と、シンプルながら力のこもった、組長らしい挨拶を行った。
第5試合 巌流島ルール3分3R
○ジョシュ·バーネット(1R2分20秒、TKO)シビサイ頌真×
※グラウンドでのパンチ連打
アントニオ猪木をはじめとする日本のプロレスに強い憧れと敬意を持ち、実際に日本マットでも活躍した“青い目のケンシロウ”ジョシュ・バーネットは、今大会に当然のように名乗りを上げてきた。その対戦相手には、恵まれた体格と運動能力で“日本ヘビー級の宝”とも称される逸材・シビサイ頌真。ある意味「闘魂伝承マッチ」でも「下剋上マッチ」でもあるこの対戦、結果は果たして?
1R、開始早々からジョシュが左右パンチを当てながら突進。闘技場の際で組むと、シビサイはヒザを当てるが、ジョシュはテイクダウン。アームロックを狙うがタイムアップでスタンドへ。再びジョシュがパンチを当てて前進し組むが、シビサイはまたヒザで迎撃。ジョシュの顔面にもヒザを当てる。
ジョシュは離れるとまたパンチ。シビサイも右フックをヒット。ジョシュは組みからのアッパー、ヒザを入れるとテイクダウン。亀になったシビサイのバックからパウンドを連打するとレフェリーがストップ。ジョシュが圧巻の勝利を見せた。
ジョシュはマイクを持つと「ニホンハヒサシブリデス!」と流ちょうな日本語で挨拶。「オレガシンノイノキノセンシュ! アントニオイノキハボクノコーチ!」、さらに英語で「僕がリングに立つ時にはいつでもあなたがそばにいてくれます。どんなに感謝してもしきれません」と続け、「イノキサーン、アリガトウゴザイマース!」と深々と頭を下げると、「日本の格闘技選手はかかってこい! いつでも、どこでも、誰でも! オマエハモウシンデイル!」と締めた。
第6試合 キックボクシングルール3分3R
○宇佐美秀メイソン(判定3ー0)アルバート・クラウス×
※30-27、30-27、30-28
休憩時間に巌流島の闘技場からロープが張られ、リング仕様に。その初戦に登場するのは宇佐美秀メイソン。RIZINで活躍する兄に続き、プロのリングで旋風を巻き起こすのか? そしてその対戦相手として、K-1 WORLD MAX初の世界大会で魔裟斗を下して衝撃を呼んだアルバート・クラウスが参戦。スーパーレジェンドを相手に、スーパールーキー宇佐美はどんなファイトを見せるのか?
1R、序盤から左ハイを見せる宇佐美。クラウスはボディから上下に散らしローへとつなぐコンビネーションを見せる。宇佐美は豪快な左右フックを放ってクラウスをロープに詰める。ヒザも放つが、クラウスもパンチを返して打ち合いに。頭をつけての打ち合いになると、今度はクラウスが連打で前進。宇佐美は組んでのヒザで応戦する。このヒザでか、クラウスは右目あたりをカットし出血。宇佐美は連打から右ボディをヒットするとクラウスの動きがやや止まり、宇佐美は跳びヒザ。クラウスもパンチを返すが、宇佐美は左ストレート、左フックをヒットし、ハイも見せる。クラウスはアッパー。宇佐美はヒザから左ストレートを当てると、クラウスは大きく後退。宇佐美は跳びヒザ。終盤にも宇佐美はボディ。
2R、宇佐美はワンツーから攻めるがクラウスもパンチを返す。宇佐美はヒザからワンツー。クラウスがプレッシャーをかけるところに宇佐美はヒザからワンツーで応戦。打ち合いで右フックがヒットするとクラウスはやや下がる。前蹴り、跳びヒザと攻める宇佐美。クラウスもパンチで出る。終盤はクラウスが前に出て右フックをヒット。しかし終了間際には宇佐美がヒザを当てる。クラウスはマウスピースを吐き出し、口頭注意を受ける。またカットした右目からの出血でドクターチェックも。宇佐美はコーナーで待つ間、客席に笑いかけるなど余裕も見せる。再開されるとまもなくゴング。
3R、ゴング前に宇佐美は声を上げて気合いを入れる。前蹴りで距離を取るとボディも打つが、クラウスも前進を止めない。宇佐美の右ハイが決まったところでクラウスに再びドクターチェック。再開後も前に出るクラウスだが、宇佐美はボディを返す。さらに右フックもヒット。バックハイも見せる。クラウスも左右フックで出るが、宇佐美は前蹴り、右をヒット。2段跳びのヒザ蹴りなど多彩な技を織り交ぜて攻める宇佐美だが、クラウスは最後まで突進。宇佐美が左ハイを見せた後にゴングが鳴り、試合は終了。ジャッジは3者とも宇佐美を支持し、スーパールーキーがキック・プロデビュー戦でレジェンド越えを果たした。
勝った宇佐美は感謝の意を述べると「お兄ちゃんが年末に試合を控えてるんで、そっちの応援もお願いします」とコメントした。
第7試合 MMAルール5分3R
○ラファエル·ロバト·ジュニア(1R2分10秒、一本)岩﨑大河×
※アームロック
ベラトールで無敗のまま王座を返上した柔術の強豪ラファエル・ロバト・ジュニアが、復帰戦を行うために初来日。とてつもない強豪が現れたことで対戦相手の選定に苦慮した主催者が対戦相手を公募すると、大道塾に所属しMMAでも無敗の岩﨑大河が手を挙げた。大道塾と柔術と言えば、かつてUFCで市原海樹がホイス・グレイシーに挑んで敗れた歴史がある。岩﨑は大道塾として柔術にリベンジできるのか?
