今回の興行は「巌流島」ではなく「イノキ・アイランド」ですよぉぉぉぉぉ!!
まずは「巌流島」の復活おめでとうございます! そして、ありがとうございます!
2020年よりイベントを開催するのに何かと窮屈になった状況でも、月初めには「巌流島は開催されますか」や、他格闘技イベントに出場した面白そうな選手がいた場合は「巌流島に参戦してほしい」とツイートし続けてきました。
復活・開催が決まったのを目にした瞬間、飛び上がって喜びました。こうした微々たる力ではありますが、“島“そのものが忘却の彼方に向かってしまわぬように、島民第1号として「巌流島」の保全活動をしていただけあります。
個人的な各試合の見解は後日私の「note」に記載するとして、今興行のMVPを決めるならば、ジョシュ・バーネット選手です。
名が知れ渡るようになってから約20年経過し、顔立ちはまるで仙人のような達人感が増しましたが、あの時代となんら変わらぬ強者ぶりを発揮し、勝利後の日本語でのマイクアピールも胸を打ちました。
海外ブッキング担当の柴田和則さんがツイートしていましたが、ジョシュ選手は「今のMMAは“プレーン“すぎる」という発言をし、また巌流島ルールだからこそ今回の参戦を決意したそうです。
おそらく、ほとんどの古参の島民は「ジョシュはわかっているなー!」と思ったことでしょう。これらの背景も含め、ジョシュ選手のメンターでもある猪木さんの名前が入った興行の立役者ではないでしょうか。
そしてもう一人、トム・ローラー選手もMVPだと思っています。
失礼ながら、UFC参戦当時は存在を知らなかったのですが、新日本プロレスファンでもある私はアメリカで展開している興行「NJPW STRONG」も見ているので、柴田勝頼選手の参戦・対戦相手になったことに非常に驚きました。
トム選手は「TEAM FILTHY」というユニットを結成したり、相手の選手の髪の毛をバリカンで切って食べるというドン引きなムーブを行ったりして、「NJPW STRONG」発足当時から盛り上げていたSTRONG王座の初代チャンピオンです。
また、女子プロレス団体「STARDOM」のファンでもあり、俗に“暗黒期“と呼ばれる格闘技路線に走っていた時代の新日本プロレスもよく見ていたという筋金入りのプロレスヲタクでもあります。
こうしたトム選手によるUWFルールは、柴田選手とともに繰り出す技の美しさもあって見ごたえバツグンだったのですが(一緒に見に行った友人曰く「まるで神事のようだ」とも)、やはり次は巌流島ルールで本格的に参戦してほしいです。
興行としては満足したのですが、会場に入って最初に目に入った正方形の闘技場を見たときは、正直困惑したのは否めません。興行の後半戦は闘技場がロープを張ったリングに変更され、またMIXルールやキックボクシングルールの混在なども含め、少なくとも「正規の巌流島ではないな」と思いました。興行コンセプトも含めて「イノキ・アイランド」と言うべきでしょうか。
円形の闘技場、鳥居、太鼓橋、ラウンドガール役の巫女、レフリー役の神主、形状規格が統一された袖なし道着の着用……。あの他にはない独特な雰囲気で行われる異種格闘技こそ「巌流島」です。
とはいえ、通常興行の復活は谷川さんもしっかり考えているようですし、何よりもジョシュ選手はアメリカでの開催を目論んでいるそうです。アメリカンフットボールの選手など、格闘技経験はなくてもフィジカルに優れたアスリートがゴロゴロいるアメリカ。こちらの展開も期待したいです。
猪木さんの名言の一つに「夢を持て!でかければでかいほどいい。とにかく、夢を持て!」という言葉があります。「巌流島」が世界的なブームになり、いつかパラオ共和国にある「イノキ・アイランド」で開催する。こんな夢はいかがでしょうか。
異種格闘技「巌流島」 ー名勝負セレクションー