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菊野克紀がテコンドー全日本大会で準優勝! 東京オリンピックへの道は続く!

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サムネ

絶対王者に敗退。されど掴んだ確かな手応え

東京オリンピックを目指す菊野克紀が、1月21日 (日)に「第11回 全日本テコンドー選手権大会(-80kg級)」に出場。準々決勝、準決勝と突破し、決勝戦に進出したが、同階級の絶対王者として君臨する江畑秀範にポイントで敗退した。

準々決勝、菊野は圧力をかけて、場外や転倒の減点を誘い勝利。準決勝は接戦となったが13-12で突破した。

決勝で対戦した江畑秀範は、197センチの身長を誇る超大型テコンドー戦士。2016年、2017年と全日本大会を連覇中の-80kg級絶対王者だ。

前方に立つ江畑と菊野の身長差は実に30センチ近く

前方に立つ江畑と菊野の身長差は実に30センチ近く


197センチの江畑に対して、菊野は身長170センチ。リーチ、テコンドーの経験ともにゆうに上回る王者に、菊野が挑む。

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二人の間合いが離れると、江畑は得意のリーチを活かした蹴りでポイントを獲得。一方、菊野がボディへの突き狙いで近づくと、江畑は脇を差すように体を密着させて菊野の動きを止める。掴みは反則となるテコンドーだが、ルールを熟知した江畑ならではの巧妙なテクニックだ。

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江畑からすると、テコンドー界を背負うエースとして、外敵・菊野の進撃をストップさせる使命がある。何としても牙城を守ろうと、江畑もまた必死だ。1ラウンドは15-2と江畑リードで終了した。

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2ラウンド、菊野は執拗に脇をさしてくる江畑を崩すように投げる。巌流島では攻勢となる場面だが、テコンドーでは反則。菊野の減点となる。

続いて、菊野の突きが首筋の近くに当たってしまい、江畑は倒れこんでダメージをアピール。これもテコンドーでは反則となり、菊野の減点となる。これが競技に特化されたルールの怖さ。2ラウンド終了時点で40-2と、菊野はポイントで大きく引き離される。

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最終ラウンド、菊野はあきらめずに前進を続け、ボディに突きを叩きこんでいく。菊野の突きはほとんどポイントにカウントされないものの、徐々に効き始めたのか、江畑はいやがる表情を浮かべる。菊野の突きの連打はやまず、江畑の動きが鈍るも、捕らえきれずにラウンドは終了。

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的確に蹴りをヒットし続けた江畑が、66-3とポイント大差で勝利。テコンドー初挑戦にして快進撃を続けてきた菊野だが、全日本大会決勝で敗れ、準優勝となった。

結果的には、菊野が大差のポイントで敗退。しかし、第3ラウンドの菊野の攻勢には、ポイント差には反映されない大きな手応えがあった。

菊野を全日本準優勝にまで導いた師匠・山城美智氏(沖拳会)は、「菊野がテコンドーのエキスパートにポイントで勝てないのは元より承知。こちらの狙いは、突きを効かせて心を折ること。絶対王者といわれる江畑選手にあそこまで効かせた。あともう少し時間があれば倒せる、というくらい追いこめていた。これは次に繋がる大きな収穫。今日の時点では最高の結果。今日の菊野に出すダメ出しはない」と、明るい表情で語った。

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菊野自身は「ここまで完封されるとは思わなかった。完敗です」と悔しさを隠さなかった。しかし、今も日々成長していると語る菊野は、またさらに強くなって帰ってくるだろう。次は年内に開催される選抜大会に照準を合わせ、東京オリンピック挑戦の道を進んで行く。

菊野・山城の師弟コンビが目指すのは、あくまで自分たち流の効かせて倒すテコンドー。漫画の世界を現実に。ルール制限とプロテクターの壁は厚いが、一撃必殺の突きで“常識をぶっ壊す”闘いを見せてほしい。

 

▼ 菊野克紀vs江畑秀範/試合動画(3ラウンド)