1R、ロバトは二段蹴りからタックルで岩﨑をコーナーに詰める。そのまま両足を持って寝かせようとするが、岩﨑は防御し立ち上がる。サイドについたロバトは岩﨑をコントロールし、リング中央でテイクダウン。ロープ際で再び立ち上がった岩﨑だったが、もろ差しで組んで寝かせるとパスガードしてサイドに回り、アームロック。岩﨑はたまらずタップし、ロバトが勝利。岩﨑はこれがMMAでのプロ初黒星となった。
試合後、仲間たちと復活勝利の喜びを分かち合ったロバトは双子の赤ちゃんたちをリングに上げると「日本で戦えて夢が叶った。二度と戦えないと3年前に言われたが、いろんなことを乗り越えて勝つことができた。そして赤ちゃんたちにとっては初めて訪れた国が日本になった」と挨拶。会場は拍手に包まれた。
第8試合 ミックスルール1R3分、2R5分
○木村“フィリップ”ミノル(1R1分58秒、TKO)矢地祐介×
※左フック
K-1スーパー・ウェルター級王者としてとてつもない強さを見せていた木村“フィリップ”ミノルが1年間の沈黙を破り巌流島で復活。その相手として登場したのは、RIZINからの刺客・矢地祐介。発表されるや大反響を呼んだこの一戦は、1Rがキック、2RがMMAのミックスルールに決定。展開次第で有利不利が圧倒的に入れ替わるこの形式で、どんな闘いが待っているのか?
1R、右ミドルを出す矢地に、木村はプレッシャーをかけていく。左フックなどのパンチを出してくる木村に、矢地はクリンチも織り交ぜて対応。木村は青コーナー付近で左フックをヒット。必死に逃れようとする矢地だが、木村はニュートラルコーナーに追い込むと左フックを一閃! 崩れ落ちた矢地は失神し、レフェリーはすぐに試合をストップ。木村が得意のキックルールの時間内で決め切り、今後にも期待がかかる鮮やかな復活勝利をものにした。
喜びの表情でマイクを持った木村は「やっぱ俺の試合は間違いないっすね。一応、大晦日も空けてあるんで、何かあったら連絡ください」と余裕のコメントを残した。
第9試合 MMAルール5分3R
○イゴール·タナベ(1R1分58秒、一本)メルヴィン·マヌーフ×
※ヒールフック
アントニオ猪木にとって運命の地となったブラジルをルーツに持つイゴール・タナベは柔術での輝かしい実績を引っさげてこのイベントに参戦。その相手にはオランダの猛獣メルヴィン・マヌーフが用意された。母国では引退試合を行っていたマヌーフだが、日本での試合となれば意気込みも違う。台風のような打撃を、タナベはかいくぐることができるのか?
1R、ステップを踏みながら間合いを計る両者だったが、マヌーフのカーフキックを受けたタナベはタックルから引き込むようにグラウンドへ。下から抱え込んで展開をうかがうタナベに対し、マヌーフは上体を起こすとパンチ。タナベは下から三角絞めを狙うと、逃れてパンチで対応するマヌーフに対し、体を反転してアームバーに移行。
マヌーフは体をひねって逃れるが、タナベは足を掴むとヒールフックに捕らえる。マヌーフはほどなくタップし、タナベは9対9の大将戦にふさわしい鮮やかな勝利を決めた。
家族と勝利を喜び合ったタナベは「この試合が決まった時、正直メッチャ怖かったんですけど、ここでビビったらこの先もやっていけないと思ったんで、やることに決めて。毎日すごく怖かった。死んだらどうしようとずっと思ってたけど、仲間や先生、みんなのおかげで勝てたと思います。その中でも一番そばにいてくれたのは奥さん。来年も引き続き各討議を盛り上げていくので、応援よろしくお願いします」と、子供を抱っこしたままマイク。場内は感動に包まれた。
第10試合 UWFルール30分一本勝負
○柴田勝頼(12分30秒、グラウンド卍固め)トム·ローラー×
当初発表された出場メンバーにプロレスラーが入っておらず、激高していた小川直也・令和猪木軍総監督。そこにアントニオ猪木の創設した新日本プロレスから、今大会に最もうってつけの男、柴田勝頼が名乗りを上げた。新日本プロレス提供試合という形となったが、対戦相手は元UFCファイターのトム・ローラー、しかもUWFルールでの一戦と、これも大会にふさわしいもの。大会を締める柴田の闘いに場内の期待が立ちこめる中、ゴングが鳴った。
