GANRYUJIMA BLOG巌流島ブログ

巌流島に様々な武術家を送り込む海外プロモーター手記「巌流島はもう一度、闘いとは何か? を問うイベントである」

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お題………「大反響!1・3巌流島・舞浜大会を振り返る!」

文◎ステファン・カブレラ(巌流島・英語実況解説者/WKNチェアマン)

文◎ステファン・カブレラ(巌流島・英語実況解説者/WKNチェアマン)

 

巌流島は世界各地から様々な、まだ見ぬ武術のファイターが登場し、「一体、どこから見つけて来るの?」という声をよく聞くが、その中の一人がステファン・カブレラというフランスのプロモーターだ。WKNというキックボクシング団体のオーナーでありながら、巌流島の理念に惚れ込み、喧嘩フットボールやクラブマガの強豪を送り込むカブレラ氏。現在、「おさむらいch」で見れる英語版動画の解説者も務める彼がブロマガ初登場! 海外から巌流島はどう見られているのか?

私はWKNというキックボクシング団体のオーナーをしており、世界中で格闘技イベントを開催しています。その世界ネットワークを生かして、これまで巌流島のイベントに協力してきました。最初に巌流島と一緒に仕事をしたのは、2016年3月にTDCホールで開催された第3回大会。それ以来、世界中からクラブマガ、シラット、喧嘩フットボール、カンフートーア、コシティ、ジークンドーの選手を発掘し、巌流島に送りこんできました。

また、私は巌流島の放送の英語解説も担当していますので、機会があればぜひそちらもチェックしてみてください。

巌流島のイベントは回を重ねるごとに進化し、より良いイベントなってきています。1.3舞浜大会も素晴らしい大会になりました。国際色豊かな試合の数々はもちろん、演武やショーを通して、日本の様々な文化も紹介される。まるでフランスのシアターで演劇を楽しんでいるかのようでした。私は仕事柄、世界中で格闘技イベントを見てきましたが、あのようなショーケースを見るのは初めてです。

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巌流島が挑んでいるのは、「ファイトスポーツとは何か」をもう一度考えようというもの。キックボクシングやMMAなど、ファイトスポーツのルーツには日本の武道があります。我々、世界中の格闘技関係者はこの「格闘技とは何か」「闘うとは何か」という根本をもうずっと忘れてしまっていました。ただただ世界各地で格闘技イベントを繰り返すのみで、「なぜ」「なんのために」を考えることを忘れてしまっていたんです。

我々はもう一度、「ファイトスポーツ」を「マーシャルアーツ」に回帰させなくてはいけません。もう一度、格闘技を「アート」の次元にまで高めるのです。その点において、ミスター・タニカワのヴィジョンにはしっかりとした哲学があります。彼の周囲のスタッフもそのヴィジョンに共鳴し、チームが一体となって同じ目標に向かっているように見えます。

実際に、この「巌流島」という新たな舞台を通して、世界中のファイターが発掘され、有名になり始めています。菊野克紀選手は、巌流島で第二の格闘技人生をスタートさせたと言っていいでしょう。今後、彼のように巌流島で変貌し、活躍する選手が続々現れるはずです。

世界中のマーシャルアーティストが、それぞれのルーツやバックボーンを生かして活躍できる。選手を没個性化させない世界唯一の団体が巌流島だといえます。

1.3舞浜大会には、フランスから私の家族も連れてきました。私の妻は格闘技が好きではありません。好きではないというか、Hate(嫌い)なくらいで、普段は格闘技は見たがりません。しかし、巌流島を見た彼女は「初めて格闘技イベントを楽しめた」と話していました。巌流島はイベント構成が実によくできているので、彼女はトータルなエンターテインメント・ショーとして巌流島を楽しんだというのです。

また、私はSEI☆ZAのイベント制作にも協力していて、妻は1.19旗揚げ大会も観戦しました。妻はここでもイベントを「すごく楽しめた」と話していました。このようなことは今までなかったことで、私はとても驚かされました。「SEI☆ZAの試合はバイオレンスを感じさせず、格闘技というよりは“武道”という日本文化を見せてもらったようだ」というのが、彼女の理由です。

なぜ格闘技が嫌いな彼女でも楽しむことができたのか? そのあたりにヒントが隠されているはずです。巌流島とSEI☆ZAの「武道エンターテインメント」は、従来の格闘技ファン以外にも届く可能性を持っている。私自身、武道エンターテインメントの魅力の虜になった人間のひとりです。これからもぜひこの日本発コンテンツの発展のために協力していきたいと思っています。