ケンカでの骨折は数えきれず、 骨折程度で痛みは感じない! 刺してパクられたことも数知れず、 格闘技を習った経験なし!
Vシネ界のリアル喧嘩師
中澤達也インタビュー!!
地元愛の強い八王子の暴走族リーダー
−−さっそくですが中澤選手の不良の系統というのは?
中澤 もともとは暴走族です。八王子の万吉スペクターというところの頭でした。
−−万吉?
中澤 万吉というのは、本宮ひろ志さんの「男一匹ガキ大将」の戸川万吉からきてるんですけど。親父なんかの世代の不良たちが、あのマンガに憧れたみたいで、そこから取ったと聞いてます。
−−ということは万吉スペクターは、歴史のある暴走族なんですね?
中澤 ありますね。自分の頃で21代目だったので。
−−中澤選手が不良になっていったきっかけは?
中澤 親父が通っていた寿司屋がワルのたまり場で。そこにいたから自然に身についたというか。小学3年で原付きに乗って捕まったりとか。
−−不良として頭角を現したのは、万吉スペクターの頃が最初?
中澤 中学の頃からですね。八王子って特殊な街で、当時36校くらいあったんですけど、その中で一番を決めるっていうのがあって。
−−中学生の天下一武道会……。
中澤 各区域で争って、最後に4人残り、その八王子四天王で頭を決めたんですよね。
−−中澤選手もその四天王のひとりだった?
中澤 はい、入ってました。
−−それで頭になったんですか?
中澤 頭は柔道やってる体のデカいやつがなって。自分は体が小さいので、危ない方法で攻めてたんですけど。
−−危ない方法?
中澤 武器使ってでも何してでも勝つっていう。中学の頃は格闘技もやってなかったし、柔道のデカいやつになんて勝てるわけないですよね。なので、「あいつは危ないから手を出せない」っていう印象をつける勝負してました。
−−体が小さく、格闘技もやっていなくて、八王子の四天王に入るっていうのがすごいですよね。
中澤 強い弱いよりも勢いっていうのがあるんですよ。見た目とか。会ったらもう突っ込むっていう。それで「あいつには手を出したらやばい」って印象づけるんです。
−−そこから高校生になってまた活躍されて?
中澤 自分、高校は行ってないんですけど、中学が終わって暴走族に入って。四天王の他のメンバーも、それぞれ別の暴走族に入ってましたね。
−−当時の暴走族って、どんな感じで集まっていたんですか?
中澤 毎日、たまりでした。夜の22時から朝まで。普段も走るんですけど、集会は土曜にやって、日曜は休みでっていう。
−−捕まったことは?
中澤 あります、あります。ケンカでですけど。刺しまくってパクられてました。八王子対どこどことか、他の地域とのケンカで。うちは地元愛が強くて、他とはつるまないので有名で。八王子を守るためなら、刺してでも守るっていう感じでした。だから、鑑別所も、少年院も、少年刑務所も行ってます。
−−そういうケンカって関東でたくさんあるんですか?
中澤 当時はあったんじゃないですかね。みんな、イケイケだったので。
−−中澤選手が格闘技を始めたのはいつ頃ですか?
中澤 格闘技を始めたのは遅くて、アウトサイダーが流行り始めた頃ですね。27歳の頃とか。それまでは我龍真吾のところで、体を動かすためにちょっとやってたくらいで。
−−ではアウトサイダーがデビューなんですね?
中澤 アマチュアに出たときもあったんですけど、ほぼアウトサイダーがデビューでしたね。自分、格闘技ってちゃんと教わったっていう人はいなくて。特に教わってないんですよ。やられたら打ち返すってだけ。その前に仕留めろっていう。
−−本当に喧嘩師ですよね。
中澤 誰に教わることなく、見よう見まねでここまで来たんですよね。
−−練習はされます?
中澤 練習はしますよ。八王子で若いのと集まって。
−−現在は格闘技団体「益荒男」の代表をされているんですよね?
中澤 益荒男と宴の代表をしてます。年間で、益荒男を2回、宴を3回の計5回開催してます。
−−他にお仕事は?
