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「おまえら、いったい何がやりたいんだ!?」。新興団体に対してファンが見るのはそこだけだ!

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今週のお題………………………「1・3 巌流島・世界武術団体対抗戦2017 の見所」

文◎谷川貞治(巌流島イベントプロデューサー)

文◎谷川貞治(巌流島イベントプロデューサー)

 

先週末から1.3『巌流島・世界武術団体対抗戦2017 in MAIHAMA 日本代表vs世界選抜』のチケットが一斉販売されましたが、当初の「1月3日のお正月なんて、本当にお客さんが集まるんだろうか?」という心配をよそに、おかげさまで出足は好調! 今回、チケット価格を正月特別料金にしたからか、前回の『全アジア武術選手権大会』の評判が非常にいいからか、はたまた年末に比べてお正月の方が意外と皆さんヒマなのか?  いい感じでスタートを切っています。

年末はフジのRIZINやTBSの魔裟斗vs五味隆典戦もあって、巌流島は三つ巴のように比較される傾向がありますが、正直、主催者としてはRIZINや魔裟斗vs五味戦とは比較対象にならない土俵に立っていると思っています。

というのも、大晦日格闘技の勝負は、視聴率しか見られないからです。これは大晦日格闘技を一番やってきた僕がいうんだから間違いない。だから僕は当時、絶対に視聴率でPRIDEに負けたくなかったし、曙を担ぎ出してまで、紅白越えに躍起になっていました。

ところが巌流島はCSなので、視聴率はほとんど関係ありません。だから、巌流島にはRIZINや魔裟斗vs五味戦に勝ったとか、負けたという物差しが明確にないのです。せいぜい皆さんの「巌流島の方が面白い!」という評価だけでしょう。

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その中で、巌流島が一番見せたいのは「おまえら、いったい何がやりたいんだ!?」というところです。

僕は何回も言っていますが、格闘技がもう一度ブレイクするには、全く新しいコンセプトが必要だと考えています。あの時代のK-1やPRIDEのようなことをやるのは不可能です。当事者の僕だって、自信が持てません。そんなことで復興するのも程遠い。全く新しいコンセプトとアプローチ、それが必要だと思っています。

ファンこそ、今は「おまえら、何がやりたいんだ!?」というところを一番注目しています。巌流島やRIZINだけでなく、新生パンクラスや新生K-1だってそう。新日本プロレスの木谷オーナーが手がける「Knock Out!」だって、そんな風にファンは見ているはずです。会場で見ているわけではないんですが、新生K-1は今、明確なビジョンが評価されているから盛り上がっているのでしょうね。

新しい団体が出てくると、必ず問われるのは「ビジョン」と「将来性」です。だから、今の巌流島はそこにこだわってやっています。

巌流島は「武術」「武道」というキーワードを出すことによって、グレイシー柔術が提示した理念とは違う「実戦論」「最強論」があるんだということを問題提起しています。

武術であれば、当然、異種格闘技戦にこだわる。それはグレイシーが提示した「何でも有り」の闘いが、MMAという競技になってしまった問題提起でもあります。

皆さん、MMAが最強とか、実戦的というけど、それは違うでしょ。また、今のMMAは競技として進化して面白みが薄れているでしょ。巌流島はそういうところからスタートしているのです。それに、正直プロレス全盛の「幻想の時代」から、K-1、PRIDEの「測定の時代」に移り、そのガチに対するこだわりも、もはや飽きている人が多いんじゃないかとさえ思っています。純競技路線も、モンスター路線も散々やり尽くしました。

では、その次の時代に来るのは何か? タトゥーをした凄いマッチョなモンスター同士が記者会見で乱闘し、試合中馬乗りになって、ヒジやパンチを撃ちまくる。そりゃあ、凄い迫力だし、エゲツない光景は刺激的だけど、そんなガチだけの世界を求められているとは思っていません。これからは、いかに子供たちに憧れの目で見られるか? そこにしか未来はないと思っています。かつてのプロレスやK-1のように、子供が憧れる格闘技。巌流島ではそういうものをめざし、自ら「武道エンターテイメント」と謳っているのです。

巌流島は武道の美しい勝ち方や礼節、そして漫画や格ゲーのような異種格闘技戦で、子供たちに憧れを持ってもらえるようなジャンルにしていくのが目標です。1.3に出場する菊野克紀、田村潔司、瀬戸信介、町田光、渡辺一久や小見川道大はそれを理解して、楽しめる選手です。外国人のカポエイラのレロや、喧嘩フットボールのミケーレもそうです。

今はそうやって「おまえら何がやりたいんだ!?」というコンセプトを明確に打ち出し、ファンに浸透させる。ファンの意識も変えたいし、呼び起こしたいのです。

「それで、何で1月3日にやるの?」という意見もあるかもしれませんが、本当の狙いは「大学選手権」の定着なのです。武道という限り、アマチュアにも力を当然入れていかなければなりません。大晦日を過ぎると、スポーツ界は「学生」が主役になっていきます。駅伝やサッカー、ラグビー、アメフト……、格闘技・武道でも学生が盛り上がるブランドを作り上げたいのです。

巌流島はまだまだ知名度がないので、今回の5対5マッチのようなプロの試合は必要です。しかし、将来的に「お正月といえば巌流島駅伝だよね」と思われるような大会にしていきたい。それこそが格闘技のイメージを変える大きな方法でしょう。だからこその、1月3日だったのです。

僕が大晦日に巌流島をやるとしたら、コンセプトをしっかり打ち出した上で、視聴率をとるマッチメイクを組むでしょう。しかし、本当は地上波でやるなら、お正月の箱根駅伝のあとに学生を対象とした「巌流島・駅伝」(団体戦)でやりたい! それで視聴率を取り出したら、格闘技のイメージはガラリと変わると思います。

1.3巌流島の大会チケット情報はコチラ⇒

『世界武術団体対抗戦 2017 in MAIHAMA 日本代表 vs 世界選抜』