巌流島ウォッチャー・たいがー君が仕掛けた、全日本武術選手権の全予想!
お題………9.17 刃牙の世界を制するのは誰だ!?
こんにちは! 「たいがー」こと、西村虎次郎です。
ついに巌流島9月大会まで3週間ですね。いちファンとして楽しみで仕方ないです。
今大会の魅力といえば、何といってもそのバリエーション豊かなマッチメイク。空手、柔道、相撲、サンボ、システマ、柔術、MMA、日本拳法、合気道、ムエタイetc……ね? 漫画みたいでしょ。こんなの楽しみにならない方がおかしい!
という事で、楽しみ過ぎて勝手にTwitterでトーナメントの勝敗を予想するアンケートを取っちゃいました。今回はそんな非公式ですが、ファンの皆さんが投票してくれた予想アンケート第1回戦の結果をもとに、僕なりに考察なんかをしてみたいと思います。
ただの素人目線で、選手に一切の忖度も無しに、ただちょっとだけオブラートに包んでですがお届けします。
◎原翔大(実戦空手) VS 中澤達也(喧嘩師)
[原選手81% 中澤選手19%]
票数は101票で、今回のアンケートで2番目でした。けっこう注目度の高い試合だと思います。結果は圧倒的に原選手に票が集まりましたね。さすが我ら引きこもりの星、カリスマ性が違う。
喧嘩師というのが=素人みたいに映ったのだろうと思います。格闘技関係の話でよく話題に上がるのが、ストリートファイトの問題です。「路上で数人のヤンキー相手に武術家が一瞬で勝った」という逸話もあれば、「一流の空手選手が喧嘩慣れした一般人にボコボコに負けた」という噂も良く聞きます。しかし、やはり一般人よりも空手家のほうが強いはず、という事で原選手に票が集まったのでしょう。まあ、中澤選手は試合経験もあって、素人ではないですけど 笑
ストリートファイトに現状最も近しい巌流島(賛否両論あるけど)、今回の試合でそれに一区切りがつくのではないかな。個人的には陰キャの星、原選手に勝ってほしいです。
◎YUSUKE(合気道) VS 蓮見隆太(CACC)
[YUSUKE選手22% 蓮見選手78%]
一見圧倒的に蓮見選手という感じですが、最弱候補とまで言われた合気道に22%も票が入ってる所に、巌流島の幻想を感じます。体格も試合経験も完全に蓮見選手のほうが上ですが、YUSUKE選手には何かやってくれそうな雰囲気が。
僕が個人的に気になるのが、合気道特有の袴の存在。合気道では有段者になると、袴を着るようになりますが、それは重要な膝の動きを見えないようにするためらしいですね。実際にどういう動きをするかは分かりませんが、気になるのはそれがキャッチレスリングとの攻防にどう関わってくるかという事。
低いタックルはそうそう出来ないでしょうね。だって、袴のどこにかたぁ~い膝があるか分からないもの。
◎加藤和徳(空道) VS 鈴木渓(柔道)
[加藤選手80% 鈴木選手20%]
巌流島でルール上最も適した格闘技の一つとされている空道。その日本チャンピオンとなれば、こういう結果にもなるでしょう。しかも鈴木選手の情報は、どこを探そうが一切見つかりません。それもそのはず、手合わせ稽古会で偶然見つけた隠れた逸材ですからね(言い過ぎ?)。
鈴木選手は前回の菊野選手主催の手合わせ稽古会で、CACCの方と最後にデモ試合をしました。見た感想としては、「この人打撃大好きなのかなぁ」という感じ。その時は相手選手がTシャツという事もあり、道着を使った攻防は見られませんでしたが、組んでも打撃でも高いレベルで動ける選手でした。
ただ、「組みも打撃もまあまあ出来る」では、加藤選手は完全上位互換と言えます。勝負の分かれ目は、ズバリ道着のコントロール。小見川選手が、道着を掴んで相手の打撃を捌くという柔道の神髄を見せてくれました。それがまた見たい。
あとこのマッチメークは今回のアンケートで票数が一番多かったです(132票)。すげぇや。
◎奥田圭介(プロレス) VS 左禅丸(日本拳法)
[奥田選手56% 左選手44%]
意外と拮抗しましたね。最後は知名度が票を分けたのではないかと思います。
プロレスラーの参戦はぶっちゃけどうなるのか分かりませんでしたが、奥田選手はラウェイにも挑戦する選手のようですね。組んでの展開より、打撃戦になるのかな。そうなると気になるのが、左選手の言う“波動拳”なる必殺技。話を聞くと、別に遠距離から青白い気みたいなやつを投げるわけじゃないそうで、突きを波のように繰り出す日本拳法独特の技らしいです。
このアンケートでは負けてしまった左選手ですが、キックでの戦績もあり(あと剣術も強い)、個人的に乱打戦になると経験の差が出るんじゃないかと思ってます。でももし、奥田選手がプロレスラーとして、プロレスらしく戦うのであれば、左選手に対応させずに勝つのかも。
◎西浦ウィッキー聡生(修斗) VS 皆川貴俊(サンボ)
[西浦選手86% 皆川選手14%]
