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妄想や議論は格闘技ファンであることの醍醐味! 巌流島から新時代のグレイシーが出現するか!?

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niconico動画の『巌流島チャンネル』でほぼ毎日更新していた「ブロマガ」が、オフィシャルサイトでパワーアップして帰ってきました。これまでの連載陣=谷川貞治、山田英司、ターザン山本、田中正志、山口日昇に加え、安西伸一、クマクマンボ、柴田和則、菊野克紀、平直行、大成敦、そして本当にたまに岩倉豪と、多種多様な方々に声をかけていく予定です。ぜひ、ご期待ください!

5月25日(水)のブロマガ………お題『巌流島・公開検証Final』に期待すること

<写真右>文◎格闘技情報サイト(『イーファイト』代表)

 

少年時代、世界には様々な格闘技があると知って、ワクワクしたのを覚えている。様々な中国拳法から始まり、あらゆる格闘技をミックスして創られたというブルース・リー創始のジークンドーや、あらゆる格闘技をミックスして創られた軍隊の格闘技との触れ込みだったマーシャルアーツなど。「最強の格闘技は何なんだ?」と想いを巡らせていた。

『リングス』だって、初期の頃はコマンドサンボやチダオバなどの未知の格闘技が登場するのが面白かった。さすがにもう出尽くしただろうと思っていた矢先、突如表れたのがグレイシー柔術(ブラジリアン柔術)である。1993年に当時、大道塾にいた市原海樹が「グレイシー柔術と戦いたい」と発言するまで、その存在は全く知られていなかった。それから数カ月後に第1回UFCが開催され、ホイス・グレイシーが当時は神秘的にも見えた技の数々でトーナメント優勝を果たすまでは、日本の裏側にこんな格闘技があるとは誰も想像もしていなかっただろう。今からわずか23年前のことである。

その後も、クラブマガやクックスールウォンなど未知の格闘技が次々に登場し、巌流島のオフィシャルサイトを覗いてみると、カルチョ・ストーリコだのシャウスだのチェスボクシングだのと全く知らない格闘技がまだ世界には存在しているのだから驚きだ。もしかしたら、第二のブラジリアン柔術のような格闘技がまだ存在しているのではないか、という期待すら抱いてしまう。

1(サムネ)

存在を知ったのなら、次はその格闘技がどれほど強いのか、ということに興味が移る。実際には、最強の格闘技など存在するわけがなく、その選手個体が強いわけだが、それぞれの格闘技の技を活かして戦うところは見てみたいと思う。カポエイラをバックボーンに持つ選手が、手を床に着いた回し蹴りでKOしてしまうなんて夢のある話じゃないか。

結局のところ、故・梶原一騎が描いた『空手バカ一代』や『四角いジャングル』といった世界観が好きな人は多くいるのだ。これまで発表された数々の人気格闘技漫画も、ほとんどが異種格闘技戦をテーマにしていることからも、それは明らかである。

誰かが書いていた。「日本人は異種格闘技戦が好きである」と。アントニオ猪木が行っていた異種格闘技戦シリーズは、普段はプロレスを見ない層までチャンネルを合わせて見て、そのなりゆきに注目した。猪木vsモハメド・アリなんて世界中が注目したのだから、異種格闘技戦の持つ魅力は計り知れない。K-1もPRIDEも、分かりやすいように選手紹介のところでそれぞれのバックボーンを載せていたところが、人気を後押しした部分があったことは否定できない。

巌流島は「誰も見たことがない異種格闘技戦」がテーマだという。そういう団体がひとつくらいあってもいいと思う。世界中から様々な格闘技の選手を集めて、128名くらいでワールドトーナメントをやってほしいくらいだ。それくらいの規模で優勝した選手なら説得力があるというもの。例えば、試合前にくじ引きをして、当たった方のルールで戦うというのはどうだ。運さえも味方にした方が勝つことができる。

……というような妄想を膨らませるのが面白いのだ。巌流島には、まだ妄想できる楽しみが残されている。誰と誰がやったらどういう試合展開になってどっちが勝つか、という妄想や議論は格闘技ファンであることの醍醐味でもある。誰も想像していなかったものの創造、“サプライズ”を今後の巌流島にも期待したい。

ただし、60歳の達人みたいなのはもういいですよ。