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【試合レポート】バーチャルサバイバル2。日本人の世界への「挑戦」。照強、ミノル、村田、三上が勝利!

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サムネ

巌流島のバーチャル大会第2弾「バーチャルサバイバル2」。元大相撲・前頭、期待の日本人大器、元UFC、現役K-1トップ選手らが参戦し、バーチャル空間で異次元ファイトが展開された。

1st Battle 「覚醒間近のヘビー級ファイター vs ルーマニアの剛腕グリズリー」 

三上ヘンリー大智 vs クラウディオ・グリズリー・イストラテ

キックボクシングルール/3分×3R/無差別級

三上は、巌流島が以前からひそかに参戦オファーを続けていた日本期待の重量級ファイター。今回、満を持しての巌流島デビューとなる。対するイストラテは、K-1の無差別級トーナメント1回戦で、マハムード・サッタリをKOして勝ち上がり準優勝した強豪中の強豪だ。

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三上はMMAを主戦場とするが、この試合は相手のフィールドであるキックボクシングルール。さらには通常はミドル級(84kg)で闘う三上が、100kg超のヘビー級に合わせる無差別級マッチ。この試練を乗り越えて覚醒なるか。

1R、サウスポーにかまえた三上は左ミドルキック、左の前蹴りで先制。さらにオーソドックスにスイッチしての右ローキックと続けて、距離をつかみにいく。様子を見ていたイストラテも負けじと左右のフックを振り回して反撃。まともに当たれば一発でKOできるパンチだ。しかし、打っては離れての三上は、相手のクリーンヒットを許さない。

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2R、三上は距離を置いてのローキック、ミドルキック、前蹴り。近づいたらクリンチを有効に使って、イストラテの動きを封じる。イストラテはK-1のマハムード・サッタリをもKOした右のフックを放つも、距離がありすぎて大きく空振る。焦りが見え始めたイストラテ。三上はあくまで冷静に淡々とジャブ、ローでイストラテをいなす。

最終第3ラウンド。三上は右ボディストレート、左ミドルキック、左右のフック、左ストレートと攻勢に出る。劣勢のイストラテは右ミドルキックで反撃に出ようとするが、三上はすぐに左ストレートを返す。続くイストラテの右ストレートをバックステップでかわした三上は、右フックからの左ストレート。イストラテはガードして致命的なダメージは避けているが、防戦を強いられる。

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三上はスピード、スタミナ、距離を有効に使い、試合の主導権を握り続け、判定3-0で勝利。無差別級における巨漢退治の理想型といえる闘い方で、K-1トップファイターに勝利した。

普段も試合でも平常心を崩さないのが三上の特徴だ。感情に大きな起伏がなく、まさに“無心”といった様で闘いにのぞんでいる。今回も大物食いを果たしたというのに、ガッツポーズ等で感情を爆発させることもなく、淡々と試合を終えて闘技場を後にした。これは剣道をバックボーンに持つという三上の武道修練の賜物だろうか。

いずれにせよ、この結果をうけ、一躍、格闘技界の注目の存在になるであろう三上。さらなる覚醒に向け、この男から目が離せない。

2nd Battle 「女版・桜庭和志をめざすUFCファイター vs 韓国のツヨカワ・パワータックラー」 

村田夏南子 vs ジョン・ヒョンソン

QUINTETルール/8分一本勝負/57kg契約

格闘技界のレジェンド桜庭和志が主宰するグラップリングイベント「QUINTET」からの提供試合となるこの一戦。バーチャル空間でのグラップリングマッチは、今回が世界初の試みになるだろう。

村田はRIZINからUFC参戦を経て、今回が記念すべき日本復帰戦。対する韓国のヒョンソンは、MMAなどプロ格闘技の経歴はないものの、韓国国内のレスリングや柔術の大会で結果を残してきた。

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ヒョンソンはMMAの強豪である村田に対して、まったくひるむ様子はなく、自ら積極的に組みにいく。村田は相手の出方をうかがいつつ、すきをついてヒョンソンを一本背負いで投げてテイクダウン。上のポジションを取るが、ヒョンソンはハーフガードから体勢を戻すとすぐに立ち上がる。

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“パワータックラー”の異名を持つヒョンソンは再三、高速の片足タックルを繰り出すも、村田がテイクダウンを許さない。村田がファイヤーマンズキャリーで投げて再度、上のポジションを取るが、ヒョンソンはまたもすばやく立ち上がり、村田の攻勢を押し戻す。しかし防戦を強いられるヒョンソンの姿勢が消極的とみなされ、レフェリーからヒョンソンに“指導”が与えられた。

終盤、ヒョンソンは前に出続けるが、投げやテイクダウンなど有効な攻撃へとつなげられない。巻き投げを試みるも崩れたヒョンソン。村田がグラウンドでバックを取るが、ヒョンソンは体を反転すると村田の足を取り、レッグロックへ。村田が落ちついて対処し、レッグロックを回避したところで試合時間は残り1分。

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村田がサイドポジションからヒョンソンの首を極めにかかるが、ヒョンソンが首を抜いてかわしたところで、試合終了のブザーが鳴った。相手に指導を与えていた村田がこのグラップリングマッチを制した。

サブミッションによる一本勝ちで自身の復帰戦を飾ることはできなかった村田。一方で、見方を変えれば、ノンプロで無名のヒョンソンが元UFC選手と拮抗した勝負を展開するところに、「グラップリング」というジャンルの面白さと可能性があるように思えた。

