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「巌流島トライアウト」の帰還者たち! 高校生たいがー君が味わった刃牙の世界

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お題………巌流島トライアウト参戦の感想

 

文◎西村虎次郎(伝統空手)

文◎西村虎次郎(伝統空手)

 

初めまして。巌流島トライアウトに参加させていただいた西村虎次郎と申します。Twitterでは「たいがー」という名前で、巌流島についてガヤガヤうるさくツイートしてます。

まずは僕が巌流島を知り、なおかつ巌流島トライアウトに参戦することになった経緯をちょっとだけ。

僕が巌流島を知ったのは、高校の空手道部に入る直前、高1の冬。友達に人数が足りないから空手道部に入ってくれと懇願され、武道というものに少し心が傾いていた時でした。

円形の闘技場で、落ちたら負け。下にはスモークが焚かれ、まるでそこは雲に浮かぶ島のよう。
「うわっ、スマブラみたい」
カポエイラの蹴りに力士が沈む光景が、まだ子供な僕の心をくすぐりました。

そんな巌流島にどっぷりハマったのは、年度が変わって空手道部に新一年生が入って来たときのこと。とんでもなく強い後輩に、何とか先輩面しようと必死で、YouTubeで空手のみならず色んな武術の動画を漁っていると、一つ明らかな本物がありました。

あるテレビの企画で、伝統派空手のトップ選手に指導をする山城先生の姿を見たのです。空手界最速と言われていたトップ選手の突きが、山城先生の指導で輪をかけて早くなっていました。何とか後輩に友達に追い付こうと必死だった僕からすれば、画面越しに見る沖縄拳法空手の技術は、まるで魔法のようだったのです。

そして沖縄拳法空手の動画を探すと、必ず出てくるのが、現代の格闘技にその技術を持ち込み活躍している、菊野克紀選手でした。人一倍強さとかっこよさに憧れる高2の僕が、興味を持たないはずかなかった。

しかもその菊野選手、ちょっと前に見ていた巌流島に出場。そしてムエタイチャンプを秒殺し、柔道を下して全アジア武術のトップに立った。はい、そこからはもう、加速度的にドハマりしていきました笑

巌流島にハマった僕は、Twitter上でああでもないこうでもないと巌流島について意見したり、「勇気の授業」にボランティアとして参加したり、巌流島の大会を見に行ったりと、巌流島漬けの毎日を送ってました。

Twitter上でトライアウトの出場選手を募集するということを知った時、僕は「駄目だ、まだ早い」という気持ちで、参加する気はほとんどありませんでした。自分で無理だと決めつけていました。

そんなような弱気な気持ちをTwitterで吐露すると、あるフォロワーさんからこうリプが来ました。
「若いんだから負けることを考えるな! 勇気の授業組は『一歩前に』だ!」
僕は勇気の授業で何を学んだのか、忘れてしまっていたのでしょうか。そうです。勇気とは、一歩踏み出すこと。なりたい自分になること。もし自信がなくても、あるふりをしてでも、自分を奮い立たせること。

僕はその言葉を見た瞬間、勇気を振り絞り、巌流島へメールを送りました。

巌流島トライアウト当日、人生三回目のカルペディエム三田。一回目は菊野選手の沖縄拳法空手の講習会で、二回目は「勇気の授業」。僕にとっては、アンフィシアターに次ぐ、巌流島の二つ目の聖地みたいな感じです。

会場の前には、ももちさんがいました。あ、大きい方です。背が高くて筋肉質なのに、ワンピースを着てツインテール。俗世とはしばらく離れた方なのだろう、と勝手に思ってしまいましたが、話してみると、とても気さくで優しく、面白い人だと分かりました。

色んな格好の参加者達が会場前に集まって、いささか刃牙かケンガンアシュラの世界に入り込んでしまったのかと思っていると、雷鳴が次々と響き渡りました。何か大きな事が始まりそうな予感、まさに漫画のようです。

会場に入ると、さらにフィクションのような光景でした。互いが互いを値踏みするかのような鋭い眼光が飛び交い(※僕個人の感想です)、もうすでに戦いは始まっているのだと(勝手に)教えられました。

