GANRYUJIMA BLOG巌流島ブログ

広報担当が語る「巌流島の可能性!」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お題………「大反響!1・3巌流島・舞浜大会を振り返る!」

 

文◎清水秀生(株式会社あお・広報プロデューサー)

休眠ファンを日本の格闘技は呼び覚ませるか〜 1・3舞浜大会で感じた復活の鼓動

巌流島を愛するみなさま、初めまして。私は、広報の専門家ですので、旧来からの格闘技ファンとしての視点はベースとして、マーケティングの視点で先の『世界武術団体対抗戦 2017 in MAIHAMA 日本代表 vs 世界選抜』を中心とした巌流島と日本の格闘技界の今を分析したいと思います。

池上本門寺に眠る力道山が日本にプロレスの礎を築いた後、長い年月をかけて、最終的に「総合格闘技」は「何でもアリの異種格闘技戦」という意味を失う代わりに、MMAというスポーツのジャンルに昇華されました。そして、その主導権を握っているのは、米・UFCであります。この状況において、総合格闘技をテーマにしたイベントでシェアを逆転させるのは至難の業でしょう。

では、どうやったら日本のファンが満足する格闘技の興行ができるのでしょうか。そして、格闘技ブーム終焉後に、離脱してしまった休眠ファンが帰ってきてくれるのでしょうか。もちろん同時に、新規ファンも獲得しなければブームは起きません。

武道・武術にスポットを当てた異種格闘技戦が巌流島です。柔道や空手などと同じく、MMAをひとつのジャンルとして受け入れつつも、それよりも大きな枠を生み出しました。巌流島が目指すものは、「公平な異種格闘技戦」の実現であり、巌流島とはその名の通り、あくまで武道・武術の選手たちが戦う「場所」なのです。このアプローチは実に面白い。また、巌流島が積極的に子どもたちに向けたメッセージを発信し続けているという点も見逃せません。これまで、巌流島は、選手やイベントからのメッセージとして、子どもたちに向けたメッセージに重きを置いてきました。実際に、舞浜大会では、家族連れの姿を多く観ました。最近の格闘技・プロレスイベントではなかなか見られない現象が起きているのです。そして、ティーンに向けたアプローチとして、大学対抗武術駅伝を開催しましたし、これからも力を入れていくとのことです。

巌流島がブレイクを果たすには、前述の通り、休眠ファンの掘り起こしと新規ファンの発掘が必要不可欠です。かつてPRIDE、K-1に熱狂しつつも今は格闘技から離れてしまった休眠ファンたち。彼らは、公平を重んじます。彼らは、日本が中心であることを重んじます。そして、彼らは、本物であることを重んじます。休眠しているとは言え、PRIDE、K-1の絶頂期を観てきた彼らの目は肥えています。巌流島が滑稽な、なんちゃって天下一武道会ではいけないのです。だからこそ、舞浜大会における菊野克紀選手のリベンジは本当に大きな意味を持っています。

舞浜大会の約1ヶ月前、大会のプロモーションでスポーツ新聞各社を菊野克紀選手と一緒に訪問させていただきました。そのなかで、印象的だったのは、東京スポーツさんを訪問したときに「神の手」の話になったことです。相手に触らずして相手を感じることができる技術と菊野選手は語りましたが、そんなものが本当にあるのかと不思議に思った記憶があります。

サムネ

IMG_3434

「神の手という技術が本当にあれば、武道の神秘だし、まさに神業だ。しかし、バリバリのMMAファイターであるケビン・ソウザ選手に通用するだろか」というのが、当時の私の本音でした。しかし、結果は御存知の通り、まさにその「神の手」を使って菊野選手が勝ってしまったのです。それも、衝撃的な失神KOで。

伝統的な武道・武術のなかに間違いなく「本物」が存在し、その「神秘」もまた実在するのです。そして、それを使いこなすものは最新のMMAファイターにも勝ててしまう。菊野選手の真横にいながら、信じられなかったことが目の前で起こってしまう感動。この感動がしっかりとターゲットとするユーザー(=ファン)に伝わった時、革命が起きるのではと思います。

日本における格闘技の再ブレイク。そのための条件を巌流島というイベントは兼ね揃えています。そこには、格闘技の光も影も知り尽くした、谷川貞治氏による巧妙な仕掛けと同じ過ちを繰り返さない徹底した対策、天才的とも言える絶妙なマッチングのセンスがあるのだと思います。

人は、強さに夢を見る。日本の格闘技が、再び日本中…いや世界中の人々に夢を与える日が来ると、私は信じています。