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UFCともRIZINとも違う見事な世界観! これは本当に高視聴率いけるかも

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お題………「大反響!1・3巌流島・舞浜大会を振り返る!」

文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

文◎田中正志(『週刊ファイト』編集長)

 

初詣は巌流島ということで、1月3日、ディズニーランド隣接の舞浜アンフィシアターで開催された『世界武術団体対抗戦』、大学対抗の武術駅伝などの第一部が終了した段階で、谷川貞治プロデューサーらが餅つき、鏡割りを会場ロビーで行った。そこで「大晦日を任せてくれたら視聴率10%取る!」発言が飛び出している。

無理もない。特に大学生などは、見たばかりの年末RIZINの映像の記憶が強いから、所英男がアーセン山本を下からの腕十字に極めたまんまを、さっそく実践した選手が出たばかり。テレビ格闘技番組の先駆者である谷川プロデューサーからしたら、プレゼンのやり方が生ぬるいとつい口にしてしまうもの。実際、そのRIZINの瞬間最高視聴率は10.9%で、それはRENAが無名のポーランド人選手をKOして、シュートボクシング派遣の露出度の高い衣装のリングガールがリングに華を添えたところだったという。

偏狭なマニアやガチンコ原理主義者には申し訳ないが、お茶の間大衆は世界ランキング上位の激突カードを求めているわけではないとはっきりしたばかりだ。12月17日、ディファ有明にてDEEPとWSOF-GCの対抗戦が開催され、バンタム級王者に認定された大塚隆史が「年末のRIZINに出る所、アーセン、才賀、こんなのより俺が全然強いと思っています。簡単に倒せますんで、榊原さん、試合組んでください」と吠えていたが、「大塚って誰や?」と言われたらどうするのか。その才賀紀左衛門が、無名の南アフリカ人選手をKOして、あびる優ちゃんとリング上でKISSして魅せてテレビ番組が成立するのだ。

サムネ

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前振りが長くなったが、巌流島を地上波でやったら世間はまず、様式美の世界に驚くに違いない。10%いけるかもという発想の根拠がここにある。シルク・ド・ソレイユの忍者サーカスが圧巻のパフォーマンスを披露するなど、新会場の武器であるプロジェクション・マッピングを使った斬新な演出と、各試合前に演武などのエンタメ・スキットが効果的に挿入されて、世界にひとつしかない豪華絢爛なプレゼンテーションが繰り広げられていたからだ。

RIZINはわざわざ「UFCを目指さない!」と髙田延彦が宣言していたが、巌流島はルールからして総合MMAとも別世界なのだから怖いものなし。事実、試合結果でどっちが勝ったとかよりも、小見川道大の巴投げ福袋1万円が10セット完売して、グラチアのスカート女性も挑戦のサービス特典も実現した光景のほうが、記者には巌流島がブレイクしている手ごたえを感じたものだ。

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メインを締めたのは菊野克紀だ。UFCブラジル大会で秒殺された相手ケビン・ソウザに、ルールが異なるとはいえリベンジを遂げた。試合後のインタビュー・ルーム会見によると、「何が当たったのか自分では覚えてない」そうだが、またも菊野に神風が吹いた。手足の長いソウザの間合いに入って、一撃で倒してしまうのだから沖縄拳法空手、叩けば倒れる“神の手”極意は恐るべしだ。ソウザによれば後頭部に一発入ったと話していたが・・・。

自由人・渡辺一久は、カポエイラの動きを魅せたりは前回もそうだったが、今回はバックドロップに、小見川道大の巴投げで場外に落とすもトライしていた。足をくじいてしまい歩けなくなっても、まだ試合を続ける根性だけは素晴らしい。テレビ向きなのである。また、リスクを恐れずあえてカポエイラを実戦で使うプロの鑑マーカス・レロ・アウレリオは、毎度、写真家が一番燃える選手である。セミに登場した田村潔司が本調子でなかった誤算はあったが、UFCでもなければRIZINでもない、巌流島が新たな世界観を確立した大会であった。

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