やるなら猪木vsウィリー戦! 最強警察官・関根シュレックが「猪木軍」入り
柔術家にしてプロレスやUWFの大ファン!
12・28両国国技館で開催される『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』。世界各国からアプローチがあるが、実を言うと、その中にプロレスラーはほとんどいない。20年前の猪木ボンバイエには、藤田和之、石澤常光、永田裕志、安田忠夫、ドン・フライ、髙田延彦といったプロレスラーが猪木軍に参戦。
また、小川直也や中邑真輔といったプロレスラーも、果敢に格闘技のリングに挑んでいった。今日、ここまで総合格闘技が市民権を得るようになったのは、グレイシー一族をことごとく破り、「プロレスラーは強いんです」を証明したプロレスラーの桜庭和志がいたからである。
しかし、もはやプロレスと格闘技は全く別の道を歩んでいる。ここが、20年経った「猪木軍」の難しいところである。せめて、パイオニアの猪木さんが生きていたら、プロレスラーでもない若い格闘家に新しい感性を植え付けていたかもしれない。プロレスラーでもない、アスリートの格闘家でもない、新種のファイター。
そんな中で、 RIZINでも活躍する関根“シュレック”秀樹の「猪木軍」入りが決定した。シュレックは、ご存じサトシ・ソウザやクレベル・コイケと同じボンサイ柔術所属の柔術家。しかし、元々は大のプロレスファンで、ハマったのはタイガーマスク→UWF世代。特に猪木色を強く打ち出したUWFインターの大ファンで、MMAや柔術の試合以外にプロレスのリングにも上がっている。
そんな感性とバッグボーンを持つだけに、今回「令和猪木軍」として世界の強豪に立ち向かう。年齢的には決して若くないが、いまだ RIZINのリングでシビサイ頌真や貴賢神にKO勝ちし、巌流島では鈴川真一やロッキー川村と激闘を繰り広げ、衰えを感じさせない。
もっとも、プロのファイターになったのは、40歳を越えてからで、元々の職業は静岡県警所属の警察官という、異色の肩書きを持つ選手でもある。実年齢と関係なく、シュレックはまだ発展途上の選手とも言えるのだ。猪木さんや小川直也総監督が求める「ヘビー級」という点でも合格だ。
そのボンサイ柔術を始めたのも、警察官としての潜入捜査がきっかけだった。柔術の道場でブラジル人を始めとする外国人が、薬物の違法取引きをしているんじゃないか。その捜査のために、柔術道場に入会したシュレックは、たちまち柔術の虜になり、遂には警察官を辞めてプロの格闘家になってしまったのだ。人間、好きなことをやって、悔いのない人生を送りたいとはいえ、40近くなって、安定した公務員の給料と退職金を捨ててまでの決意には、並々ならぬものがあっただろう。
そんなシュレック、今回は柔術家ではなく、プロレスラーとして闘いたいと語る。そして、猪木ボンバイエということで、「やるからには猪木vsウィリー戦みたいな試合がしたい!」と意気込みを語る。果たして、プロレスラーvs極真空手のような試合はマッチメイクされるのだろうか? 対戦相手が誰になるのか、注目していただきたい。