「みんな蹴ったり、殴ったり、余計なことするからダメなんだ」と試合後言われてショック。でも、でもGO!GO!GO!
お題………賛否両論! 全日本武術選手権。刃牙の世界は実現できるか?
ナマステ~!
対戦してくださった蓮見選手ありがとうございました。
そして谷川プロデューサーはじめ柴田さん、スタッフの皆様、心より御礼申し上げます。
世界最強チンドン屋軍団のTeam DATE 武術拾壱兄弟で七男の魔破DATEです。
「賛否両論!全日本武術選手権。刃牙の世界は実現できるか?」のテーマで
私、魔破 DATEの試合を客観的に振り返ったり、感じたことを書かせて頂きますので宜しくお願いいたします。
先ず、今回の練習では転落王(真王 DATE)の悪夢の教訓から、転落死の対策の強化に時間を割いていきました。
一回戦の突破を目標に! CACCの蓮見選手を想定してタックルによるテイクダウンや押し出しで、転落死を招かないように闘うべく、ヨーガを駆使したタックル対策を打撃練習と遜色なく併せて徹底的に行いました。
そして、試合当日の闘技場では蓮見選手からの強烈なタックルを実戦で体験し、予想以上の破壊力で苦戦を強いられました。
しかし、練習のおかげで破壊力に対応することができて、転落死を免れることができたのだと思います。
その反面、インド王族武術特有の打撃に関しては、残念ながら練習の半分も活かすことができませんでした。タックル攻撃による苦戦を強いられた結果は、判定1-2での敗退となってしまいました。
一回戦敗退となりその後は、観戦に集中いたしました。
プロレスラーの奥田選手はハイブリッド・プロレスラー(格闘技とプロレスの二刀流)で経験も豊富な方です。そのハイブリッド・プロレスラーが巌流島ルールで、闘技場で選んだのがタックル(奥田選手曰くスピアー)中心の戦術です。
とにかく、驚きました! 巌流島の闘技場で徹底したタックル戦法によって次々と強豪選手たちに転落死の結果をもたらすとは!
この戦術の前に強豪選手たちの転落死をまざまざと見せつけられ、奥田選手は優勝へと駒を進めていったのです。
巌流島の初参戦として、このタックルや押し出しでの転落死からの脱却を一つの目標に挑みました。
タックルは有効かつ強力な戦術であると他流試合の中で、武術拾壱兄弟は共通の認識をしています。
リングやケージでは、タックルで押し込まれることによる膠着(=何もできないされない)の不甲斐なさをよく経験するのですが、巌流島ルールには制限時間があり、闘技場では膠着の心配がなくなる一方で、崖への転落死という大きな恐怖があります。
直径8mの闘技場でタックルを受ける危険は、膠着から転落死へと重要度の意味合いが全く違ってきます。今回の参戦選手は、巌流島特有の転落対策はとっているはずなのに、私の勝者予想は全て覆りました。
奥田選手の優勝後に、初めて格闘技の応援に来ていただいたAさんから
「みんな蹴ったり、殴ったり余計な事するから駄目だったんだよ!プロレスの人みたいに押し出しに集中したほうが勝てたよ。ありゃ大したもんだ!」と言葉を頂戴し、色々な意味でドキッとしました。
何の予備情報もなく、巌流島を単純な勝ち負けで観ているAさんからしたら、確かにそうなるであろうと思う反面、蹴ったり、殴ったりが余計なことに映ってしまったんだと、衝撃を受けました。
さらに、帰り際にAさんから
「すごく面白かったよ! また呼んでね! 今度は余計なことしないで優勝狙いなさい(=たぶんタックル一本で転落狙いなさいの意)」
とすごく楽しんで頂けたことはとても嬉しかった! でも、でも、でも、しかし! GO!
「ルールミーティングで強調したいこと。勝ちにこだわってゲームの試合をするな。自分の流派の技にこだわって試してほしい。明日は皆さん、漫画の世界のキャラクターになって楽しんでほしい! やる側も楽しいのが巌流島!」という、谷川プロデューサーの言葉の実践を念頭に置いていた自分としては、Aさんの言葉に複雑怪奇な気持ちにならざるを得ませんでした。
まだ気持ちを落ち着かせて、冷静にスピードレーサーとしてF1の事案を引用させて頂き、
タックル問題を自分なりに述べさせていただきます。
F1では各チームがより速く走るためにルールの穴をついてきます。有名なのは、1976年の「P34」という車体です。
知っている方も多い事でしょう。ティレル(=タイレル)の6輪のF1カーです。その後1983年に、「車輪は4輪まで」とルールに明文化され、6輪車は禁止されました。ルール改正まで、その間なんと7年の歳月が経過するのです。
とても興味深い。実に面白い!
このルールの穴をつくという事は、インド王族武術においていう「闘う智慧」(死せずして活きる為の智慧)であり、優勝することへのこだわりと奥田選手の勝利するための執拗なまでのタックルによる優勝の実現!
また、菊野師匠の「相手選手の攻略法が間違ってるんですよ」の言葉にドキッ!ドキッ!
