見る側の主張! 巌流島ウォッチャーがシビアな目で全日本武術選手権を斬る!
お題………賛否両論! 全日本武術選手権。刃牙の世界は実現できるか?
文◎アニマル・アキ(巌流島ウォッチャー)
こたびの巌流島の不満点!!
巌流島に一番望んでるのはKO劇でも巴投げでもなく、ワクワクドキドキ出来るマッチメイクと予想の出来ない、かつ期待通りの攻防です。
そういう意味で必勝の方程式が出来ることは最も避けて頂きたい。
巌流島には巌流島としての競技の進歩も巌流島ファイターも求めていません。求めてるのは自身のジャンルの技術をより磨くこと、その技術を活かすための基礎力の強化です。
基礎力とは柔道家なら打撃に目が慣れてたり、打撃を恐れずに組み付いて投げたり極めたり、ストライカーなら受け身くらいは取れないと話にならないってことですが。クンタップは理想的な形で、ムエタイファイターとして巌流島で強くなってると思います。
ドライなファン目線から今回の巌流島に色々、提言をしたいと思います。
問題点はソフトじゃなくハード面にあります。巌流島のポテンシャルはこんなもんじゃないでしょ、より面白くするためにもハード面の急速な整備が望まれます。
この前は面白くなかったけど、次は改正されて面白そうだな、これなら見てみたいなと思わせないと客は減ることはあっても増えることはないでしょう。
のんびりと選手の進化を待ちましょうなんて、余裕は巌流島にはないと思います。
まずストライカーに相撲はして欲しくないのです。それで勝てるとしても。「俺はいいけど、YAZAWAがなんて言うかな?」的美学を持って欲しい。ファンが持ってる偶像、期待を裏切らないで欲しい。
そして運営も選手の美学頼りじゃなく、ストライカーに相撲をする必要がないようにルールで管理して頂きたい。半端な圧力しかない選手がエプロン部分で組み付いて場外に押し出そうとしたり、エプロンでグランドの選手を場外に押して出そうとする醜い攻防には、レフェリーが即ブレイクして頂きたい。際で出されそうになったら抵抗するためには相撲をするしかないんですから。
豪快に相手を投げ捨てたり、蹴り飛ばしたり、強烈な圧力で腰砕けにして吹っ飛ばすのは見たいですが、場外際でスタイル関係なく猫も杓子も鍔迫り合いして、場外に落とし合う攻防なんて見たくないのです。
巌流島で勝つためには、相撲に強くなることだなんて状態は本末転倒です。エプロンの存在意義を見直してください。
そしてタックルに行くならリスクもないと不公平です。タックルをする選手が増えるならタックルを潰して、切っての頭部への膝は必須と言えるでしょう。それを認めないならタックルは決められるか、防ぐしか攻防がなく緊張感に欠けます、武術的でもありません。
特にストライカーにはタックルを潰しての頭部への膝が認められないと、やられ損です。
寝技も認めて欲しい。15秒の寝技が認められた所で極めに行く選手はほとんどいないでしょう。殴って少しでもダメージを与える方が確実だし、手っ取り早い。
それでもロマンを求めて極めにこだわる選手のために15秒でも良いので、寝技を解禁して頂きたい。
現状、スタンドでの関節技、絞め技、スタンドからグランドへ以降の関節技、絞め技は認められてますが、それで決めるどころか、仕掛ける選手すらいない。ほぼ意味がないと言ってもいいでしょう、だからこそ可能性をより広げて頂きたい。
スタンドでの打撃によるKO、転落での一本勝ち、パウンドによる一本勝ちに極めの一本勝ちも加えて欲しいのです。刃牙の世界を目指すなら華麗な極めの一本は欠かせません。削る攻防は排除しても極めを排除してはいけません。
今回のトーナメントもサンボ、キャッチは持ち味を存分に発揮したとは言えずかわいそうでした。サンボは投げと極めがセットになってこそ、その魅力が発揮されると思います。
キャッチもWリストロックが見たいんです。かの20世紀最高のレスラー鉄人ルー・テーズをして「試合中に1つしか技を使ってはいけないといわれたら迷わず、この技を選択する」と言わしめたプロレスのシューターには欠かせない技なのです。Wリストロック。
因みにシューターの上位概念はフッカーです。キャッチの選手がマシャールアーツの選手に流血しながらWリストロックを極めるシーンが見たいんです。プロレス最強。
相撲が見たいんじゃない。かと言って勘違いして欲しくないのは軍鶏の喧嘩みたいな努突き合いやキックが見たいんでもありません。柔術が見たいのでもない。異種格闘技の攻防が見たいんです。それこそ刃牙の世界でしょう。
ファミリービジネスを目指すなら、ヤジ対策をしっかりして頂きたい。正直、闘技場の礼儀知らずな選手より客席の礼儀知らず、野蛮人、不快な人の存在のほうがよっぽど重大な問題です。
せっかく金を払って来てくれた客を遠ざける事になると思います。日本の格闘技ビジネスの最大手、天下の新日本プロレス様の例を見てみましょう。
もしもお客様が迷惑な行為を受けた場合や、他のお客様のご迷惑となっている状況、ご不快になるような行為、また危険と思われる行為がございましたら、直接お近くの会場スタッフ・警備係員にお声かけ下さいます様、お願い致します。弊社では、迷惑行為を現認、発見次第、その場で適切な対応を行わせて頂いております。
ねっ、これですよ、これ。客同士で争わせてはいけません。係員が即座に対応すべきです。
色々、書きましたが以上の反省点を改善すれば、巌流島に刃牙の最大トーナメントを期待して見た私の要求に応えれる物になると思います。
最後に良かった点も書いておきます。今回、唯一、巌流島の正調ルールで星風と戦ったシビサイですが、やっぱり巌流島は道着を着て互いのスタイルをぶつけ合うのが醍醐味だなと思わせてくれました。
MMAとの差別化の為にも道着は欠かせません。豪快な投げ、巧みなグランド、強烈な膝、文句無し。私は巌流島ではシビサイの試合が一番好きなんです。
原も良かったです。この2人とBJ・ペンも絶賛のタイガーDATEに私は大いに期待しているので、もっともっと頑張って巌流島を盛り上げて欲しいのです。
9.17巌流島のレポートはコチラ⇒『全日本武術選手権 in MAIHAMA』