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闘う行政書士にして空手家・鈴木信達インタビュー! 「カポエイラの蹴りをさばいてみたい!」

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闘う行政書士にして、元極真空手の鈴木信達は、総合格闘技の試合でも空手の闘いを貫く武道家だ。そんな鈴木信達の対戦相手はカポエイラのマーカス・レロ・アウレリオ。実戦空手vsカポエイラ、まさに空手バカ一代のロマンあふれるこの試合に鈴木選手は何を思うか!?

サムネ

菊野選手は伝統空手、僕のスタイルは「近代空手」!

————空手を始めたきっかけは?

鈴木 中学のときに喧嘩で負けたのがきっかけでした。なめてた相手にボコボコにされて(笑)。僕の世代だと実戦格闘技といえば極真空手だったので入門したんです。先日亡くなられた黒澤浩樹さんがいた城西支部に入って、空手にのめりこんでいきました。

————“闘う行政書士として知られる鈴木選手。新宿・歌舞伎町に事務所を構えて、お仕事されていますね?

鈴木 行政書士の試験に受かったら、まずは行政書士や弁護士の事務所に入って、タダ同然の条件で勉強するんですけど、僕の場合はそれじゃ食べていけないと思って、いきなり独立したんです。事務所が新宿にあったら、「新宿でやってるんだ。すごいね!」となるわけじゃないですか。向こうが勝手にストーリーを作ってくれるというか。それでもうハッタリで、新宿で勝負しようと(笑)。

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————新宿の中でも歌舞伎町を選択した理由は?

鈴木 歌舞伎町だとイメージの部分で、テナントが入りづらく、家賃が安いんですよ。まぁ、変わってる人達も多いですからね(笑)。

————クライアントはどういった方が多いんでしょうか?

鈴木 普通は建設業だけとか、不動産しか扱わないところが多いんですけど、うちは変わっていて、会社設立から医療法人、内容証明、契約関係と色々やっています。あとうちの場合は、格闘家の人達から相談されるケースも多くて、ジム設立や融資、弁護士関係の相談をさせてもらったりしていますね。

————そんな行政書士の鈴木選手が、巌流島に初参戦ということになりました。巌流島の印象というのは?

鈴木 巌流島は、今までやってきた格闘技は異質なものですね。ただ、結局は「やるかやられるか」「倒すか倒されるか」なので、本質的には変わらないと思います。

————空手家として巌流島で闘うという意識はありますか?

鈴木 僕は総合格闘技の試合でも、常に空手家として闘ってきました。巌流島では特に空手の特性を活かして闘えそうだなと思っています。巌流島と総合格闘技の最大の違いは「場外」があること。極真の試合も場合があったので、僕は後ろに下がらない闘いが体に染み付いているんです。そういう意味では原点である空手に近い闘いができると思っています。

————前に出る闘いになる?

鈴木 今回、対戦相手がカポエイラの選手(マーカス・レロ・アウレリオ)で、旋回的な動きで攻めてくるので、下がってしまうとより相手の旋回力を増すことになります。そうしないためには、直線的に前に詰める、横にまわるという空手の動きで対することになると思います。菊野克紀選手の空手の動きは、伝統派空手の動きになると思うんですけど、僕の場合は「近代空手」の動きで攻めるということですね。

————近代空手というと極真スタイルの闘い方になるということ?

鈴木 自分がこれまで培ってきた空手の技で闘うことになります。もちろん、僕なんかが極真を代表して出ていくわけではないんですけど。

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————カポエイラの怖さというのはどのあたりですか?

鈴木 あの蹴りの旋回スピードは、空手やキックボクシングにはないものですよね。特にトップスピードに至っては、僕がこれまで体感したとこのない速さだと思うんです。あれを被弾することを考えると、こっちも無事では済まないと覚悟しています。

————カポエイラの回転蹴りは、空手の後ろ回し蹴りとはまた違うものですか?

鈴木 違いますね。空手の蹴りは、基本的に体軸を崩さないで、軸を回して振り子のように蹴るんですけど、カポエイラは僕のイメージでは、軸を倒して蹴ってくる。それは僕が今までやってきたものとはまったく違うものなので、ちょっと想像がつかない次元のものではあります。

————カポエイラの具体的な対策はすでに立てていますか?

鈴木 まずは自分にとって2014年以来の試合になるので、体力をつけて、フルラウンド闘えるコンディションまで持っていて、それからですね。ONE FCのタイトルマッチで55ラウンドを闘い抜いたことがあるので、自信がないわけではないですが。

————まず体力面で追いこんで、それからカポエイラ対策をしていく?

鈴木 自分は武道家として常に鍛錬はしているんですけど、練習と試合では体力の使い方が違いますのでね。

————競技面のみではなく、ライフワークとして常に鍛錬している?

鈴木 そうですね。武道家として、常在戦場じゃないですけど、試合がなくても常に鍛錬しています。生活の一部になっていますね。菊野選手も小見川選手もそうだと思うんですけど、武道家にとっては常に鍛錬するのは当たり前のこと。それが武道家の強みともいえるでしょうね。

————付け焼刃的な対策はしたくない?

鈴木 あまり対戦相手の対策をし過ぎちゃうと、その時点で相手の土俵に乗る形になるので、自分は自分のやるべきことに重きを置いてやりたいです。カポエイラの蹴りをどうかわすかよりも、自分の右の突きをどう当てるかを考えていきたい。要は自分との闘いですね。

————まさに異種格闘技的というか、カポエイラを相手に空手がどれだけ通用するか試す?

鈴木 はい。異種格闘技において、空手の「サバキ」で闘ってみたいというのはありますね。来た蹴りを受け流す、相手の蹴り足を持ってさばいていく、いわゆるサバキで対峙したい。逆にいえば、その空手の闘い方しか僕は知らないので。空手に原点回帰するということですね。

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————あくまで空手で闘う?

鈴木 総合格闘技の試合でも、僕はあまり打撃を喰らうことがないんですね。それはつまり空手のサバキのおかげで、ディフェンスが強いんですよ。突きや前蹴りなど得意技は他にもありますが、実は僕が一番強いのはディフェンスなんです。

————カポエイラの蹴りもさばけそうですか?

鈴木 蹴りを受け流して、さばきたいですね。カポエイラの勢いのある蹴りを正面からまともにブロックしたら、受け止めた腕が壊れちゃうと思うので、止めるのではなく、あくまで受け流す。剛と剛でぶつかるのではなく、受けながら流していく。かといって中国武術的な攻撃をかわすということでもなくて、いったん受けてから流してくのが近代空手の技術だと思うので、その闘い方をする。

————同じ立ち技系の中でも、空手独自の技術で勝負すると。

鈴木 例えばキックボクシングだと一回一回ブロックしますけど、空手はさばいて相手の体勢を崩すことで、次の攻撃を止めてしまう。カポエイラなんかはまさに勢いがついたら止まらなくなるので、崩して攻めを止めることですよね。

————カポエイラの猛烈な勢いを止められるかどうかが勝負のポイントになりますね。

鈴木 生半可な気持ちでいったら絶対にやられてしまうので、覚悟を持って立ち向かいます。恐怖心もありますが、ワクワクしている部分もある。空手家らしい闘いをしますので、楽しみにしていてください。押忍!

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