本来ならばしっかり勝ち上がり、試合で強豪を次々に転落死させた奥田選手のタックルはどんなものかを、実際に体験してコメントしたかったのですが、力及ばず敗退。あくまでも想像に任せてます。すみません。
もう一つは、胴着の有無とインド王族武術がショートボトム?!と併せて話題になっているので、そちらも触れておきます。
過去のインド王族武術の大会での胴着は、カルーリカの古式にのっとり上半身は裸、ボトムはゆったりしたロングでした。
しかし、Team DATEが東京に拠点を移してからは、大会が開催されることはなく他流試合が中心となっていきました。
その他流試合では、ほとんどの場合でロングのスタイルはルール規定に反することや、素材が大会に適さない問題などもあり、ロングスタイルは限定として、インド王族武術大会、演武やプロレス参戦での着用と改定されました(例外もあり)。
現在Team DATEでは自分が着用した上半身裸で、ボトムがショートのスタイルが基本で他流試合仕様となっています。
試合では上半身裸で対戦した蓮見選手も上半身裸だったので、その対策はきっちり行っていきました。
過去Team DATEから巌流島に参戦させて頂いた真王DATE(リアルキング)、聡-S DATE(タイガー)の経験から、胴着への対応というものを、実際に巌流島の胴着や柔道着で両名から指導を受けて対策練習もしていきました。
インド王族武術訓で「あらゆる状況に応じて変化、進化が矛を止める智慧であり最高の術」とも説かれています。
変化や進化についての一例ですが、
「高い所の葉を食べるために、キリンの首は伸びた」 と言われています。
転落死を防ぐために、「空中転回で押し出しを回避する技術」や 「足の裏にタコのような吸盤がついた」という斜め上の変化や進化が、巌流島で観られるかもしれない期待感をもっています。
Team DATEのボトムの変化も、他流試合仕様として挑み続ける以上は必然の進化と捉えています。とはいえ伝統や文化を重んじるあまり変化を否とし進化を止めてしまっている部分があることも否めませんが。
片方の選手は裸。もう一方は胴着着用。フェアではない。アンフェアだという興味深い意見が多数、見受けられました。今まで色々な大会に出てきましたが、先ずは決められたルールの範囲で闘うことが大前提であり当たり前でしたので、ルールに関しては従い参戦許可をもらうという意識しかありません。巌流島ではそれではいけないのかもしれませんが・・・。
もう一つ感じたことは
スポーツを標榜しているMMAや他の格闘技では、武術ではあまり問題にならない10kg以上の体重差は、通常アンフェア極まりない状態となってしまいます。選手同士の承諾があれば成立している試合もあります。実際に格闘技のワールドブランドになった谷川プロデューサーのK-1は、まさにその体重差の面白さが満載で、世界の格闘技ファンを惹きつけていたのではないでしょうか(生意気言ってすみません)。
巌流島には格闘技のアンフェアが厳然とあり胴着の有無のアンフェアの動向により
エンターテインメント性のポテンシャルは大きく大きく変化していくと思います。
実戦において、相手の服装や武器等が事前に分かることはまずないはずです。日本で日常の裸は確かに極端ですが・・・。しかし、巌流島は実戦を想定している武術エンターテインメントとして捉えるならば、体重差というスポーツでいうところのアンフェアを完全に呑み込んでいて、道着というアンフェアはどうするのか、私は結果を待ち順応する準備をしたいと思います。
闘技場という限定した場所があり、ルールという縛りがあり、それらに反しなければ、あらゆる戦略と戦術で勝つ!
何が飛び出るか分からない不測の状況に対応する選手たちの戦略・戦術のぶつかり合いで、名勝負が生まれるのだと思います。
勝ち負けに依らない巌流島の熱いドラマが実際に生まれているから、沢山の方を惹きつけているのだと思います。
巌流島に「徹底したタックルで転落させる作戦」という黒船?が襲来した現実を踏まえて道着の問題も含めて、どんなルールでも、黒船をインド王族武術の智慧の戦法により攻略する日、達成感を味わってみたい気持ちが強いです。
ルールが変われば攻略法も当然変える! ルールに難くならず、柔軟に智慧で勝つ! 智慧がたりないという問題は置くとして・・・。
それが巌流島の醍醐味と感じております! 細かいこだわりはなくインド王族武術へのこだわりには自信ありです。
ルール変更の如何に関わらず、次回の巌流島が開催されるのだけが、ただただ今は楽しみで仕方ない! GO GO GO!
メチャクチャ面白い武術エンターテインメントの誕生! それは巌流島にしかできない! 巌流島へGO! GO! GO!
奥田選手のように賢くはなれないかもしれないですが、インド王族武術に対して愚直な馬鹿で修行していきたいです!
最後に、これからもTeam DATEをよろしくお願いいたします! GO GO GO~!
(長くなってごめんなさい! すべては、あくまでも個人的な意見ですのであしからず・・・)
9.17巌流島のレポートはコチラ⇒『全日本武術選手権 in MAIHAMA』