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巌流島ウォッチャーから見れば、通常の巌流島のほうがはるかに面白い!

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文◎アニマルアキ(旗揚げ前から巌流島を見続ける巌流島ウォッチャー)

巌流島こそ、地上波向き

約3年ぶりの巌流島開催ということで、それだけで嬉しいです。とはいえ、不満点もなかった訳ではなく、ファンとして注文もある訳ですよ。

もう地上波の時代ではない。これからはネットや有料放送の時代だと言われてますが、巌流島ほど地上波向けのコンテンツはないと今でも思っています。

個性的で大きな選手がロープにも金網にも囲まれてない、開放的で見やすい闘技場において異種格闘技戦でド派手に闘う。

今年の大晦日、大苦戦した某局さん、どうですか一年掛けて深夜枠から育てませんか?

試合ですが、やっぱりロバトJrが凄い。これまでもジャカレイ、クロン、サトシ等の凄い柔術家は見てきましたが、あそこまで隙間を作らずに密着して、蜘蛛が獲物を絡み付けるが如く、全ての動きを見透かした様に極めてしまう。

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大河選手も日本柔術界の第一人者、中井先生にも習ってて寝技の防ぎ方も一通り知っているし、今回もある程度の自信を持って臨んでたのに、更にその上を行くんだから恐ろしい。

世界一のグラップラーの技術を堪能させてくれました。ありがとうございます。

ロバトにアッパレだ。

木村フィリップ選手も色々、言われてますが、やっぱり華と破壊力は凄い。

リトル・ハイバー・バトルサイボーグですよ。

1000年に一度のKO劇と言われたバンナvsフィリオを思わせる豪快な一撃、見てて思わず「オオオッ!!」と大きな声出ちゃった。矢地、おまえも男だよ(親指上げながら)。桜庭イズムを感じました。

オープニングマッチで負けた選手、喝だ!

巌流島には道着が必要!

あと不満な点は、演出のコンセプトがよく分からなかった。

過去の巌流島は鳥居があって太鼓橋があってレフェリーは神主で、ラウンドガールは巫女さんって分かりやすかった。

今回は入場ゲートは特に意味は感じず、ラウンドガールは何故かチャイナ服、レフェリーは普通。

もっと神話とか近未来とか江戸時代の御前試合とか何らかの統一した世界観でやって欲しかったです。入場口の左右に仁王像を配置するとか。

今回なら全面的にアントニオ猪木、燃える闘魂をイメージさせる世界観にするとか。猪木さんといえば、真っ赤に燃えるライジングサンのイメージなんですが。個人的には。

観客参加型の仕掛けも欲しい。

阪神なら7回に風船を飛ばすとか、Jリーグなら選手の名前やチーム名が描かれたタオルマフラーを挙げて振るとか。

猪木引退試合でやってたウェーブも楽しかったけど。せっかく会場まで行ったならテレビで見てるだけの人には出来ない体験をしたい訳です。今回なら闘魂タオルを使って、猪木さんに向けて皆で何かをしたかった。

特別ゲストに藤原さんが来てましたが、多数呼ばなくても藤原さん1人でも充分にインパクトはあったと思います。でも欲を言えば言えば海外からも1人、ゲストを呼んで欲しかった。

やっぱり異種格闘技戦の相手が良いんですが、残念な事に御存命の方がとても少ない。

という事でシュツットガルトの惨劇と言われた伝説の一戦、ヨーロッパ最強の男ローラン・ボックを呼んで欲しかった。生ボックを見れるだけでも、とても価値がある。

今大会は全員、裸で戦ってましたが巌流島ジャケットこそ、MMAを始めとした他の格闘技との大きな差別化になってるんだと実感しました。巌流島特別ルールってことで、見てて歯痒かったです。本来はもっと面白い筈なのに旗揚げ時に見られた、あっさりとした攻防、結果が多くて。

ジャケットがあればアンブリッツもあんなにあっさりと押し出されることもなかったでしょう。道着を掴めば良いんだから。

サムネ

シュレック選手は容易にグランドに移行出来た事でしょう。

シビサイ選手は打撃では不利と豪快に柔道仕込みの投げをジョシュに決めてたかもしれません。

あのジャケットこそ攻防の多様性を導く道具だったと解りました。

巌流島至高の試合とも言える菊野vs小見川も、胴衣あったからこそ独自の素晴らしい攻防が成立しました。

次の巌流島では是非ともジャケットを復活させて欲しい、デザインは変えても良いですが。

龍聖のパンタロンは良かったです。キックでもシュートボクシングでもMMAでもない独自性が有って。

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それとムゲンドーの欠場によって巌流島名物の謎の武術家枠がなかったのが、とても残念でした。個人的にはカンフートーアとか大好きなんです。

純巌流島ルールでカンフートーアvsメイソンやフィリップが見たいです。

でも代打の江畑選手はとても良かった。また巌流島で見たい。

勝ってももう見たくないわって選手も居ますけど、負けてもまた見たいと思わせる選手こそプロ。テコンドー日本一の経歴とあのタッパ、コンパスの広さはそれだけで価値があります。

飄々とした性格もプロ向き。次こそテコンドーの変幻自在の蹴りが見たい。

通常の巌流島では円形闘技場で巌流島ジャケットを着用の純巌流島ルール、偶に実験ルール。

猪木ボンバイエでは途中でリングに変更してプロレスあり、MIXルールあり、新日本プロレス、RIZINknockout等からの特別参戦あり、大物アスリートの転向デビュー有りが理想でした。

最後に猪木イズムに関しては人それぞれの解釈があると思いますが、私は怒りこそ猪木イズムであり、闘魂の根源だと思っています。何故、俺はこんなに頑張ってるのに世間に認められないんだ、何故、プロレスは世間からプロ野球やボクシング等の他のスポーツより下に見られているんだと。

そのコンプレックスから異種格闘技戦が生まれ、キング・オブ・スポーツという新日の標語も出来たのではないでしょうか。「プロレスはプロレスだよ」の馬場イズムとの違いです。

巌流島も選手たちは真摯に頑張り、運営もマッチメイク、演出、広報等頑張っていますが、キックやMMAより下にみられまがい物扱いされてるのが現状です。それに対して、何だ、この野郎!オマエラ必ず見返してやるからなの精神で、頑張って欲しいです。

何よりも無関心な世間に対して「絶対に振り向かせてやるぞ、バカヤロッ!!」の気概を持ってこそ、アントニオ猪木を尊敬し、IGFさんと協力して興行をする意味もあるのではないかと。

異種格闘技「巌流島」 ー名勝負セレクションー