巌流島が漫才界に送り込む秘密兵器「ハトポッポ」? ターザン山本、初戦突破を激白!!
9月23日(金)のブロマガ………「祝! 巌流島コンビ・ハトポッポ、M-1一回戦突破!」
吉本芸人タケトさんとの漫才コンビ「ハトポッポ」は『巌流島』が縁となって生まれた。そこでの出会いがなかったら『M-1』に挑戦することもなかった。つまりは私が彼のことを気に入ったのだ。もうそれに尽きる。相性の良さを直感した。だから『M-1』の話は私の方から持ち出した。すると彼は二つ返事でOK。こっちも深く考えていない。
全ては例によって気まぐれだよ。無責任。いい加減。あとはなるようになるさ。コンビ名のハトポッポは私が提案。単なる思い付き。バカバカしくていい。やっぱりな。多くの友達からダメだしされた。笑われた。もうボロカス。けちょんけちょん。なんてアナログ。古臭いにもほどがある? 言われる通りだ。それで落ち込んだりするような俺じゃない。
さて、コンビ結成に向けて最初の打ち合わせだ。何? ネタを持って来いだと? タケトさん、柴田君(巌流島事務局)、それに放送作家の友人。新宿にある吉本興業の本社に集合。ちゃんとネタを考えそれを原稿用紙に書いた。さらにコンビニに行って3人ぶんのコピーを取って彼らに渡した。準備万端。何? 字が読めない? 仕方がない。私がネタを声を出して読み上げた。持ち時間は2分なんだ。
放送作家が言った。「2分では収まりきらない。ネタが三つもある。今回はその中の一つに絞ろう」。さすが本職、プロは違うね。あっという間に完成。放送作家の指摘、注文、アイデアはバッチし。感心した。強力な助っ人が出現。ネタの仕上げは彼がしたようなもの。ネタ自体を評価してくれたのだ。私は完全に自信を持ったね。その気になったね。もはや勝ったような気分になった。どうだ、見たかの世界だ。
タケトさんと柴田君がどう思っていたのかは知る由もない。俺って調子に乗りやすい人間だから。半分、ルンルン気分。その場を解散したあと柴田君とカフェでお茶したもんね。俺が珈琲代、払った。1時間以上、雑談。無知というのは恐ろしい。怖いもの知らずだ。漫才がどういうものか俺は全く何も感知していないのだ。知ろうともしない。だって俺、会う人ごとに『M-1』に出ることを宣言。自慢たらたら。もう1回、リハーサルのため吉本興業に行った。やったのはたったそれだけ。それもわずか1時間。ムチャだよ。ほか何も教えられていない。優勝賞金が1千万ということも知らなかった。え? そんなに出るの? どうせ無理だからそれも人ごとさ。からかい半分。冷やかしだもん。いや、ホントそうだよ。真面目に考えたら自滅するだけ。
まあ、70歳で『M-1』に挑戦するのは俺ぐらいだろう。だって参加費はひとりたった千円なんだよ。それは助かった。1万ぐらい取られると覚悟していたもん。なんだって? ほかの連中は『M-1』に命、賭けている? いろんな事実が後から続々出てきた。
そしていざ、当日の本番。大広間の控え室。ビルの地下だった。新宿3丁目からしばらく歩いた。待つこと1時間。軽いリハーサルをやった。出番前、カメラ取材を受けた。舞台裏で待機。前の人のコンビの演技を聞いた。3組かな。こりゃ、大変だ。初めて事の重大さを認識。一瞬、自信喪失。何も考えないで一気にやる気るしかないな。腹をくくった。飛び出した。真っ白。漫才なのに客席を全然、見ていない。タケトさんと向き合ったまま。
しかも彼はリハーサルでやってきたことを本番ではぶち壊した。ある友人から前の日の夜だった。電話で相手はプロだからその手をやらかすかも知れない。だから注意しろといわれた。まさか? その人の予感的中。プロレスの試合で予定調和を破壊するのはアントニオ猪木の得意中の得意。それをタケトにやられてしまうとは。日頃、猪木イズムに心酔している俺としたことがなんというマヌケ。やはり俺はド素人だったということさ。恥じたよ。敗北感。自己嫌悪。と同時にタケトさんのことを尊敬した。
客席には俺の友人が5、6人来ていた。出演後、近くのベローチェで彼らと反省会。落ちたか? それとも? 発表は1時間後、会場でやる。俺は行かなかった。ここで待機。すべったらカッコ悪いもん。
そばにいた友人に合格というメール。やったあ。これで面目がたったよ。ヒヤヒヤもの。ドキドキもの。予選通過は勝ったも同然だあ。まさしく天国と地獄の差。まだ俺には運があるな。そのあと友人たち5人と祝勝会。二次会? 四次会までやった。最後はゴールデン街になだれ込んだよ。23時をまわったところでやっと解散。
TwitterとFacebookで『M-1』予選通過を報告。反応? 大きいよ。みんなまさかと思っていたみたい。ホッとした。落ちていたら最悪だもん。いい笑いもの。MVPは断然、タケトさん。異論なし。文句無し。ありがとうの気持ちだよ。2回戦? こうなったら勝つしかない。そのつもりだ。押忍!