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アントニオ猪木の非常識は、世間の常識に勝つ!

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文◎ターザン山本(元週刊プロレス編集長)

文◎ターザン山本(元週刊プロレス編集長)

 

谷川貞治、彼は現在、アントニオ猪木に後継者がいるとしたら、その第一人者と呼んでいいだろう。私はそう断言することができる。

彼は12月28日、両国国技館でおこなわれる猪木追悼に巌流島をドッキングさせた。普通に考えたら、猪木と巌流島は関係ないだろうとなる。この見方は正しい。間違っていない。大方の猪木ファンはみんなそう思っているはずだ。

ということは谷川は、猪木の名前を利用して巌流島を売ろうとしている。けしからんという批判がある。それもまたスジが通っている。発表された対戦カードに猪木を感じさせるものがまったくないからだ。

こうしてネットでは谷川バッシングが起きている。まあ、それは一部の人間にすぎないが。そういうやからは、そうやってワーワー騒ぎたてるんだよ。言いたいヤツには言わせておけだ。

だが、そういう私も同じ考えを持っている。「谷川、お前、それはないだろう!」と。いろんなところでそれは発言してきた。

ところがである。当の谷川、肝心のサダハルンバ谷川はまったくどこ吹く風なのだ。何も気にしない。まともな神経の人間ならノイローゼになるところだ。あるいは耐えられなくなって、つぶれる。自滅する。そのパターンになる。

私のまわりの人間、業界関係者は全員といっていいほど、谷川に対して冷たい反応しかなかった。

「あれ、大丈夫か? 無理だろ」

「小川直也がなぜあそこで出るんだよ。彼はプロレスファンには人気ないぜ」

「何をやろうとしているのか? 何がやりたいのか? 全然、理解できない」

プロレス業界、格闘技業界のマスコミ・メディアに谷川に味方する人間はいないのか? そう思ってしまうよな。

両国国技館は借りるだけで大変な金がかかる。年末だと割り増し料金になる。外国人選手を呼ぼうとしたら、この円安の時代、飛行機代、ファイトマネーもふくれあがる。ひょっとしたら予算オーバーで大赤字になる可能性もなくはない。

そのもろもろについても谷川は悩んだりしない。この悩まないところがプロデューサーとして大物というしかない。

プロデューサー向きの性格、人格の持ち主なのだ。プロデューサーはとにかく自分がやりたいことをやるしかない。結果を気にしていたら、それはできない。責任感の強い人間はプロデューサー向きとはいえない。谷川流無責任さは、彼が持っている大いなる才能、武器といってもいい。

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そんな感じで見ていたら、谷川はこの大会を少しずつ形にしてきた。じわじわと外堀を埋めてくる。そのうち、なにがポイントなのかという、キーワードを知らず知らずのうちにつかんでくるから不思議だ。

最初は「こりゃダメだ」とこっちが見切りをつけたが、知らない間に谷川のペースにはめられていく。「あれ、もしかするといけるんじゃないの?」となる。

サダハルンバ谷川には、そういうマジックがある。柴田勝頼が参戦を表明したことで流れが変わった。まさか、あの男がここにきて名乗りを上げてくるとは誰も思っていなかった。

ハプニングというか、猪木的なサプライズだ。だが、まだ安心はできない。不安と期待が半々の状況。その答えは当日にならないとわからない、というのが正直な感想だ。

これは大きな博打だ。成功するか、大コケするか? どっちだ。私はこういうケースでは部外者として高みの見物を決めこんでいる。それが一番、楽だ。

大会運営者はもう谷川を信じるしかない、というところか。逆風から始まった点では、非常に猪木的な展開だ。かつて猪木アリ戦を実現させようとした時、猪木サイドはバカにされた。猪木がプロレス興行で東京ドームに進出しようとした時も同じだ。

まわりは猛反対の嵐。これはどういうことかというと、「世間の常識・業界の常識vs猪木の非常識」が真っ向から激突した世界だったのだ。

こういう時の猪木は反射的に燃える。燃えまくる。これが闘魂なのだ。猪木の非常識が世間の常識をぶち壊していく闘いだ。そして最後は猪木の非常識が勝利を収める。まさしく、一、二、三、ダァーだ。

“常識と非常識”という闘いは、プロレスというジャンルが持っている宿命的激突なのだ。それを生涯やり続けようとしたのが、アントニオ猪木である。

今回の「谷川の非常識(無神経)vs業界の常識」という対立構造は、まさに猪木イズムそのものではないか。

ほかの猪木追悼は常識にのっとった予定調和の中で、何事もなくすんなり終わるだろう。

ひとり谷川はそこに逆らって、やばい橋を渡ろうとしている。はたして、当日、12月28日にどんな風景が現出するのだろうか?

格闘技の世界の新しい扉をこじ開けるかもしれないのだ。少なくとも未知のものに挑戦する闘いであることはたしかだ。

私は試合よりも、会場でどんな人に出会うのか? 会えるのか? そのほうが楽しみだ。そのつもりで両国国技館に行く。文句あるか、バカヤロー!

12.28チケット情報⇒ 『INOKI BOM-BA-YE×巌流島in両国

INOKI BOM-BA-YE × 巌流島 in 両国 PPV販売情報       

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■配信日時

2022/12/28(水)

入場 13:30

開始 14:00〜

※予告なく変更となる可能性がございます

■販売期間/価格

【前売り】5,000円

12/16(金)10:00 〜 12/27(火)23:59

【当日】5,500円

12/28(水)0:00〜12/28(水)23:59

【アーカイブ】3,000円

12/29(木)12:00〜1/5(木)23:59