開始と同時にロープに走った柴田。ローラーはローを出す。柴田はミドルを取って寝かせると4の字固めにトライするが、ローラーは脱出。ローラーは低いタックルにいくが、柴田は切ってバックへ。ローラーは腕を取っていわゆる「サクラバ・アームロック」を狙う。これを切った柴田はめまぐるしく態勢を変えて逃れようとするローラーについていき、バックをキープ。両者が離れると拍手が起きる。
柴田への歓声にローラーが反応する場面もありつつ、柴田はローラーの腕を取ってグラウンドに持ち込むとキーロックに。ローラーは足を使って逃れると柴田の足首を取りにいくが、柴田は返してリング中央で腕十字を狙う。ローラーは倒立して逃れるが、柴田は上に。両者が回転しながらの攻防が続き、組んだままスタンドに戻ると両者ボディにパンチを打ち合う。
柴田はローラーをリングに倒して四つん這いにさせると、バックから卍固めを狙う。ローラーは逃れて足を取ると、柴田の両足を掴んでリング上を回る。これもかつて桜庭和志が見せた「炎のコマ」だ。スタンドに戻ると、タックルに来たローラーを押さえて柴田がテイクダウン。足を取ってサソリ固めを狙うが、ローラーは体を反転させてヒザ十字。体勢を入れ替えてもう一度ヒザ十字に取ると、柴田はたまらずロープエスケープ。柴田はロストポイント1となる。
柴田がロープに走ってスライディングするとローラーも同じ動きで向かい合う。ローラーがアリキックを出すと、柴田はコーナーに上って防御。猪木vsアリを彷彿とさせる展開に場内は沸く。柴田は飛び降りて桜庭ばりの側転パスガードから足を取りにいくが、ローラーは柴田の体を足で大きく上げて足関節に。そこからアームロックに取ると、柴田は回転してロープエスケープ。柴田はロストポイント2。
ローラーはロー連打から組んでヒザ。しかし柴田は突き放すとローラーの顔面にナックルパート! コーナーでうずくまるローラーに柴田はドロップキックで追い打ち。しかしこれは禁止されている頭部への攻撃に当たり、柴田にはイエローカード。柴田はフロントチョークの形に取ると、ローラーは持ち上げてコーナーに叩きつける。さらに担ぎ上げてマットに叩きつけると、柴田はダウン。
苦しげな表情ながらカウント9で何とか立ち上がる。柴田はロストポイント3。ロー連打から跳びヒザを決めたローラーは飛びついてフロントネックロックへ。下から三角絞めに移行し、オモプラッタから柴田の両手両足を複合的に極めると柴田は絶体絶命となったが、どうにかロープに手を伸ばしエスケープ。これで柴田はロストポイント4で後がない状態に。
勢いづいたローラーが柴田をエクスプロイダーで投げ、ロープに走りPKを狙う。が柴田は足をキャッチして持ち上げ、デスバレーボム! 自らロープに走るとPKを決め、すかさずバックについてスリーパー。そこから体勢を変えると卍固めに。ローラーが後ろに倒れ込むとグラウンド卍ががっちり極まり、ローラーはギブアップ。柴田が大逆転勝利で激闘を制した。
両者は抱き合って健闘を称え合った後、猪木さんの実弟・猪木啓介さんからトロフィーを受け取る。マイクを取ると「アリガトーッ! 今日はアントニオ猪木に呼ばれてここに来ました。俺、約6年前、この両国でほぼほぼ死にかけて、でもこうやって同じ両国のメインに戻ってくることができました。元気があれば何でもできる。その通りだと思います! ありがとうございました! そして会長! お疲れ様でございました! あとは小川総監督が締めると思います。以上!」と力強く叫び、再校の形でイベントを締めくくった。
《アントニオ猪木追悼セレモニー》
田中秀和リングアナウンサーがアントニオ猪木の入場をコールすると、「炎のファイター」に乗って小川直也・令和猪木軍総監督、安田忠夫氏、藤原喜明氏が入場。改めて田中リングアナが猪木をコールすると、リング上には猪木さんのシルエットが。「道」の音声が流れ、ゲスト及び出場選手たちがリングイン。
石井和義・正道会館館長、榊原信行・RIZIN CEOも呼ばれてリングに入ると、小川氏がマイクを持って「誰か話を聞きたい人?」と場内に問いかけ。榊原CEO、安田忠夫氏の後、藤原組長がマイクを取ると「えーい、めんどくせえな、俺が締めるわ! 俺じゃダメかい? よーし、来年もいい年でありますように。1・2・3・ダー!」で会場が一体に。再びマイクを持った小川総監督は来年の闘魂イベント開催を宣言。その後にはメルヴィン・マヌーフの引退セレモニーも行われ、一大イベントは幕を閉じた。
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