GANRYUJIMA BLOG巌流島ブログ

『やった側』からの率直な感想! 巌流島の課題が見えてきた!

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お題………賛否両論! 全日本武術選手権。刃牙の世界は実現できるか?

文◎左禅丸(日本拳法)

文◎左禅丸(日本拳法)……1回戦敗退(vs奥田啓介)

 

■前置き
9/17の巌流島・全日本武術選手権について、色々議論が展開されております。
競技した武術者(私は武術家でも武術屋でもないのでこう書きます)として、「やった側(というかやられた側)」から色々考察していきます。
ちょっと長文です。

■結論から
1)奥田選手は作戦勝ちで、決勝までやりきった事が優勝につながった。
2)押し出しタックルについて:それを私を含めて決勝までの4人が止めなきゃいけない興行だった。
3)服装について:今回問題超ありだった(承知の上でしたが)
4)ルールについて:5分一本勝負はあり。転落は2回で2ポイント止まり。有効は無効。
5)武術者として、このままじゃ終われません(TT)

サムネ

1. 奥田選手は作戦勝ちで、勝負に徹した事が優勝につながった。
・私の試合の言い訳になりますが・・・
・試合前、奥田選手の動画はラウェイやMMA、ハードヒットで確認していました。大き目のパンチや蹴りで突進しながら組み付くスタイルで、投げや崩しはグレコローマンでした。9/15のSBは結果だけしか情報がなかったです。ここ見ていたらなあ、と反省しています。
・試合前日9/16の記者会見と9/17の入場時、奥田選手は執拗に絡んできました。「プロだなあ」と思ってましたが、ここで間違えて「(最後組み付くとしても)殴りかかってくるのでは」と思ってしまいました。
・私、45歳にして闘争心漲ってまして、とっかかりの殴りがくる前後に突きを入れてやろうと固執してしまいました。奥田選手は、最後の転落タックルの際、殴りかかるフェイントを入れていましたが、思い切り引っかかりました。完全な作戦負けです。
・他3試合も徹底して押し出しタックルを行い、やりきった事が優勝につながったと考えます。やりきるのは覚悟がないとなかなかできないのです。
・裏話ですが、自分の試合後、奥田選手に挨拶して「あの作戦でやればいけると思いますよ」なんて言いました。。。元々そのつもりだったかもしれませんが、背中を少し押してしまったかもしれません(笑)。

2. 押し出しタックルについて:それを私を含めて決勝までの4人が止めなきゃいけない興行だった。
・今回、レスリングとMMAの選手が4名(各ブロック2名)いる以上、タックル対策をしていない選手はいなかったはずです。私もやっていました。ただ、少なくとも私はテイクダウンのためのタックルへの対策でした。自分がやられるイメージとしてテイクダウン⇒上からのパウンドを想定していたからです。
・最初から押し出すつもりのタックルとテイクダウンのためのタックルとは、重心が、姿勢が、ベクトルが違う。また、相撲のぶちかまし、寄りとも違う。これは良い勉強になりました。勤めている会社がアメフト部を立ち上げるのを担当しているので、そのうち練習に参加しないとですね(笑)。
・左禅丸から渡部選手、原選手、西浦選手まで、誰かが奥田選手を止めていたら、こういう議論は起こらなかったかもしれません。これは私含め対応できなかった選手が悪い。
・こういうのは「たられば」が脳内をぐるぐる回って、試合直後からじわじわ悔しさが溜まっていくところですね。

3. 服装について:今回問題超ありだった(承知の上でしたが)
・自分でやられた後、人の試合を観て気がつきました。上半身裸体、下半身ショートスパッツだと、掴まれるリスクが低いので、より転落を狙いやすいんですね。
・また、こちらは練習中の話ですが、相手に奥襟を掴まれれば、相手にコントロールされてしまう。タックルやパスガードもズボンを掴まれることにより、脱出が難しくなります。
・勿論、夢ある企画に乗る形で、不利を承知で道着を着ました。アキラ選手、中澤選手も雰囲気を大事にしてくれました。MMA、レスリング系、ムエタイは仕方ない。全員そうなら良いのですが、インド王族武術はコンバットショーツ?とか、空道はホントは袖あるよね?とか、せめて相撲パンツだったよね?とか、その「縛り」が徹底されていなかったのはとてもとても残念でした。少なくとも鈴木選手の投げと岩崎選手の粘りに影響が出ていましたね。
・個人的に、巌流島道着はバランスが秀逸で、あれが絶妙なフェアさを演出していると考えています。次は入場時はコスチューム、試合は巌流島道着で!

4. ルールについて:5分一本勝負はあり。転落は2回で2ポイント止まり。有効は無効。
・今回の押し出し傾向。そういえば、5月に行った稽古会&トライアウトでもその傾向がありました。気持ちが勝ちに寄ってしまい、一時押し出し合戦みたいになりましたよね。まあ、この時打撃がマススパーなだけに余計にそうなってしまいましたが。
・やられて思ったのが、5分3回転落(6回有効)で勝ちはとてもやりやすいです。・・・やられましたが(笑)。元々3分でラウンド開始時にリセットされるくらいの頻度で絶妙だったので、3回転落一本継続なら3分なんだと思います。
・押し出しという要素は巌流島ならではですし、残しておくべきでしょう。でも一本にしてはいけない。サンボみたいに2ポイント×2回までとするのはどうでしょうか。得点制限があれば押し一辺倒の展開にはならなかったですし。
・5分一本勝負という試みはアリだと思います。集中した真剣勝負と言う感じがするし、インターバルが武術に合わないし、一旦退場する様は、やる側も観る側も気持ちが中断する気がします。
・また、有効はなしにしませんか? 島の外側が崖だと想定すると、一緒に落ちたらどっちが主体的に落としても痛み分けだと思いますので。単純に有効をなくしただけでも今回の押し出し要素は減っていくと思います。
・是非ご一考ください。

5. 武術者として、このままじゃ終われません(TT)!
・長々と書いてしまいましたが、ようは「16選手中、一番見せ所なく終わった選手の遠吠え」です(涙)
・不甲斐ない結果で恐縮ばかりですが、モヤモヤがありすぎて、このままでは終われません。
・打撃をもらっていないので元気に仕事していたわけですが、逆にそれがじわじわと悔しさになっていっています。
・是非また出場させてください。よろしくお願いしますッッ!

 

9.17巌流島のレポートはコチラ⇒『全日本武術選手権 in MAIHAMA』