一番票が傾いたのがこの試合。僕は知らなかったのですが、西浦選手はDREAMやRIZINにも出てた凄い選手らしく、今大会優勝候補筆頭です。試合を見てみると、腕をお腹あたりで自然と曲げて、肩を揺らしながらポーンと素早くパンチを出してくる、格闘技だと独特のスタイルですね。僕の印象としては、少し武術側に近い動きの様に見えました。肩をブラブラと揺らしながらリラックスして、脱力した状態から放つ突きは起こりが見えない。相手選手は闘いづらいだろうな、と見ていて感じました。
そんな闘いづらい選手と1回戦から闘う羽目になったサンボの皆川選手。本来、着衣格闘技であるサンボは巌流島向きの格闘技ではありますが、今回の相手は上半身裸で出てくるはずなので、厳しい闘いになるのは勿論ですが、サンボの良さが出るのか心配です。経験も実績も負けている皆川選手、活かせるのは体格の差でしょうか。頑張ってぇっ(>_<)
◎岩崎徳正(数見空手) VS 中島大志(相撲)
[岩崎選手53% 中島選手47%]
僕の中では一番楽しみな試合かもしれない。アンケートでも一番拮抗したのがここ。抜きつ抜かれつで、最後まで決着が分からなかったです。
ここまで拮抗した理由はやはり、根強い力士最強説と数見肇という伝説の空手家の弟子という要素。押し出しも認められている巌流島では、前々から「そんなの相撲取りが出たら絶対勝つじゃん」と言われてます。実際には相撲の勝敗は五分五分といったところで、完全に相撲有利というわけでもありません(本当に良く出来たルール)。しかし、力士が強いのも事実。中島選手は巌流島が出来た当初から出場している選手で、経験というところでは今大会で断トツです。
しかし最後に票を分けたのは、数見空手の底知れなさではないかと。前回大会で岩崎選手はCACCの蓮見選手と試合をして、一度もテイクダウンを許さず、それどころかレスラーを投げ飛ばして見せた実力者です。三戦の形で鍛えられた安定感は、相撲の圧力相手に通用するんでしょうか。とっても楽しみです。
それと、岩崎選手の成長率は半端じゃない。勝ち上がって西浦選手と当たると……もしかして、もしかするかも?
◎草マックス(パンクラシスト) VS KENGO(現代空手道研究会)
[草マックス67% KENGO33%]
たぶん、これは皆さん分からなかったと思います(笑)。いかんせん二人とも情報が少ない。かろうじてパンクラスのサイトに草マックス選手のプロフィールが載ってましたが、KENGO選手に関しては全くの謎。現代空手道研究会も分からないし、空手科学者も良く分かんない。まあそんなこんなで、謎の空手家よりも分かりやすくMMAでの戦績がある草マックス選手に票が集まりましたね。
しかし僕はKENGO選手が勝つと思ってます。まあ、断言できるほどの確証はありませんが、少なくともKENGO選手がトーナメントの中でもかなりの実力者なんじゃないかと思ってます。KENGO選手は第二回の巌流島トライアウトに出場し、手合わせ稽古会にも参加されている方です。しかも菊野選手が強く推薦する選手。何か見せてくれるでしょう(圧力)。
◎クンタップ・チャロンチャイ(ムエタイ) VS アキラ・シット・レック(システマ)
[クンタップ選手71% アキラ選手29%]
あー、文字数の多いマッチメイク! Twitterの文字数制限に苦しめられました(笑)。
立ち技最強と謳われるムエタイの元チャンピオンとなったら、強いに決まってます。票が集まるのは当然。そんなクンタップ選手相手に三割弱も票を奪い取ったのは、システマの幻想のなせる業でしょうか。ロシアの合気道と言われるシステマは、ミハイル・リャブコ氏が創設した実戦型の軍隊格闘術。聞くところによると、システマをやっていれば痛みを感じないらしい……ピーマンも食べられるようになるかな。
やっぱり芸人さんのイメージが強くて、若干うさん臭いシステマですが、アキラ選手は柔道やムエタイの経験者でもあり、試合慣れしている印象があります。前回大会では日本拳法の左選手相手に、腕を広げて独特な構えから様々な技を繰り出すスタイルで勝ってます。セオリーも分かっているからこその、形に囚われない自由な動きで闘うという、見ていてとっても面白い選手。ムエタイ相手にもしや、と思わせる力を持ってます。
今回のアンケートは「バックボーンを活かして勝つのはどっち?」というお題でやりました。つまり、ただ勝つだけでなく、自ら進んできた“道”をちゃんと見せて勝つことが出来るかが、この大会の大事なところなのです。力士が拳を顎の位置に構えてステップしてたり、合気道家が顔面殴ろうと必死だったり、柔道家がローキックで相手の脚を潰そうとしてたりするのを見ても、何にも面白くありません(シュールで逆に面白いかも)。
巌流島は自分の技を試す場所だと思います。違う“道”を歩む武道家達が、巌流島という場所で偶然にも――あるいは必然かもしれないが――交わる。そこで見られるドラマに、ストーリーに我々は感動するのです。というかしたいのです。
過去9回の大会でも、様々な武道家達がそれを魅せてくれました。節目となる10回大会では、果たしてどんな物語を魅せてくれるのでしょうか。