選手一同が集められ、谷川貞治さんから緊張の対戦カード発表、そして自己紹介。実はうろ覚えの鉄騎初段を、それっぽく披露してなんとか乗り越えたものの、まさかまさかの謎のインド王族武術、マハーラージャカルーリカ&ヨーガの使い手と2連戦だと知らされ、これほど言い知れぬ恐怖を感じたのは初めてでした。

ルール説明が終わったあと、僕はすぐに更衣室でマハーラージャカルーリカ&ヨーガについて調べました。しかし、さすが“謎”のインド王族武術だけに、出てくる情報はそれほど多くない。唯一出てくるキーワードは「いやはや、鳥人だ。」

意味がわからない。多分これも間違った情報だろう。

そこで僕は相手の事を考えるのを止めました。試合まで時間もなく、いくら調べても謎は謎のままです。
原選手に言われたことを思い出しました。
「自分がやってきたことを信じてがんばれ」
そう、相手に合わせて戦っても、勝てるわけがない。
方針は決まった。空手で勝つ。空手のままで勝つ!

ほとんどトライアウト用の練習をしてこなかったにも関わらず、僕には謎の自信がありました。様々な理由がありますが、一番大きいのは中級者ルールが伝統派空手の僕にとって、明らかに有利なものだったからです。

一試合目、対蹴躍DATE選手。
中級者、顔面寸止めルール。キックを警戒しつつ、遠間からの追い突きや刻み突きでポイントを重ね、優勢のまま判定勝ち。途中のサイドキックは痛かったけど、何とか空手で勝つことができました。

 

0828

 

二試合目、対孫悟空DATE。
冷静に考えて、孫悟空に勝てるわけがない。しかしもっと冷静に考えると、彼は孫悟空ではなくドラゴンボールDATEである。勝てない相手じゃない。
僕は一試合目と同じく、遠間からの攻撃に徹し、1ポイントを奪取。しかし、さすがTeam DATE、同じ戦法は対策をとられ通じませんでした。最後は空手にはないフックでポイントをとられ、引き分けに終わりました。

空手にはない技で足を掬われる、まさに異種格闘技戦ですね。空手では有効打になりえないフックは、全く警戒していませんでした。反省です。

試合終わり、谷川さん、山城先生含め、色々な人に「良かったよ」と言ってもらえて、こんなに嬉しかったことはないと思いました。なりたい自分に、一歩踏み出せた気がします。

その後Twitterで、谷川さんとの写真を上げたら本人から「君がたいがー君なのね」と言われました。

チョイチョイチョーイ!!
いや、確かに自己紹介してなかったけど!! てっきり知っていてくれてるものと思ってました……。

その後続けて、「巌流島の未来を託す」と有難い言葉を頂きました。冗談だったとしても、とても重く、とても嬉しい言葉です。
本気で巌流島の未来を託しても良いと思ってもらえるように、これからもワクワクドキドキしながら、一歩ずつ進んでいこうと思います。

もしいつか巌流島本戦に「ムサシ」とかいう奴が出てきたら、「コジロウ」として仇討ちしてやろう。

稚拙な文ですいません。読んでくれて、ありがとうございました。

 

[谷川プロデューサーより]
たいがー君、ありがとう。いつもツイッターのつぶやきを見ていると凄くセンスがいいなぁと思っていたら、まだ高校生と知って驚き、しかも最近のファンと知ってさらにそのセンスの良さにビックリしていました。今回のトライアウトに出ているとも知らず、高校生なのに勇気あるな、伝統空手っていうのがいいな、えっ? これがたいがー君なの、へなちょこの感じがしたけど強いじゃないと菊野選手とも話していました。試合は本当に良かったよ。文章もうまい。編集者時代ならスカウトしていました。

巌流島トライアウトに出場の皆さん。今後、試合のオファーもしますが、ぜひトライアウトに参戦した感想を事務局までお寄せください。fighter@ganryujima.jp まで。「ブロマガ–巌流島トライアウト参戦の感想」係までお寄せください。お待ちしているニャン!

 

9・2巌流島の大会情報はコチラ⇒
『巌流島 ADAUCHI 2017 in MAIHAMA』