3rd Battle 「疑惑のKOアーティスト vs 最強の戦闘部族マオリのボクサー」 

木村”フィリップ”ミノル vs デイン・エッジ

ボクシングルール/3分×3R/74kg契約

木村ミノルは、今年の4月に行われた第1回バーチャル大会で、セネガル相撲のヘビー級ファイターをワンパンでKO。その破壊的パンチの次のターゲットは、戦闘部族マオリのボクサーだ。今後、マニー・パッキャオやライアン・ガルシアとのボクシングマッチを希望しているという木村にとっては、大事な一戦となる。

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木村が左右のフックを放つと大きな音が鳴り響き、いつものごとく一発で相手を吹っ飛ばす威力を見せつける。上に意識を向けてから、木村は左ボディを放つ。これまた一撃で相手をマットに這わせる衝撃を感じさせるが、エッジの意地か、あるいはやはりマオリ特有の肉体の強さゆえか、エッジは顔色ひとつ変えない。エッジが左ジャブで前に出たところへ、木村が右のカウンターをクロスで合わせると、エッジは体勢を崩してグローブをマットにつけるが、これはスリップ。

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2R、ジャブの打ち合いから木村が左フックを放つが大きく空振る。KOしよう、という思いが気負いになっているか。エッジはかたいガードで木村の左右のフックを防ぎ、中に入るがそこからの攻撃が出ずクリンチ。木村はそれならばと左ボデイフックで打開を図るも、エッジはこれもヒジでガードする。

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闘いは最終3ラウンドへもつれこむ。鉄壁のガードを崩さないエッジに対して、木村はノーガードで顔を前に出して誘い、相手の隙をつこうとする。しかし、エッジは挑発に乗ることなく、ペースを崩さない。お互いに距離を探りながら、ジャブやフックを交わし合う高度なボクシングが展開されたが、決定打は出ず。終始攻勢だった木村が判定3-0で勝利した。

連続KO勝利とはいかなかった木村だが、そのぶん今回はフルラウンドじっくりとボクシングを展開するスタイルを見せた。目指すは“人間最強”だと語る木村の次なるターゲットとは? 今後もこの男の動向から目が離せない。

4th Battle 「リアル・サンクチュアリ vs 足筋世界一のコリアン・マッスル」 

照強 vs ウィ・ソンオ

巌流島ルール/3分×3R/無差別級

今大会の目玉といえる元大相撲・前頭3枚目、照強の電撃参戦。なんとこの6月に断髪式を行ったばかりのほぼ現役・力士だ。日本が誇る国技・相撲出身の照強は、巌流島の異種格闘技の舞台で、その強さを見せつけることができるか。

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韓国のウィ・ソンオはNetflixの人気サバイバル番組「フィジカル100」で活躍する異色のファイター。太ももの筋肉が異様に発達したコリアン・マッスルパワーが、日本の力士に襲いかかる。

ゴングが鳴ると、照強はまず右ローキック。この初陣のために積んできた格闘技トレーニングの成果を見せる。しかし、ソンオはこれに素早く反応し、右フックのカウンターを顔面にヒットさせる。続いてジャブで丁寧に攻めようとするソンオ。照強はこれに付き合わず、大ぶりの右フックで強引に前へ。するとソンオが呼応し、ともに足を止めてフックの打ち合い。ヘビー級の重いパンチが顔面にヒットするもお互い意地でゆずらない。

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照強はここで相撲時代のくせなのか、あえての挑発なのか、ノーガードでソンオのパンチを受け続ける。いくどもソンオの左右の強烈なパンチを食らうが、こらえた照強はそのまま前に出ると、相手の脇をさして押し倒し。相撲ならここで勝ち名乗りの場面だが、照強は4点状態になったソンオに覆いかぶさり左のパンチで追撃する。なんとか立ち上がったソンオを、照強は小手投げで押し出すも、これは同体の判定。

照強は右ローキックからのもろざしという、力士ならではのコンビネーションでソンオを場外に押し出し、ひとつめの“転落”を獲得。反撃に出たソンオは右フック2発で照強の体勢を崩すと、マッスルパワーで強引に押して、こちらも転落ポイントを取り返す。

1ラウンド残り30秒となったところで、勝負に出たソンオは左右のフックを振り回す。照強はまたも相撲流のノーガードでパンチを受けながら、右フック、右アッパーでやり返す。照強が押し出すも同体となったところで第1ラウンドが終了した。

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2ラウンド、照強は脇をさして前に出るとソンオを押し出して転落ポイントを獲得。照強が続けて押し出しで前に出ると、ソンオが倒れてガードポジションの状態に。上になった照強が左右のパウンドを顔面に放つも場外に出て中断。

再開後も照強は押し相撲で前に出て、テイクダウンを奪うと、四つんばいのソンオに上から左右のパンチを連打。動けず無抵抗状態になったソンオを見たレフェリーが試合を止め、照強がデビュー戦をTKO勝利で飾った。

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見事に快勝のデビューを果たした照強だが、自身の闘いっぷりに納得がいかなかったのか、試合後すぐに控え室に戻ると、そのまま怒りのミット打ちで気合いを入れ直していた。この闘志が、初戦を終えた力士をさらなる進化へと向かわせることだろう。次戦を楽しみに待ちたい。

試合レポート◎柴田和則

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