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大晦日、RIZINとメイウェザー! 巌流島はどこに向かうべきか?

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文◎谷川貞治(巌流島プロモーター)

文◎谷川貞治(巌流島プロモーター)

 

皆さん、昨年9月の大会以降、巌流島の活動が休止していて本当に申し訳ありません。この間、私が何をやっていたかをここで説明します。

9月の大会後、次回大会としては例年どおり、13日舞浜アンフィシアターで巌流島を行う予定でした。巌流島の現状の悩みとしては、今後どのメディアで巌流島を放送していくかというところにありました。私がK-1をやっている平成は地上波全盛の時代でしたから、目標が明確でした。

テレビは地上波のゴールデンタイム、漫画といえばジャンプやサンデー、マガジン、スポーツ紙の一面や格闘技雑誌の一面を飾ることがステータスで、目標は高いものの、明確な目標がそこにしっかりと存在していたのです。これらの目標にいかにK-1を載せるか、そこが勝負だったわけです。

ところが時代も変わり、インターネットの発達で、メディアは大きく変わりつつあります。平成の時代、私たちが目標にしていたメディアが今や王道ではなくなり、マネタイズそのものが大きく変化して、何を目標にすればいいのか、答えが分からない時代になっているのです。

先日、久しぶりに日刊スポーツの平成を振り返る取材を受けたのですが、日刊スポーツの記者でさえ、スポーツ紙の記者に憧れて入社を希望する新入社員が激減しているとボヤいていました。私たちの時代は、テレビ局や新聞社に入るなんて、本当に憧れの花形職業だったんですけどね。

そんな時、たまたまRIZINの榊原信行社長(私はバラさんと呼んでいる)から、「大晦日になにか話題になるネタはないか」という相談が受けました。私とバラさんとの付き合いは、かれこれ20年以上になります。最初の出会いは、バラさんが東海テレビ事業の社員だった頃で、K-1が名古屋に進出する際、東海テレビのプロデューサーとして現場を仕切ってくれたのが、バラさんでした。

その後、バラさんとはK-1ナゴヤドーム大会などのビッグイベントをやり、PRIDEを一緒に旗揚げしたり、国立競技場で「Dynamite!」をやったり、「レッスル1」というプロレスのイベントを仕掛けたりと、ずいぶん長い付き合いなのです。

バラさんがPRIDEの社長になった頃は、大晦日格闘技が民放各社で放送されるようになり、その際の選手の引き抜き合戦で、対立していた時期もありました。あの頃はお互い「ぶっ潰してやる!」くらいの気持ちもありましたが、K-1PRIDEもなくなり、その後バラさんチームを引き取ってDREAMを始めるようになって、関係も修復。

今はRIZINと巌流島でまたライバル関係になっていると思われつつありますが、私が「格闘技」というものを意識していないので、それほど関係も悪くなく、たまにメシを食ったりしていたのです。

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バラさんからそんな話を持ちかけられたちょうど同じ時期に、私はフロイド・メイウェザー jrを日本でマネージメントする若いグループから「何とかメイウェザーに日本で試合をさせたい」と相談を受けていたのです。「

それなら今はRIZINが一番いいと真っ先に思った私は、バラさんに「メイウェザーvs天心をやったらどうか」という提案をしたのです。こういう世間を動かせる話題を作れる器量があるのは、日本の格闘技関係者の中でも私とバラさんくらいしかいないという自負が今でもあります。最後までやり遂げられるのもバラさんだけでしょう。

さすがバラさんはすぐにノッてきました。しかし、世界のスポーツ界でも一番稼ぐメイウェザーに一体いくらかかるのか? 対戦相手の那須川天心は体重差やルールの問題もあって、本当に受けるのか? 何よりもその若いグループが本当にメイウェザーを連れてこれるのか?

そういった問題が山積みでしたが10年以上、格闘技ビジネスで幾多の修羅場をくぐり抜けているので、「自分たちならできる」という自信は最初から揺らぎませんでした。そして、言い出した以上、私もメイウェザー側のブッキング担当者としてRIZINを手伝うことになったのです。

そのかわり、大晦日を盛り上げる一つの条件として、私は1230日にさいたまスーパーアリーナで「巌流島」をやらせてもらい、その中継を大晦日のフジテレビで放送してほしいと提案をしました。

RIZINは大晦日、フジテレビで6時間半の放送枠を持っています。その内の2時間でも巌流島を放送させてもらい、メイウェザーが加わればおインパクトも絶大にできる。そして、視聴率も上げられるし、巌流島の大きなプロモーションになると考えたのです。

メイウェザーに関しては、私は完全に黒子に徹して、バラさんに協力することにしました。私はメイウェザーみたいなネタは得意中の得意ですが、もはや格闘技のイメージで勝負するつもりはありません。そんな話が持ち上がったのが10月半ば。それからいろんな苦労はありましたが、11月初めには何とか記者会見にまで漕ぎ着けました。本当に那須川天心vsメイウェザー が実現することになったのです。このへんはさすがバラさんです。他のプロモーターだったら、とっくに中途半端に終わっていたでしょう。

ところが、記者会見を終えてアメリカに帰ったメイウェザーが、今度は急にやるのやらないのと、態度が豹変したのです。その攻防はなんとクリスマスまで続きました。その対応に追われる中で、とても年末巌流島どころの話ではなくなってしまったのです。これには頭を抱えました。

私の役割は、メイウェザーがRIZINと契約書を交わし、記者会見を行うまで。あとは巌流島を地上波バージョンの内容で固めて、メイウェザーとともにPRを手伝う。プロモーションは私の得意とするところ。そんな感じで考えていたことが、すべてご破算になってしまったのです。

なぜ、そのようなことが起こってしまったのか? その続きは明日また更新します。

5.11巌流島の大会情報はコチラ⇒ 『世界武術王決定戦 2019 in MAIHAMA