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オリンピックに学ぶ新しい格闘技の形! 次回、巌流島ではトーナメントやります!

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8月24日(水)のブロマガ………お題「日本人とオリンピック」

文◎谷川貞治(巌流島イベントプロデューサー)

文◎谷川貞治(巌流島イベントプロデューサー)

 

いやぁ、皆さん、連日オリンピック面白かったですねえ。僕もすっかり寝不足で少しバテ気味です。僕的には「日本人とオリンピック」という視点で見ていました。柔道の選手なんか、何が何でも諦めない精神が伝わってきて、とても武道家っぽかったです。やはり「4年に一度」というフックは効いていますね。この「4年に一度」というのは、オリンピックの大発明だと思います。もう一つは、今やオリンピックは女性のための大会という気がします。それだけ、女性は伝わりやすいんでしょうね。愛ちゃんにしろ、吉田沙保里にしろ、柔道の松本薫しろ、バドミントンやシンクロにせよ、女子のインパクトが強かった。こりゃあ、男はかなわない気がしました。

サムネ

もう一方で、オリンピックのシステムですね。例えば格闘競技なんかみても階級を分けて、各階級1日で決めるところが素晴らしい。これはプロの格闘技にはなく、ルールなんてやたら過激にしないで、1日で決着のできるようにし、連日各階級トーナメントができるようになれば、その方が絶対に盛り上がるような気がします。巌流島でも、武道の大会らしく1日目は60キロ以下級、2日目は70キロ以下級、3日目は80キロ以下級、4日目は90キロ以下級、5日目は90キロ以上と、5日間くらい連続でイベントを毎年やって、それ以外はワンマッチや予選大会というものをやれたら、面白いかなぁという気がします。

というわけで、次回の巌流島はそうしたコンセプトに沿ったトーナメントをやりたいと思っています。「公開検証」も終わり、次から本格的なシリーズが始まりますが、それに沿ったものを始めていきたい。2020年には上記に当てはまるような、システムの大会をめざしたいと思います。今までの格闘技のトーナメントというと、一階級だけだったり、トーナメントが何ヶ月に分かれたりしていましたが、それではシステムとして未成熟。そこはオリンピックを見習いたいなと思っています。

次回の巌流島は、10月末に予定しておりますが、まずは武術の宝庫であるアジアを中心にやっていこうと思います。中国はまさに武術の発祥の地、太極拳や蟷螂拳、少林拳、シュワイジャオ、散打と数え切れない武術があるし、タイにはムエタイ、ミャンマーにはラウェイ、フィリピンにはカリ、ペンチャックシラット、インドにはコシティ、イランにはオイルレスリング、韓国にはテコンドー、シルム、モンゴルにはモンゴル相撲、日本には空手、柔道、相撲、日本拳法、少林寺拳法、ロシアまで入れるとコンバットサンボや空道と本当に魅力的な武術がたくさんあります。そんなワンデイ・トーナメントをぜひやりたいなと考えています。しかも、オリンピックじゃないけど、できるだけ若く、強くてかっこいいイケメンを揃えたいな。

巌流島は公開検証を経て、「これだったら実戦的でプロの試合としても面白い」「どの格闘技流派も公平に戦えるんじゃないか」というものが、出来てきたと思います。まさにリアル天下一武闘会ですね。その一方で、どんな武術もルールを作って競技にしてしまうと、その競技での勝ち方、闘い方が生まれてきます。これは武術の大きな矛盾です。初期のUFCでグレイシー柔術が提唱したのは、一対一の他流試合をコンセプトにした異種格闘技戦でしたが、今では完全に一つの競技になってしまっています。

だから、巌流島としても、公平な異種格闘技戦の競技化をめざしながら、闘い方が平均化される競技にしたくないという矛盾もあるのです。その意味では、前回大変好評だった田村潔司の「猪木vsアリルール」のような、別の視点からの公平な異種格闘技戦の公開検証も続けていきたいと思っています。お互いのルールの良い点、マイナスな点を話し合いながら、折衷案として闘う異種格闘技戦ですね。こういう精神を巌流島では忘れてはいけないと思っています。猪木さんのやってきた異種格闘技戦も、永遠のテーマとして面白いのは間違いない。

あとはアマチュアの底辺拡大ですね。競技にすることでの一番のメリットは底辺の裾野が広がることです。オリンピックはまさにそのためにあると言っても構いません。そして、柔道にしても、レスリングにしても、選手のクオリティはこのアマチュアの底辺に支えられているのは間違いありません。そこは大切ですね。巌流島としても、そういう視点は絶対に持っておこうと思います。オリンピックから学ぶことはとても多い。まさに人類が発明したスポーツ最大のコンテンツだと思います。

僕は何度も言っていますが、もう一度、格闘技が世間に大ブレイクするためには、今までのコンテンツの焼き直しではダメだと思っています。全く新しい方法論をいかに打ち出すか? それを日本のファンとともに作り上げたいと思っています。次回大会の発表は8月中にも行いますので、皆さん、ぜひ巌流島を会場に見に来てください。そこには新しい可能性がいっぱい詰まっていると思います!