中澤 役者ですね。
−−Vシネで活躍されていますね。
中澤 一応、主役で7本撮ってます。「新・年少バトルロワイヤル」とか、関東連合の話の「ブラックコネクション」。あと「日本統一」という作品にレギュラーで出させてもらってます。
−−お忙しいですね。
中澤 でも格闘技の練習に関しては、もう今39歳なので、打撃の威力を上げて仕留めるっていうことしかやってないです。硬くて重いサンドバッグを殴って、蹴って。スパーリングとかももう打ち合うだけ(笑)。
ケンカは気合いと根性! ヤバくなったら噛みつきますよ
−−どこまでも喧嘩師ですねぇ。当時の暴走族って他にどんなチームがあったんですか?
中澤 ブラックエンペラー、全日本狂走連盟とか、いっぱいありましたよ。でも八王子は完全に独立した存在で、他の地域と一切つるまず。相手が八王子の下につくか、ケンカするかのどらかで。
−−ケンカと格闘技ではどこが違いますか?
中澤 技術ですね。格闘技は技術が要る。ケンカはまぁ1分くらいの勝負ですよね。みんなスタミナがないから(笑)。1分バチバチってやったらケリがつくので。
−−ケンカで勝ち抜くには、どうしたらいいんでしょうか?
中澤 ステゴロのタイマンだったら、目を潰してとか。そういうのが早いですね。
−−躊躇しない?
中澤 しないです。くっついたら目を潰して、そのまま倒れてっていう。なんでもありですよ。やばかったら噛みついてでも、もうなんでもやります。共通してるのは、気合いと根性ですよね。折れようが何しようがやる。その状態でできるかどうかが差になります。気持ちの弱い人が格闘技の技術だけあって試合に出てても、負傷したらやめちゃうじゃないですか。そこで行けるか行けないかの差だと思いますね。
−−今までケンカの数は何戦くらいになるんでしょうか?
中澤 いや、もう数えられないですね。自分、ガキの頃から骨折した数が半端じゃないので。右腕だけで8回は折ってるし、左腕はもっと折ってて。一回で顔が4ヶ所折れたりとか、色々あります。骨折はもう、ほぼ痛みを感じないくらい慣れちゃってます(笑)。
−−もはや骨折では痛みを感じない……。
中澤 まぁ、折れ方にもよりますけど。あとバイクで走ってて、後ろから車にはさまれて、足を6ヶ所折ったこともありましたね。
−−凄まじい人生ですね……。でも現在は更生されている印象です。
中澤 もちろん、そこは使い分けてます。仕事に関しては、頭を下げるのが仕事ですし。でも修羅場をくぐってる人間のほうが、いろんなことを知ってるので、礼儀とかちゃんとしてるんですよ。
−−中澤選手も普段からすごく礼儀正しいですもんね。
中澤 役者もやってますし、ちゃんと使い分けてます。普段はなるべく笑っていたいですしね。
−−では巌流島の印象というのは?
中澤 面白いですね。まず寝技がないのがいい。15秒だけで。格闘技で勝つためには、寝技とかすべてを極めるのがいいことだと思いますよ。それを楽しく観る人もいるだろうし。ただ、自分はパンチ、キックのシンプルなことしかできないので。素人の人が見たらそっちのほうが盛り上がると思うし。巌流島は一番ケンカに近い。
−−不良時代は格闘技は観ていたんですか?
中澤 観てましたよ。好きだったのは、武田幸三と魔裟斗さん。あの2人が大好きで。
−−どういうところが好きだったんですか?
中澤 魔裟斗さんは、まず同い年なのと、とにかく自分を追い込むところ。強いうえに誰よりも練習していたって聞くので。そういう見えないところでの努力がかっこいいなって。武田幸三に関しては、ワンツーとローキックだけのスタイルで突き通したじゃないですか。それがかっこいいなぁと思って。
−−武田幸三選手にはシンパシーを感じるというか。
中澤 僕も打撃の威力だけでぶっ潰してやろうと思ってますから。今度の大会でも自分が一番軽いと思うんですけど、散るときは華やかに散ってやろうと思っているので。
−−ではトーナメント一回戦の原翔大戦、注目しています!
中澤 プロ相手のケンカ、楽しみにしていてください!